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数学1 方程式不等式「二次不等式」の問題9 解説
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解説
方針・初手
- 不等式 $5n^2 - 2kn + 1 < 0$ を満たす整数 $n$ について考える。
- 文字 $k$ と $n$ が混在しているため、どちらかの文字について整理するアプローチが有効である。
- **解法1**では、$k$ についての不等式に変形し、定数分離の形に持ち込んで条件を絞り込む。
- **解法2**では、$f(n) = 5n^2 - 2kn + 1$ とおき、2次関数のグラフの配置問題として考える。
解法1
与えられた不等式は以下の通りである。
$$ 5n^2 - 2kn + 1 < 0 $$
これを $k$ について整理すると、
$$ 2kn > 5n^2 + 1 $$
となる。ここで、$n$ は整数であるが、もし $n \le 0$ とすると、不等式の左辺は $2kn \le 0$ ($k$ は正の整数より)、右辺は $5n^2 + 1 \ge 1$ となり、不等式は成立しない。 したがって、この不等式を満たす整数 $n$ は正の整数($n \ge 1$)に限られる。
$n > 0$ であるから、両辺を $2n$ で割ることができ、不等号の向きは変わらない。
$$ k > \frac{5n^2 + 1}{2n} $$
を得る。右辺を $g(n)$ とおく。
$$ g(n) = \frac{5n^2 + 1}{2n} = \frac{5}{2}n + \frac{1}{2n} $$
関数 $g(n)$ の $n \ge 1$ における増減を調べるために、$g(n+1) - g(n)$ を計算する。
$$ \begin{aligned} g(n+1) - g(n) &= \left( \frac{5}{2}(n+1) + \frac{1}{2(n+1)} \right) - \left( \frac{5}{2}n + \frac{1}{2n} \right) \\ &= \frac{5}{2} + \frac{1}{2(n+1)} - \frac{1}{2n} \\ &= \frac{5n(n+1) - 1}{2n(n+1)} \end{aligned} $$
$n \ge 1$ のとき、分子は $5n(n+1) - 1 \ge 10 - 1 = 9 > 0$、分母は $2n(n+1) > 0$ であるから、$g(n+1) - g(n) > 0$ が成り立つ。 よって、正の整数の列 $\{g(n)\}$ は単調増加である。
具体的に $n$ の値を代入して値を求める。
$$ \begin{aligned} g(1) &= \frac{5 \cdot 1^2 + 1}{2 \cdot 1} = 3 \\ g(2) &= \frac{5 \cdot 2^2 + 1}{2 \cdot 2} = \frac{21}{4} = 5.25 \\ g(3) &= \frac{5 \cdot 3^2 + 1}{2 \cdot 3} = \frac{46}{6} = 7.66\dots \end{aligned} $$
不等式 $k > g(n)$ を満たす正の整数 $n$ がちょうど1個であるための条件は、数列の単調増加性より $n=1$ のみが不等式を満たすことである。 すなわち、$k$ が満たすべき条件は、
$$ g(1) < k \le g(2) $$
である。数値を代入すると、
$$ 3 < k \le 5.25 $$
$k$ は正の整数であるから、これを満たす $k$ は $4, 5$ である。
解法2
$f(x) = 5x^2 - 2kx + 1$ とおく。条件は、$f(n) < 0$ を満たす整数 $n$ がちょうど1個となることである。
放物線 $y = f(x)$ は下に凸であり、軸は直線 $x = \frac{k}{5}$、また $y$ 切片は $f(0) = 1 > 0$ である。 $k$ は正の整数であるから、軸 $x = \frac{k}{5} > 0$ である。 したがって、$x \le 0$ の範囲では $f(x)$ は単調に減少し、$f(x) \ge f(0) = 1 > 0$ となる。 よって、$f(n) < 0$ を満たす整数 $n$ が存在する場合、それは正の整数に限られる。
$f(n) < 0$ を満たす正の整数がちょうど1個であるための条件を考える。 $x \ge 0$ における整数の点の値を調べる。
$$ \begin{aligned} f(1) &= 5 - 2k + 1 = 6 - 2k \\ f(2) &= 20 - 4k + 1 = 21 - 4k \end{aligned} $$
**(i)** $k \le 3$ のとき
$f(1) = 6 - 2k \ge 0$ となる。 軸は $x = \frac{k}{5} \le \frac{3}{5}$ であるため、$x \ge 1$ の範囲で関数 $f(x)$ は単調に増加する。 よって、すべての正の整数 $n$ に対して $f(n) \ge f(1) \ge 0$ となり、$f(n) < 0$ を満たす整数は存在しない。
**(ii)** $k = 4, 5$ のとき
$f(1) = 6 - 2k < 0$ であり、$n=1$ は $f(n) < 0$ を満たす。 一方、$f(2) = 21 - 4k$ について、$k=4$ のとき $5 > 0$、$k=5$ のとき $1 > 0$ であり、$f(2) > 0$ となる。 軸は $x = \frac{k}{5}$ より、$\frac{4}{5} \le x \le 1$ であるため、$x \ge 1$ の範囲で関数 $f(x)$ は単調に増加する。 よって、$n \ge 2$ のすべての整数に対して $f(n) \ge f(2) > 0$ が成り立つ。 したがって、$f(n) < 0$ を満たす整数は $n=1$ のちょうど1個である。
**(iii)** $k \ge 6$ のとき
$f(1) = 6 - 2k \le -6 < 0$ $f(2) = 21 - 4k \le -3 < 0$ となり、$n=1$ と $n=2$ の少なくとも2つの整数が $f(n) < 0$ を満たすため、条件に適さない。
以上 **(i)**, **(ii)**, **(iii)** より、求める $k$ の値は $4, 5$ である。
解説
- **定数分離の手法**: 文字が複数ある不等式や方程式では、解法1のように変数を分離して「片側をグラフ固定、片側を定数として上下させる」という視点を持つと、論理の飛躍なく見通し良く解くことができる。
- **2次関数のグラフの配置**: 解法2では、$f(0)=1 > 0$ と軸の位置から、「解が存在するなら正の整数から順番に埋まっていく」ことを見抜くのがポイントである。$n=1$ が解に含まれ、$n=2$ が解から外れる条件を立式すればよい。
答え
$$ k = 4, 5 $$