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数学1 方程式不等式「方程式の解の個数」の問題7 解説
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解説
方針・初手
与えられた関数 $y=f(x)$ のグラフと直線 $y=x+a$ の共有点の個数を調べる問題である。共有点の個数は、方程式 $f(x)=x+a$ の実数解の個数に等しい。定数 $a$ を分離して $a = f(x)-x$ と変形し、固定されたグラフ $y = f(x)-x$ と水平な直線 $y=a$ の共有点の個数として視覚的に捉える手法(定数分離)が確実である。また、そのまま $y=f(x)$ のグラフをかき、傾き $1$ の直線 $y=x+a$ を上下に平行移動させて共有点の個数を調べる手法も有効である。
解法1
方程式 $|x-1|(x-2) = x+a$ の実数解の個数を調べる。 定数 $a$ について方程式を整理すると、次のようになる。
$$ a = |x-1|(x-2) - x $$
ここで、関数 $g(x) = |x-1|(x-2) - x$ とおき、$y=g(x)$ のグラフと直線 $y=a$ の共有点の個数を調べる。絶対値を外すために、$x \geqq 1$ と $x < 1$ の場合で分けて $g(x)$ を計算する。
**(i)** $x \geqq 1$ のとき
$$ \begin{aligned} g(x) &= (x-1)(x-2) - x \\ &= x^2 - 3x + 2 - x \\ &= x^2 - 4x + 2 \\ &= (x-2)^2 - 2 \end{aligned} $$
この区間において、グラフは下に凸の放物線であり、頂点は $(2, -2)$ である。$x=1$ のとき $g(1) = -1$ である。
**(ii)** $x < 1$ のとき
$$ \begin{aligned} g(x) &= -(x-1)(x-2) - x \\ &= -x^2 + 3x - 2 - x \\ &= -x^2 + 2x - 2 \\ &= -(x-1)^2 - 1 \end{aligned} $$
この区間において、グラフは上に凸の放物線であり、頂点は $(1, -1)$ である。$x < 1$ の範囲では単調に増加し、$\lim_{x \to -\infty} g(x) = -\infty$ となる。
これら (i), (ii) の結果から $y=g(x)$ のグラフをかくと、$x < 1$ の範囲では単調増加して点 $(1, -1)$ に近づき、$x \geqq 1$ の範囲では $x=2$ で極小値 $-2$ をとり、その後単調増加する連続な曲線となる。
この曲線 $y=g(x)$ と水平な直線 $y=a$ の共有点の個数をグラフから読み取ると、以下のようになる。
- $a < -2$ のとき、$1$ 個
- $a = -2$ のとき、$2$ 個
- $-2 < a < -1$ のとき、$3$ 個
- $a = -1$ のとき、$2$ 個
- $a > -1$ のとき、$1$ 個
解法2
方程式 $|x-1|(x-2) = x+a$ の実数解の個数を、$y = f(x)$ のグラフと直線 $y=x+a$ の共有点の個数として直接調べる。
$f(x)$ の絶対値を外すと以下のようになる。
$$ f(x) = \begin{cases} x^2 - 3x + 2 \quad (x \geqq 1) \\ -x^2 + 3x - 2 \quad (x < 1) \end{cases} $$
$y=f(x)$ のグラフは、$x$ 軸上の点 $(1, 0), (2, 0)$ を通り、$1 \leqq x \leqq 2$ の部分が $x$ 軸の下側に折り返されたような形状をしている。 このグラフに対して、傾きが $1$ の直線 $y=x+a$ を $y$ 切片 $a$ の値を変えながら上下に動かして共有点の個数を調べる。
直線が曲線に接する場合と、境界となる点を通る場合を考える。
**(ア)** 直線が $x \geqq 1$ の曲線部分に接するとき $x \geqq 1$ のときの方程式 $x^2 - 3x + 2 = x+a$、すなわち $x^2 - 4x + 2 - a = 0$ が重解をもてばよい。 判別式を $D$ とすると、
$$ D/4 = (-2)^2 - (2 - a) = 0 $$
これより $a = -2$ を得る。このときの接点の $x$ 座標は $x = 2$ となり、$x \geqq 1$ の条件を満たす。
**(イ)** 直線がグラフの折れ曲がる点 $(1, 0)$ を通るとき 直線 $y=x+a$ に $x=1, y=0$ を代入して、
$$ 0 = 1 + a $$
これより $a = -1$ を得る。
また、$x < 1$ の部分である $y = -x^2 + 3x - 2$ 上での接線を考えると、$y' = -2x + 3 = 1$ より $x = 1$ となるが、これは区間外(境界点)であるため接点は存在しない。
以上から、直線 $y=x+a$ の位置と共有点の個数の関係は次のようになる。
- $a < -2$ のとき:直線は $x < 1$ の曲線部分と $1$ 点のみで交わる。
- $a = -2$ のとき:直線は $x \geqq 1$ の曲線部分に接し、$x < 1$ の曲線部分と $1$ 点で交わるため、計 $2$ 個。
- $-2 < a < -1$ のとき:直線は $x \geqq 1$ の曲線部分と $2$ 点で交わり、$x < 1$ の曲線部分と $1$ 点で交わるため、計 $3$ 個。
- $a = -1$ のとき:直線は点 $(1, 0)$ を通り、さらに $x > 2$ の部分で $1$ 点交わるため、計 $2$ 個。
- $a > -1$ のとき:直線は $x > 1$ の曲線部分と $1$ 点のみで交わる。
解説
方程式の実数解の個数を問う問題の典型であり、定数分離の手法が非常に有効である。関数を $y = f(x)-x$ と設定し直すことで、動く直線から水平な直線 $y=a$ への見極めに切り替えられ、視覚的な誤りを防ぐことができる。
そのままのグラフで考える解法2でも解けるが、グラフの凹凸や接線の位置関係を正確に把握していないと、個数の数え間違いを引き起こしやすい。折れ曲がる点や極値における接線の傾きに注意してグラフを描くことが重要である。
答え
$a < -2, -1 < a$ のとき、$1$ 個
$a = -2, -1$ のとき、$2$ 個
$-2 < a < -1$ のとき、$3$ 個