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数学1 方程式不等式「方程式の解の個数」の問題8 解説
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解説
方針・初手
与えられた方程式の解の個数をグラフの共有点の個数として捉える問題である。 方程式 $|x-1|(x-2) = x + a$ は、定数 $a$ が分離しやすい形をしている。したがって、定数 $a$ を分離して $a = |x-1|(x-2) - x$ と変形し、固定された関数 $y = |x-1|(x-2) - x$ のグラフと、水平な直線 $y = a$ の共有点の個数を調べる手法(定数分離法)をとるのが最も見通しがよい。
そのまま $y = |x-1|(x-2)$ のグラフと直線 $y = x + a$ の共有点を考える方針でも解くことができるため、両方の解法を示す。
解法1
共有点の個数は、方程式 $|x-1|(x-2) = x + a$ の実数解の個数に等しい。 この方程式を変形すると、以下のようになる。
$$ a = |x-1|(x-2) - x $$
ここで、関数 $g(x) = |x-1|(x-2) - x$ を定義し、$y = g(x)$ のグラフと直線 $y = a$ の共有点の個数を調べる。 絶対値を外すため、$x$ の値の範囲で場合分けを行う。
**(i)** $x \geqq 1$ のとき $x - 1 \geqq 0$ であるから、
$$ \begin{aligned} g(x) &= (x-1)(x-2) - x \\ &= x^2 - 3x + 2 - x \\ &= x^2 - 4x + 2 \\ &= (x-2)^2 - 2 \end{aligned} $$
この範囲において、$g(x)$ は $x=2$ のとき最小値 $-2$ をとる。端点は $g(1) = -1$ である。
**(ii)** $x < 1$ のとき $x - 1 < 0$ であるから、
$$ \begin{aligned} g(x) &= -(x-1)(x-2) - x \\ &= -x^2 + 3x - 2 - x \\ &= -x^2 + 2x - 2 \\ &= -(x-1)^2 - 1 \end{aligned} $$
この範囲において、グラフは上に凸な放物線の一部であり、軸は $x=1$ であるため、$x < 1$ の範囲では単調に増加する。$x \to 1$ のとき $g(x) \to -1$ となる。
これら **(i)**, **(ii)** より、$g(x)$ の増減は以下のようになる。
- $x < 1$ では単調増加
- $1 \leqq x \leqq 2$ では単調減少
- $x \geqq 2$ では単調増加
極大値は $x=1$ のとき $-1$、極小値は $x=2$ のとき $-2$ である。 求める共有点の個数は、$y = g(x)$ のグラフと直線 $y = a$ の交点の個数に一致するため、グラフの形状から $a$ の値によって以下のように分類できる。
- $a > -1$ のとき、1個
- $a = -1$ のとき、2個
- $-2 < a < -1$ のとき、3個
- $a = -2$ のとき、2個
- $a < -2$ のとき、1個
解法2
関数 $f(x) = |x-1|(x-2)$ のグラフと直線 $y = x + a$ の共有点の個数を直接調べる。
**(i)** $x \geqq 1$ のとき $f(x) = x^2 - 3x + 2$ となる。 放物線 $y = x^2 - 3x + 2$ と直線 $y = x + a$ が接する条件を考える。
$$ x^2 - 3x + 2 = x + a $$
$$ x^2 - 4x + 2 - a = 0 $$
この2次方程式の判別式を $D_1$ とすると、接するとき $D_1 = 0$ となる。
$$ \frac{D_1}{4} = (-2)^2 - (2 - a) = a + 2 = 0 $$
よって、$a = -2$ である。このとき接点の $x$ 座標は $x = 2$ となり、$x \geqq 1$ を満たす。
**(ii)** $x < 1$ のとき $f(x) = -x^2 + 3x - 2$ となる。 放物線 $y = -x^2 + 3x - 2$ と直線 $y = x + a$ が接する条件を考える。
$$ -x^2 + 3x - 2 = x + a $$
$$ x^2 - 2x + a + 2 = 0 $$
この2次方程式の判別式を $D_2$ とすると、接するとき $D_2 = 0$ となる。
$$ \frac{D_2}{4} = (-1)^2 - (a + 2) = -a - 1 = 0 $$
よって、$a = -1$ である。このとき接点の $x$ 座標は $x = 1$ となるが、これは範囲 $x < 1$ に含まれない。このとき直線 $y = x - 1$ は点 $(1,0)$ を通り、これは $x < 1$ における放物線の $x \to 1$ での接線と一致している状態である。
関数 $y = f(x)$ のグラフは、点 $(1,0)$ で連続であり、$x < 1$ で上に凸、$x \geqq 1$ で下に凸である。 傾き $1$ の直線 $y = x + a$ を $y$ 切片 $a$ を変化させて上下に動かし、共有点の個数を数える。
- 直線が $y = f(x)$ の $x \geqq 1$ の部分に接するとき、$a = -2$ であり、共有点は接点と $x < 1$ 側の交点の計2個。
- これより下側、すなわち $a < -2$ のときは $x < 1$ 側でのみ交わり、1個。
- $a = -2$ から少し上に動かすと、$x \geqq 1$ 側で2点、$x < 1$ 側で1点交わり、計3個。
- 直線が点 $(1,0)$ を通るとき、$0 = 1 + a$ より $a = -1$ である。このとき共有点は $x=1$ と、もう一つ $x \geqq 1$ 側の計2個。($x < 1$ 側の交点は存在しなくなる)
- これより上側、すなわち $a > -1$ のときは、$x \geqq 1$ 側で1点のみ交わり、1個。
以上より、共有点の個数は $a$ の値によって変化する。
解説
方程式の実数解の個数や、グラフの共有点の個数を問う問題における典型的な手法を確認できる問題である。 定数 $a$ が1次式に単独で含まれているため、解法1のように「定数分離」を行うのが最も安全かつ簡明である。グラフが動かないため、一度グラフを正確に描いてしまえば、水平な直線 $y=a$ を上下させるだけで視覚的に個数を把握できる。 解法2のように直接交点を調べる場合、接する条件や定義域の境界を通る条件を漏れなく調べる必要があるため、計算や場合分けの負担がやや大きくなる。
答え
$a < -2$ のとき、1個
$a = -2$ のとき、2個
$-2 < a < -1$ のとき、3個
$a = -1$ のとき、2個
$a > -1$ のとき、1個