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数学1 方程式不等式「方程式」の問題10 解説
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解説
方針・初手
(1)は $a^3+b^3+c^3-3abc$ の形の有名な式の因数分解である。公式として覚えていれば即答できるが、$x^3+y^3 = (x+y)^3 - 3xy(x+y)$ を用いて地道に変形していくこともできる。
(2)は(1)の結果を利用する。(1)で得られた因数分解の形と、$k \neq -1$ という条件から式を絞り込み、実数解の存在条件へ帰着させる。「和と積の値から実数存在条件(判別式)を考える」手法や、「1文字についての2次方程式とみて判別式を利用する」手法が有効である。
解法1
**(1)**
$x^3+y^3+1-3xy$ に対し、$x^3+y^3 = (x+y)^3 - 3xy(x+y)$ を用いて変形する。
$$ \begin{aligned} x^3+y^3+1-3xy &= (x+y)^3 - 3xy(x+y) + 1^3 - 3xy \\ &= (x+y)^3 + 1^3 - 3xy(x+y+1) \end{aligned} $$
前半の2項に対して $a^3+b^3 = (a+b)(a^2-ab+b^2)$ の公式を用いると、
$$ \begin{aligned} & (x+y+1)\{(x+y)^2 - (x+y) \cdot 1 + 1^2\} - 3xy(x+y+1) \\ &= (x+y+1)(x^2+2xy+y^2-x-y+1) - 3xy(x+y+1) \\ &= (x+y+1)(x^2+2xy+y^2-x-y+1-3xy) \\ &= (x+y+1)(x^2-xy+y^2-x-y+1) \end{aligned} $$
**(2)**
$x^3+y^3-3xy+1=0$ に(1)の結果を適用すると、
$$ (x+y+1)(x^2-xy+y^2-x-y+1) = 0 $$
ここで $x+y=k$ であり、条件より $k \neq -1$ であるから、
$$ x+y+1 = k+1 \neq 0 $$
したがって、
$$ x^2-xy+y^2-x-y+1 = 0 $$
が成り立つ。この式を基本対称式 $x+y$ と $xy$ を用いて表すと、
$$ (x+y)^2 - 3xy - (x+y) + 1 = 0 $$
$x+y=k$ を代入すると、
$$ k^2 - 3xy - k + 1 = 0 $$
$$ xy = \frac{k^2-k+1}{3} $$
よって、実数 $x, y$ は和が $k$、積が $\frac{k^2-k+1}{3}$ であるため、$t$ についての2次方程式
$$ t^2 - kt + \frac{k^2-k+1}{3} = 0 $$
の2つの解である。$x, y$ が実数として存在するための条件は、この2次方程式が実数解をもつことであるから、判別式を $D$ とすると $D \geqq 0$ となる。
$$ D = (-k)^2 - 4 \cdot 1 \cdot \frac{k^2-k+1}{3} = \frac{3k^2 - 4k^2 + 4k - 4}{3} = \frac{-k^2+4k-4}{3} = -\frac{(k-2)^2}{3} $$
$D \geqq 0$ より、
$$ -\frac{(k-2)^2}{3} \geqq 0 $$
$$ (k-2)^2 \leqq 0 $$
$k$ は実数であるから、$(k-2)^2 \geqq 0$ であり、不等式を満たすのは $(k-2)^2 = 0$ すなわち $k=2$ のときのみである。これは $k \neq -1$ を満たす。
$k=2$ のとき、2次方程式は
$$ t^2 - 2t + 1 = 0 $$
$$ (t-1)^2 = 0 $$
となり、重解 $t=1$ をもつ。
したがって、$x=1, y=1$ である。
解法2
**(2)の別解**
(1)より、
$$ (x+y+1)(x^2-xy+y^2-x-y+1) = 0 $$
$x+y=k \neq -1$ より $x+y+1 \neq 0$ であるから、
$$ x^2-xy+y^2-x-y+1 = 0 $$
この式を $x$ についての2次方程式とみて整理すると、
$$ x^2 - (y+1)x + (y^2-y+1) = 0 $$
実数 $x$ が存在するためには、この方程式が実数解をもつ必要がある。判別式を $D_x$ とすると $D_x \geqq 0$ であるから、
$$ D_x = \{-(y+1)\}^2 - 4 \cdot 1 \cdot (y^2-y+1) = y^2 + 2y + 1 - 4y^2 + 4y - 4 = -3y^2 + 6y - 3 = -3(y-1)^2 $$
$D_x \geqq 0$ より、
$$ -3(y-1)^2 \geqq 0 $$
$$ (y-1)^2 \leqq 0 $$
$y$ は実数であるから $y=1$ である。
このとき、$x$ の方程式に $y=1$ を代入すると、
$$ x^2 - 2x + 1 = 0 $$
$$ (x-1)^2 = 0 $$
よって $x=1$ である。
このとき、$k = x+y = 1+1 = 2$ となり、$k \neq -1$ を満たしている。
解説
(1)は $a^3+b^3+c^3-3abc = (a+b+c)(a^2+b^2+c^2-ab-bc-ca)$ の公式において $a=x, b=y, c=1$ としたものに他ならない。これを既知として即座に変形できるとよい。
(2)は「実数が存在するための条件」への翻訳がポイントである。解法1のように基本対称式を用いて「和と積」から2次方程式を作成し、判別式を用いる手法は対称式の問題で頻出の定石である。解法2のように、一方の文字についての2次方程式とみて判別式を利用する手法も強力であり、いずれの方法でもスムーズに解けるようにしておきたい。
答え
(1) $(x+y+1)(x^2-xy+y^2-x-y+1)$
(2) $k=2$、そのときの値 $x=1, y=1$