基礎問題集
数学1 方程式不等式「二次方程式」の問題16 解説
数学1の方程式不等式「二次方程式」にある問題16の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
2次方程式が整数解をもつという条件を処理する典型問題である。大きく分けて2つのアプローチが考えられる。 1つは、2つの整数解を文字で置き、解と係数の関係を用いて問題の文字 $m$ を消去し、整数の不定方程式に帰着させる方法である。 もう1つは、解の公式を用いたときに根号の中身(判別式)が平方数になる必要があることに着目し、$m$ についての不定方程式を解く方法である。
解法1
与えられた2次方程式の2つの整数解を $\alpha, \beta$($\alpha \leqq \beta$)とおく。 解と係数の関係より、以下の関係式が成り立つ。
$$ \begin{cases} \alpha + \beta = -(2m + 5) & \cdots \text{①} \\ \alpha\beta = m + 3 & \cdots \text{②} \end{cases} $$
②より $m = \alpha\beta - 3$ である。これを①に代入して $m$ を消去する。
$$ \alpha + \beta = -2(\alpha\beta - 3) - 5 $$
$$ \alpha + \beta = -2\alpha\beta + 1 $$
$$ 2\alpha\beta + \alpha + \beta = 1 $$
この式の両辺を2倍して、積の形に変形する。
$$ 4\alpha\beta + 2\alpha + 2\beta = 2 $$
$$ 2\alpha(2\beta + 1) + 2\beta + 1 - 1 = 2 $$
$$ (2\alpha + 1)(2\beta + 1) = 3 $$
$\alpha, \beta$ は整数であるから、$2\alpha + 1, 2\beta + 1$ も整数である。 また、$\alpha \leqq \beta$ より $2\alpha + 1 \leqq 2\beta + 1$ であるから、かけて $3$ になる整数の組は以下の2通りに限られる。
** (i) ** $(2\alpha + 1, 2\beta + 1) = (1, 3)$ のとき
$$ 2\alpha = 0, \quad 2\beta = 2 $$
$$ \alpha = 0, \quad \beta = 1 $$
これらは整数であり適する。このとき、②より $m$ の値は以下のようになる。
$$ m = 0 \cdot 1 - 3 = -3 $$
** (ii) ** $(2\alpha + 1, 2\beta + 1) = (-3, -1)$ のとき
$$ 2\alpha = -4, \quad 2\beta = -2 $$
$$ \alpha = -2, \quad \beta = -1 $$
これらは整数であり適する。このとき、②より $m$ の値は以下のようになる。
$$ m = (-2) \cdot (-1) - 3 = 2 - 3 = -1 $$
以上より、求める整数 $m$ の値は $m = -1, -3$ である。
解法2
2次方程式 $x^2 + (2m+5)x + (m+3) = 0$ を解の公式で解くと以下のようになる。
$$ x = \frac{-(2m+5) \pm \sqrt{(2m+5)^2 - 4(m+3)}}{2} $$
$$ x = \frac{-(2m+5) \pm \sqrt{4m^2 + 16m + 13}}{2} $$
この解が整数になるためには、少なくとも根号の中身が $0$ 以上の平方数にならなければならない。 したがって、$k$ を $0$ 以上の整数として、次のように表すことができる。
$$ 4m^2 + 16m + 13 = k^2 $$
この式を平方完成を利用して変形し、$( \quad )^2 - ( \quad )^2 = (\text{定数})$ の形を作る。
$$ 4(m^2 + 4m) + 13 = k^2 $$
$$ 4(m+2)^2 - 16 + 13 = k^2 $$
$$ 4(m+2)^2 - k^2 = 3 $$
$$ \{2(m+2) + k\}\{2(m+2) - k\} = 3 $$
$$ (2m + k + 4)(2m - k + 4) = 3 $$
$m, k$ は整数であるから、$2m + k + 4$ と $2m - k + 4$ も整数である。 また、$(2m + k + 4) - (2m - k + 4) = 2k \geqq 0$ であるから、$2m + k + 4 \geqq 2m - k + 4$ である。 かけて $3$ になる整数の組のうち、この大小関係を満たすものは以下の2通りである。
** (i) ** $(2m + k + 4, 2m - k + 4) = (3, 1)$ のとき
辺々を足し合わせると以下のようになる。
$$ 4m + 8 = 4 $$
$$ 4m = -4 $$
$$ m = -1 $$
このとき $k = 1$ であり適する。 $m = -1$ のとき、もとの方程式は $x^2 + 3x + 2 = 0$ となり、$(x+1)(x+2) = 0$ より $x = -1, -2$ となる。これは整数解であるから条件を満たす。
** (ii) ** $(2m + k + 4, 2m - k + 4) = (-1, -3)$ のとき
辺々を足し合わせると以下のようになる。
$$ 4m + 8 = -4 $$
$$ 4m = -12 $$
$$ m = -3 $$
このとき $k = 1$ であり適する。 $m = -3$ のとき、もとの方程式は $x^2 - x = 0$ となり、$x(x-1) = 0$ より $x = 0, 1$ となる。これは整数解であるから条件を満たす。
以上より、求める整数 $m$ の値は $m = -1, -3$ である。
解説
「2次方程式が整数解をもつ」という設定は頻出である。本問のように $x^2$ の係数が $1$ であり、なおかつ解と係数の関係で作った式から $m$ が容易に消去できる(1次式である)場合は、解法1のように不定方程式 $(\text{文字式}) \times (\text{文字式}) = (\text{整数})$ に持ち込むのが最も確実で計算量も少ない。
解法2の判別式を利用する方法も有力であるが、最後に得られた $m$ の値が「解を有理数にする」だけでなく「解を整数にする」かどうかの確認(十分性の確認)を忘れないように注意したい。本問では確認作業まで含めても負担は軽いが、問題によってはこの確認に手間がかかる場合がある。
答え
$$ m = -1, -3 $$