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数学1 方程式不等式「方程式」の問題12 解説

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解説

方針・初手

絶対値を含む方程式である。絶対値を外すためには、絶対値の中身の正負による場合分けを行うのが基本である。また、方程式の右辺が $|A| = B$ の形であることに着目し、$B \ge 0$ の条件下で $A = \pm B$ と同値変形を利用すると計算が簡略化できる。さらに、共通因数 $x+3$ が現れることを予測して因数分解を利用する。

解法1

与えられた方程式は以下の通りである。

$$ |(x-2)(x+3)| = x+3 $$

左辺は絶対値であるから $0$ 以上である。したがって、等号が成り立つためには右辺も $0$ 以上でなければならない。

$$ x+3 \ge 0 \iff x \ge -3 $$

この条件のもとで、与式は次の $2$ つの方程式に分けられる。

$$ (x-2)(x+3) = x+3 \quad \text{または} \quad (x-2)(x+3) = -(x+3) $$

**(i)** $(x-2)(x+3) = x+3$ のとき

式を整理して因数分解する。

$$ \begin{aligned} (x-2)(x+3) - (x+3) &= 0 \\ (x+3)\{(x-2) - 1\} &= 0 \\ (x+3)(x-3) &= 0 \end{aligned} $$

よって、$x = -3, 3$。これらはともに条件 $x \ge -3$ を満たす。

**(ii)** $(x-2)(x+3) = -(x+3)$ のとき

同様に式を整理して因数分解する。

$$ \begin{aligned} (x-2)(x+3) + (x+3) &= 0 \\ (x+3)\{(x-2) + 1\} &= 0 \\ (x+3)(x-1) &= 0 \end{aligned} $$

よって、$x = -3, 1$。これらもともに条件 $x \ge -3$ を満たす。

以上 **(i)**, **(ii)** より、求める解は $x = -3, 1, 3$ である。

解法2

絶対値の中身 $(x-2)(x+3)$ の符号によって場合分けを行う。

$(x-2)(x+3) = 0$ を解くと $x = -3, 2$ であるから、以下の $2$ つの範囲で場合分けをする。

**(i)** $x \le -3, \ 2 \le x$ のとき

$(x-2)(x+3) \ge 0$ であるから、絶対値記号はそのまま外れる。

$$ \begin{aligned} (x-2)(x+3) &= x+3 \\ (x-2)(x+3) - (x+3) &= 0 \\ (x+3)(x-3) &= 0 \end{aligned} $$

これを解いて $x = -3, 3$ を得る。これらは条件 $x \le -3, \ 2 \le x$ を満たす。

**(ii)** $-3 < x < 2$ のとき

$(x-2)(x+3) < 0$ であるから、絶対値記号はマイナスをつけて外れる。

$$ \begin{aligned} -(x-2)(x+3) &= x+3 \\ (x-2)(x+3) + (x+3) &= 0 \\ (x+3)(x-1) &= 0 \end{aligned} $$

これを解いて $x = -3, 1$ を得る。このうち、条件 $-3 < x < 2$ を満たすものは $x = 1$ のみである。($x = -3$ は条件を満たさないが、**(i)** で解として得られているため最終的な解には含まれる)

以上 **(i)**, **(ii)** より、求める解は $x = -3, 1, 3$ である。

解法3

絶対値の性質 $|ab| = |a||b|$ を利用する。与えられた方程式は次のように書き換えられる。

$$ |x-2||x+3| = x+3 $$

左辺は $0$ 以上であるため、右辺も $x+3 \ge 0$ すなわち $x \ge -3$ でなければならない。

このとき、$x+3 \ge 0$ であるから $|x+3| = x+3$ となる。これを方程式に代入する。

$$ |x-2|(x+3) = x+3 $$

左辺に項を集めて $x+3$ でくくる。

$$ \begin{aligned} |x-2|(x+3) - (x+3) &= 0 \\ (|x-2| - 1)(x+3) &= 0 \end{aligned} $$

したがって、以下の $2$ つのいずれかが成り立つ。

$$ x+3 = 0 \quad \text{または} \quad |x-2| - 1 = 0 $$

$x+3 = 0$ より $x = -3$。

$|x-2| - 1 = 0$ のとき、$|x-2| = 1$ より $x-2 = \pm 1$ となるため、$x = 3, 1$。

得られた $x = -3, 1, 3$ はすべて条件 $x \ge -3$ を満たす。

解説

絶対値を含む方程式の解法としては、中身の正負で場合分けを行う(解法2)のが最も確実で汎用的な方法である。しかし、本問のように $|A| = B$ の形をしている場合、「$B \ge 0$ かつ $A = \pm B$」と同値変形する(解法1)ことで、面倒な不等式による場合分けを減らすことができる。

また、方程式の両辺に $x+3$ という共通の式が含まれていることに気づくことが重要である。展開して $3$ 次方程式にしてしまうと因数定理を用いる手間が増えるため、共通因数としてくくり出す処理を行うのが望ましい。

答え

$$ x = -3, 1, 3 $$

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