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数学1 方程式不等式「方程式」の問題7 解説
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解説
方針・初手
与えられた連立1次方程式の第2式と第3式は $y, z$ のみの関係式になっています。第1式は $x = 3 - 2y - 5z$ と変形できるため、$y$ と $z$ の値が定まれば $x$ の値もただ1つに定まります。
したがって、連立方程式全体が「ただ1組の解をもつ」または「無数に多くの解をもつ」という条件は、第2式と第3式からなる $y, z$ についての連立方程式がそれぞれ「ただ1組の解をもつ」または「無数に多くの解をもつ」条件に帰着されます。まずは $y, z$ についての方程式を解く形に変形し、係数の条件から場合分けを行います。
解法1
与えられた連立1次方程式を次のように定める。
$$ \begin{cases} x + 2y + 5z = 3 & \dots \text{①} \\ ay + 2z = 2 & \dots \text{②} \\ 8y + bz = 5 & \dots \text{③} \end{cases} $$
①より $x = 3 - 2y - 5z$ と表せるため、$y, z$ の組が1つ定まれば $x$ もただ1つに定まり、$y, z$ が無数に存在すれば $x$ も無数に存在する。 よって、②と③からなる $y, z$ についての連立方程式の解の個数を考えればよい。
$y, z$ をそれぞれ消去するため、次のように変形する。 ② $\times b$ - ③ $\times 2$ より
$$ (ab - 16)y = 2b - 10 \dots \text{④} $$
③ $\times a$ - ② $\times 8$ より
$$ (ab - 16)z = 5a - 16 \dots \text{⑤} $$
**(1) ただ1組の解をもつ場合**
$y, z$ についての連立方程式がただ1組の解をもつための必要十分条件は、④および⑤がそれぞれ唯一の解をもつことである。 そのための条件は $x$ の係数が $0$ でないこと、すなわち $ab - 16 \neq 0$ である。 したがって、求める必要十分条件は
$$ ab \neq 16 $$
このとき、④、⑤より
$$ y = \frac{2b - 10}{ab - 16}, \quad z = \frac{5a - 16}{ab - 16} $$
これを①に代入して $x$ を求める。
$$ \begin{aligned} x &= 3 - 2 \cdot \frac{2b - 10}{ab - 16} - 5 \cdot \frac{5a - 16}{ab - 16} \\ &= \frac{3(ab - 16) - 2(2b - 10) - 5(5a - 16)}{ab - 16} \\ &= \frac{3ab - 48 - 4b + 20 - 25a + 80}{ab - 16} \\ &= \frac{3ab - 25a - 4b + 52}{ab - 16} \end{aligned} $$
**(2) 無数に多くの解をもつ場合**
方程式が無数に多くの解をもつためには、まず $ab - 16 = 0$ でなければならない。($ab - 16 \neq 0$ であれば解はただ1組となるため) $ab - 16 = 0$ すなわち $ab = 16$ のとき、④は $0 \cdot y = 2b - 10$ となる。 この方程式を満たす $y$ が存在するためには $2b - 10 = 0$、すなわち $b = 5$ が必要である。 このとき $ab = 16$ より $a = \frac{16}{5}$ となり、⑤は $0 \cdot z = 5 \cdot \frac{16}{5} - 16 = 0$ となって、これも任意の $z$ で成り立つ。
逆に、$a = \frac{16}{5}, b = 5$ のとき、②と③は ② : $\frac{16}{5}y + 2z = 2 \iff 8y + 5z = 5$ ③ : $8y + 5z = 5$ となり、②と③は全く同じ方程式となるため、解は無数に存在する。 よって、求める必要十分条件は
$$ a = \frac{16}{5}, \quad b = 5 $$
この条件のもとで解を求める。 $8y + 5z = 5$ において、$y = t$($t$ は任意の実数)とおくと
$$ 5z = 5 - 8t \iff z = 1 - \frac{8}{5}t $$
これを①に代入して $x$ を求める。
$$ \begin{aligned} x &= 3 - 2y - 5z \\ &= 3 - 2t - 5\left(1 - \frac{8}{5}t\right) \\ &= 3 - 2t - 5 + 8t \\ &= 6t - 2 \end{aligned} $$
よって、解が無数に存在し、それらは媒介変数 $t$ を用いて表される。
解説
行列式の考え方(クラメルの公式)を背景に持つ、連立1次方程式の解の存在条件に関する典型問題です。
一般に、2元1次連立方程式 $$ \begin{cases} px + qy = r \\ sx + ty = u \end{cases} $$ について、$pt - qs \neq 0$ のときただ1組の解を持ち、$pt - qs = 0$ のときは「解を持たない」か「無数に解を持つ」かのいずれかになります。 本問では、加減法によって係数を文字式でまとめることで、$AX = B$ の形を作り出しました。$A \neq 0$ ならば1つの解を持ち、$A = 0$ かつ $B \neq 0$ ならば解なし、$A = 0$ かつ $B = 0$ ならば無数に解を持ち得る(実際に元の式に代入して確認する)という論理展開は、文字係数の方程式を扱う際の基本となります。
なお、(2)の解の表現については、$y = 5k$($k$ は任意の実数)とおいて $x = 30k - 2, y = 5k, z = 1 - 8k$ と分数を避けて表記しても正解となります。
答え
**(1)**
必要十分条件:$ab \neq 16$
解: $$ x = \frac{3ab - 25a - 4b + 52}{ab - 16}, \quad y = \frac{2b - 10}{ab - 16}, \quad z = \frac{5a - 16}{ab - 16} $$
**(2)**
必要十分条件:$a = \frac{16}{5}$ かつ $b = 5$
解:$t$ を任意の実数として、 $$ x = 6t - 2, \quad y = t, \quad z = 1 - \frac{8}{5}t $$