基礎問題集
数学1 方程式不等式「二次方程式」の問題17 解説
数学1の方程式不等式「二次方程式」にある問題17の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
与えられた方程式を「(文字式) $\times$ (文字式) = (整数)」の形に変形することを目標とする。そのためには、$x$ について平方完成するか、解の公式を用いて根号内が平方数となる条件を考えるのが定石である。あるいは、整数の性質を利用して不等式評価を行い、値を絞り込む手法も有効である。
解法1
与えられた方程式は、次のように変形できる。
$$ x^2 + x = a^2 + 5 $$
左辺の $x$ について平方完成を行いやすくするため、両辺を $4$ 倍する。
$$ \begin{aligned} 4x^2 + 4x &= 4a^2 + 20 \\ (2x + 1)^2 - 1 &= 4a^2 + 20 \\ (2x + 1)^2 - 4a^2 &= 21 \\ (2x + 1)^2 - (2a)^2 &= 21 \end{aligned} $$
左辺を因数分解すると、次のようになる。
$$ (2x + 1 + 2a)(2x + 1 - 2a) = 21 $$
ここで、$a, x$ は自然数($a \geqq 1, x \geqq 1$)であるため、$2x + 1 + 2a$ と $2x + 1 - 2a$ はともに整数であり、以下の大小関係が成り立つ。
$$ 2x + 1 + 2a \geqq 3 + 2 = 5 > 0 $$
$$ 2x + 1 + 2a > 2x + 1 - 2a $$
積が $21$ となる正の整数の組 $(2x + 1 + 2a, 2x + 1 - 2a)$ は、$(21, 1)$ または $(7, 3)$ に限られる。
**(i)** $(2x + 1 + 2a, 2x + 1 - 2a) = (21, 1)$ のとき
辺々を加えると $2(2x + 1) = 22$ より $2x + 1 = 11$ となり、$x = 5$ を得る。 辺々を引くと $4a = 20$ より $a = 5$ を得る。 これは $a, x$ が自然数であるという条件を満たす。
**(ii)** $(2x + 1 + 2a, 2x + 1 - 2a) = (7, 3)$ のとき
辺々を加えると $2(2x + 1) = 10$ より $2x + 1 = 5$ となり、$x = 2$ を得る。 辺々を引くと $4a = 4$ より $a = 1$ を得る。 これも $a, x$ が自然数であるという条件を満たす。
**(i)**, **(ii)** より、求める組は $(a, x) = (1, 2), (5, 5)$ である。
解法2
与えられた方程式を $x$ についての2次方程式 $x^2 + x - (a^2 + 5) = 0$ とみて、解の公式を用いる。
$$ x = \frac{-1 \pm \sqrt{1^2 - 4 \cdot 1 \cdot \{-(a^2 + 5)\}}}{2} = \frac{-1 \pm \sqrt{4a^2 + 21}}{2} $$
$x$ は自然数であり $x > 0$ であるから、複号は正のみが適する。
$$ x = \frac{-1 + \sqrt{4a^2 + 21}}{2} $$
$x$ が自然数(整数)となるためには、根号の中身である $4a^2 + 21$ がある奇数の自然数 $k$ の2乗にならなければならない。すなわち、$k$ を奇数の自然数として次のように表せる。
$$ 4a^2 + 21 = k^2 $$
これを変形して因数分解する。
$$ \begin{aligned} k^2 - 4a^2 &= 21 \\ (k + 2a)(k - 2a) &= 21 \end{aligned} $$
$a$ は自然数より $a \geqq 1$、$k$ は自然数より $k \geqq 1$ であるから、$k + 2a > 0$ であり、$k + 2a > k - 2a$ である。積が $21$ となる組 $(k + 2a, k - 2a)$ は $(21, 1)$ または $(7, 3)$ である。
**(i)** $(k + 2a, k - 2a) = (21, 1)$ のとき
辺々を加えると $2k = 22$ より $k = 11$。 辺々を引くと $4a = 20$ より $a = 5$。 このとき、$x = \frac{-1 + 11}{2} = 5$ となり、自然数の条件を満たす。
**(ii)** $(k + 2a, k - 2a) = (7, 3)$ のとき
辺々を加えると $2k = 10$ より $k = 5$。 辺々を引くと $4a = 4$ より $a = 1$。 このとき、$x = \frac{-1 + 5}{2} = 2$ となり、自然数の条件を満たす。
以上より、求める組は $(a, x) = (1, 2), (5, 5)$ である。
解法3
与えられた方程式を変形すると、次のようになる。
$$ x(x + 1) = a^2 + 5 $$
$x$ と $a$ の大小関係によって場合分けし、不等式を用いて候補を絞り込む。
**(i)** $x = a$ のとき
与式は $a(a + 1) = a^2 + 5$ となる。 展開して整理すると $a^2 + a = a^2 + 5$ より $a = 5$ である。 このとき $x = 5$ であり、共に自然数であるため適する。
**(ii)** $x > a$ のとき
$a, x$ は自然数であるから、$x \geqq a + 1$ が成り立つ。 $x > 0$ において $x(x + 1)$ は $x$ に関して単調増加であるため、次の不等式が得られる。
$$ x(x + 1) \geqq (a + 1)(a + 2) = a^2 + 3a + 2 $$
与式より $x(x + 1) = a^2 + 5$ であるから、
$$ a^2 + 5 \geqq a^2 + 3a + 2 $$
これを解くと $3a \leqq 3$ より $a \leqq 1$ となる。 $a$ は自然数であるから $a = 1$ に限られる。 $a = 1$ のとき、与式は $x(x + 1) = 1^2 + 5 = 6$ となる。 $x^2 + x - 6 = 0$ を解くと $(x + 3)(x - 2) = 0$。 $x$ は自然数より $x = 2$ となる。 これは $x > a$ の条件を満たす。
**(iii)** $x < a$ のとき
$a, x$ は自然数であるから、$x \leqq a - 1$ が成り立つ。 同様に評価すると、
$$ x(x + 1) \leqq (a - 1)a = a^2 - a $$
与式より、
$$ a^2 + 5 \leqq a^2 - a $$
これを解くと $a \leqq -5$ となり、$a$ が自然数(正の整数)であることに矛盾する。よって不適。
以上より、求める組は $(a, x) = (1, 2), (5, 5)$ である。
解説
整数方程式を解くための「因数分解(積の形を作る)」「解の公式(判別式・根号内の平方数条件)」「不等式による絞り込み」という3つの代表的なアプローチのいずれでも完答できる良問である。 解法1の「両辺を定数倍して無理やり平方完成の形(差の2乗)を作り出し、因数分解する」手法は、2次の整数方程式における頻出テクニックであるため、確実に習得しておきたい。また、解法3のような、文字の大小関係から不等式を作ってとりうる値を絞り込む手法は、より複雑で変数の多い問題において強力な武器となる。
答え
$$ (a, x) = (1, 2), (5, 5) $$