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数学1 方程式不等式「方程式の解の個数」の問題9 解説
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解説
方針・初手
(1) 与えられた条件から直線の式を求め、放物線の式と連立して2次方程式を解く。 (2) 2つのグラフの共有点の $x$ 座標は、$x$ の2次方程式 $x^2-(k+4)x+ka=0$ の実数解となる。「すべての実数 $k$ に対して、この2次方程式が $-2 \leqq x \leqq 2$ の範囲に少なくとも1つの実数解を持つ」ような定数 $a$ の条件を求める。代数的に解の配置問題として処理する手法(解法1)と、定点 $(a,0)$ を通る直線の図形的な振る舞いから視覚的に捉える手法(解法2)の2通りが有効である。
解法1
(1) 直線の方程式は、傾きが $-4$ で点 $(1, 0)$ を通るので、 $$ y = -4(x - 1) = -4x + 4 $$ これと関数 $y = x^2 - 4x$ を連立する。 $$ x^2 - 4x = -4x + 4 $$ $$ x^2 = 4 \iff x = \pm 2 $$ $x=2$ のとき、$y = -4 \cdot 2 + 4 = -4$。 $x=-2$ のとき、$y = -4 \cdot (-2) + 4 = 12$。 よって、求める共有点の座標は $(2, -4), (-2, 12)$ である。
(2) 関数 $y = x^2 - 4x$ と直線 $y = k(x-a)$ の共有点の $x$ 座標は、方程式 $x^2-4x = k(x-a)$ すなわち $$ x^2 - (k+4)x + ka = 0 \cdots \cdots (*) $$ の実数解である。 条件は、どんな $k$ の値に対しても方程式 $(*)$ が区間 $-2 \leqq x \leqq 2$ に少なくとも1つの実数解を持つことである。 $f(x) = x^2 - (k+4)x + ka$ とおく。
まず、任意の実数 $k$ に対して $(*)$ が実数解を持つことが必要である。 判別式を $D$ とすると、すべての $k$ で $D \geqq 0$ となる。 $$ D = (k+4)^2 - 4ka = k^2 + 4(2-a)k + 16 \geqq 0 $$ $k$ についての2次不等式が常に成り立つ条件は、その判別式 $D_k$ が $0$ 以下となることである。 $$ \frac{D_k}{4} = 4(2-a)^2 - 16 \leqq 0 $$ $$ (a-2)^2 \leqq 4 \iff -2 \leqq a-2 \leqq 2 \iff 0 \leqq a \leqq 4 \cdots \cdots (A) $$ (A) のもとで $(*)$ は常に実数解を持つ。 次に、方程式 $(*)$ のすべての実数解が区間 $-2 \leqq x \leqq 2$ の「外側」にあるような $k$ が存在「しない」条件を求める。 解がすべて区間外となるのは、放物線 $y=f(x)$ の軸が $x = \frac{k+4}{2}$ であることに注意すると、以下のいずれかが成り立つ場合である。
**(i)** $f(-2) < 0$ かつ $f(2) < 0$ (解が区間をまたぐ) **(ii)** $f(-2) > 0$ かつ $f(2) > 0$ かつ $\frac{k+4}{2} < -2$ (解がすべて $-2$ より小さい) **(iii)** $f(-2) > 0$ かつ $f(2) > 0$ かつ $\frac{k+4}{2} > 2$ (解がすべて $2$ より大きい)
ここで、$f(-2)$ と $f(2)$ を計算しておく。 $$ f(-2) = 4 + 2(k+4) + ka = (a+2)k + 12 $$ $$ f(2) = 4 - 2(k+4) + ka = (a-2)k - 4 $$
条件 **(ii)** について調べる。 $\frac{k+4}{2} < -2 \iff k < -8$ である。 (A) より $a \geqq 0$ だから $a+2 > 0$ となり、$k < -8$ のとき $$ f(-2) = (a+2)k + 12 < -8(a+2) + 12 = -8a - 4 < 0 $$ よって $f(-2) > 0$ となることはなく、**(ii)** を満たす $k$ は存在しない。
条件 **(iii)** について調べる。 $\frac{k+4}{2} > 2 \iff k > 0$ である。 もし $a > 2$ であれば、$k$ を正の方向に十分に大きく($k > \frac{4}{a-2}$)とると $f(2) > 0$ となる。さらに $k>0$ と $a>2$ より $f(-2) = (a+2)k + 12 > 0$ も満たされるため、**(iii)** を満たす $k$ が存在してしまう。 よって、そのような $k$ が存在しないためには $a \leqq 2$ が必要である。 (A) と合わせて $0 \leqq a \leqq 2 \cdots \cdots (B)$ を得る。 このとき $a-2 \leqq 0$ であり、$k>0$ ならば $f(2) = (a-2)k - 4 < 0$ となるため $f(2)>0$ と矛盾し、**(iii)** を満たす $k$ は存在しなくなる。
最後に条件 **(i)** について調べる。 (B) のもとで $a+2 > 0$ であり、$f(-2) < 0 \iff k < \frac{-12}{a+2}$ である。 $a=2$ のとき、$f(2) = -4 < 0$ は常に成り立つため、$k < -\frac{12}{4} = -3$ なる $k$ をとれば **(i)** を満たしてしまう。よって $a=2$ は不適。 $0 \leqq a < 2$ のとき、$a-2 < 0$ であり、$f(2) < 0 \iff (a-2)k - 4 < 0 \iff k > \frac{4}{a-2}$ である。 したがって、**(i)** を満たす $k$ の範囲は $\frac{4}{a-2} < k < \frac{-12}{a+2}$ となる。 このような $k$ が存在しないための条件は、 $$ \frac{4}{a-2} \geqq \frac{-12}{a+2} $$ $0 \leqq a < 2$ より $(a-2)(a+2) < 0$ であるから、両辺に $(a-2)(a+2)$ を掛けると不等号の向きが変わり、 $$ 4(a+2) \leqq -12(a-2) $$ $$ 4a + 8 \leqq -12a + 24 $$ $$ 16a \leqq 16 \iff a \leqq 1 $$ これは $0 \leqq a < 2$ を満たす。 以上より、求める $a$ の範囲は $0 \leqq a \leqq 1$ である。
解法2
(1) は解法1と同様である。
(2) (1) の結果より、関数 $y = x^2 - 4x$ のグラフ(放物線)を $C$ とし、その $-2 \leqq x \leqq 2$ の部分を $C'$ とすると、$C'$ の端点は $P(-2, 12)$ と $Q(2, -4)$ である。 直線 $l: y = k(x-a)$ は、定点 $A(a, 0)$ を通り傾き $k$ の直線である。 題意は「点 $A$ を通る任意の傾きの直線 $l$ が、$C'$ と少なくとも1つの共有点を持つ」ことである。
傾き $k$ を $k \to \pm\infty$ としたときの直線 $x=a$ も $C'$ と交わる必要があるので、$-2 \leqq a \leqq 2$ が必要である。 このとき、直線 $l$ が $C'$ と交わらないような傾き $k$ が存在しないための条件を考える。
**(ア)** $a < 0$ のとき 点 $A(a,0)$ は放物線 $C$ の外側(下側)にある。そのため、点 $A$ から $C$ に対して2本の接線が引ける。この2本の接線の傾きの間の値を $k$ としてとれば、直線 $l$ は $C$ 全体と共有点を持たない。当然 $C'$ とも共有点を持たないので、条件を満たさない。
**(イ)** $0 \leqq a \leqq 2$ のとき 点 $A(a,0)$ は $C$ の内側(上側)または周上にあるため、直線 $l$ は任意の傾き $k$ に対して必ず $C$ 全体と共有点(2交点または接点)を持つ。 このとき、直線 $l$ が $C'$ と共有点を持たないのは、直線 $l$ が $C'$ の端点 $P, Q$ の「外側(上側)」を通るときのみである。 点 $A(a,0)$ から見て、$P(-2, 12)$ は左上、$Q(2, -4)$ は右下にある。 $a=2$ のとき、$A(2,0)$ は $Q(2,-4)$ の真上にある。傾き $k$ を負で絶対値が十分に大きい値にとると、直線 $l$ は $C'$ の上側を通り共有点を持たない。よって不適である。 $0 \leqq a < 2$ のとき、直線 $l$ が $C'$ と交わらない条件は、直線 $l$ の傾き $k$ が直線 $AQ$ の傾きより大きく、直線 $AP$ の傾きより小さいことである。 直線 $AP$ の傾きは $\frac{12}{-2-a} = \frac{-12}{a+2}$、直線 $AQ$ の傾きは $\frac{-4}{2-a} = \frac{4}{a-2}$ であるから、 $$ \frac{4}{a-2} < k < \frac{-12}{a+2} $$ となる $k$ が存在するとき、直線 $l$ は $C'$ と交わらない。 よって、このような $k$ が存在しないための条件は、 $$ \frac{4}{a-2} \geqq \frac{-12}{a+2} $$ $0 \leqq a < 2$ より $(a-2)(a+2) < 0$ であるから、両辺に $(a-2)(a+2)$ を掛けて $$ 4(a+2) \leqq -12(a-2) $$ $$ 16a \leqq 16 \iff a \leqq 1 $$ これは $0 \leqq a < 2$ を満たす。 以上より、求める $a$ の範囲は $0 \leqq a \leqq 1$ である。
解説
(2) は「任意の $k$ に対して(条件を満たす)$x$ が存在する」という論理構造を持つ。これを真正面から解こうとすると場合分けが複雑になりやすい。 解法1のように「(条件を満たさない) $x$ しか持たないような $k$ が存在しない」と言い換えることで、2次方程式の解の配置問題に帰着させるのが確実なアプローチである。 解法2のように図形的な位置関係として捉える方法は、見通しが良く計算量も少ないが、点 $A$ が放物線の内側にあるか外側にあるかの吟味(接線が引けるかどうかの確認)を怠ると論理的な飛躍になるため注意が必要である。
答え
(1) $(2, -4), (-2, 12)$
(2) $0 \leqq a \leqq 1$