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数学1 方程式不等式「二次不等式」の問題22 解説

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数学1方程式不等式二次不等式問題22
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数学1 方程式不等式 二次不等式 問題22の問題画像
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解説

方針・初手

与えられた命題は、「すべての $b$ について、ある $x$ で $ax^2 + bx + c < 0$ が成り立つ」という構造である。$x$ についての関数 $f(x) = ax^2 + bx + c$ を考えたとき、「ある $x$ で $f(x) < 0$ になる」とは、「$f(x)$ の最小値が存在する場合はそれが負である」、あるいは「最小値が存在せず負の無限大に発散する」ことを意味する。 $a$ の符号によって $f(x)$ のグラフの概形が変わるため、$a>0, a=0, a<0$ に場合分けして直接調べるのが自然なアプローチである。 また、論理式に慣れている場合は、与えられた命題の「否定」が成り立たない条件を考えると、さらに見通しよく解ける。

解法1

$f(x) = ax^2 + bx + c$ とおく。 与えられた命題は「すべての実数 $b$ に対して、ある実数 $x$ が存在して $f(x) < 0$ となる」ことである。$x^2$ の係数 $a$ の符号で場合分けをする。

**(i)** $a < 0$ のとき

$y = f(x)$ のグラフは上に凸の放物線であり、$\lim_{x \to \infty} f(x) = -\infty$ となる。 したがって、任意の実数 $b, c$ に対して、絶対値が十分に大きい実数 $x$ をとれば必ず $f(x) < 0$ となる。 ゆえに、$a < 0$ のときはすべての $b$ について命題を満たす。

**(ii)** $a = 0$ のとき

$f(x) = bx + c$ となる。 すべての実数 $b$ に対して、ある実数 $x$ が存在して $bx + c < 0$ となる条件を考える。 $b = 0$ のときは $f(x) = c$ となり、これが負となる $x$ が存在するための条件は $c < 0$ である。 $b \neq 0$ のときは、$x < -\frac{c}{b}$ ($b>0$ のとき) または $x > -\frac{c}{b}$ ($b<0$ のとき) なる $x$ をとれば $f(x) < 0$ となるため、$c$ の値によらず常に条件を満たす。 すべての実数 $b$ に対して条件を満たすためには、$b=0$ の場合でも成立することが必須であるから、$c < 0$ が必要十分条件となる。

**(iii)** $a > 0$ のとき

$y = f(x)$ のグラフは下に凸の放物線であるから、「ある実数 $x$ に対して $f(x) < 0$ となる」ための必要十分条件は、2次方程式 $f(x) = 0$ が異なる2つの実数解をもつこと、すなわち判別式を $D$ とすると $D > 0$ となることである。

$$ D = b^2 - 4ac > 0 $$

与えられた命題が成立するためには、この不等式がすべての実数 $b$ に対して成り立てばよい。 実数 $b$ について $b^2 \geqq 0$ であるから、$b^2 - 4ac$ の最小値は $-4ac$ である。 したがって、すべての実数 $b$ で $b^2 - 4ac > 0$ となるための必要十分条件は

$$ -4ac > 0 $$

$a > 0$ であるから、両辺を $-4a$ で割って $c < 0$ となる。

以上 **(i)**, **(ii)**, **(iii)** より、求める必要十分条件は、「$a < 0$」または「$a = 0$ かつ $c < 0$」または「$a > 0$ かつ $c < 0$」である。 これをまとめると、

$$ a < 0 \quad \text{または} \quad c < 0 $$

となる。

解法2

与えられた命題の否定を考え、それが偽となる条件を求める。 命題の否定は、「ある実数 $b$ に対して、すべての実数 $x$ で $ax^2 + bx + c \geqq 0$ となる」ことである。この否定命題が真となる条件を考える。

すべての実数 $x$ に対して $ax^2 + bx + c \geqq 0$ となるための必要十分条件は、以下の **(ア)** または **(イ)** のいずれかが成り立つことである。

**(ア)** $a > 0$ かつ $b^2 - 4ac \leqq 0$

**(イ)** $a = 0$ かつ $b = 0$ かつ $c \geqq 0$

したがって、否定命題が真となるための条件は、ある実数 $b$ が存在して **(ア)** または **(イ)** が成り立つことである。

**(i)** **(ア)** を満たす $b$ が存在する条件

$a > 0$ のもとで、$b^2 \leqq 4ac$ を満たす実数 $b$ が存在すればよい。 $b^2 \geqq 0$ であるから、このような $b$ が存在するための必要十分条件は $4ac \geqq 0$ である。 $a > 0$ より、両辺を $4a$ で割って $c \geqq 0$ となる。 よって、条件は $a > 0$ かつ $c \geqq 0$ である。

**(ii)** **(イ)** を満たす $b$ が存在する条件

**(イ)** の条件自体に $b=0$ と指定されており、条件を満たす実数 $b$ は存在するので、求める条件は $a = 0$ かつ $c \geqq 0$ である。

以上より、否定命題が真となる $(a, c)$ の必要十分条件は、「$a > 0$ かつ $c \geqq 0$」または「$a = 0$ かつ $c \geqq 0$」、すなわち

$$ a \geqq 0 \quad \text{かつ} \quad c \geqq 0 $$

である。 元の命題が真となる条件は、この否定命題が偽となることであるから、求める条件は上の条件の否定をとって

$$ a < 0 \quad \text{または} \quad c < 0 $$

となる。

解説

全称記号(「すべての〜」)と存在記号(「ある〜」)が混ざった命題の真偽を問う問題である。 解法1のように、対象となる変数のうち片方を固定して(この場合は $b$ を定数とみて $x$ を動かし)、その後にもう片方を動かすというアプローチが基本である。$a$ の符号によって関数の振る舞いが大きく変わるため、漏れなく場合分けを行う必要がある。 解法2のように「否定命題」を考えると、「すべての $x$ について $f(x) \geqq 0$(絶対不等式)」という見慣れた形に帰着できるため、計算量が減り見通しが良くなる。ド・モルガンの法則などを活用した論理の扱いに習熟していると有利に働く問題である。

答え

必要十分条件は

$$ a < 0 \quad \text{または} \quad c < 0 $$

$(a, c)$ の範囲を図示すると、以下のようになる。(横軸を $a$ 軸、縦軸を $c$ 軸とする)

$ac$ 座標平面上において、$a \geqq 0$ かつ $c \geqq 0$ となる領域(第1象限およびその境界)を除いたすべての部分である。

境界線については、

$a$ 軸の $a < 0$ の部分、および $c$ 軸の $c < 0$ の部分は **領域に含む**。

原点 $(0, 0)$、および $a$ 軸の $a \geqq 0$ の部分、$c$ 軸の $c \geqq 0$ の部分は **領域に含まない**。

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