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数学1 方程式不等式「二次方程式の解の存在範囲」の問題1 解説
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解説
方針・初手
2次方程式の2つの解を文字でおき、解と係数の関係を用いて式を立てる。解が「正の整数」であるという条件を活かすために、係数に含まれる未知数 $m$ を消去し、「(式)$\times$(式) = (整数)」の形を作り出して解の候補を絞り込むのが定石である。
解法1
2次方程式 $E: x^2 + (m-23)x + m = 0$ の2つの正の整数解を $\alpha, \beta$ とおく。対称性から $\alpha \leqq \beta$ としても一般性を失わない。
解と係数の関係より、以下の2式が成り立つ。
$$ \begin{aligned} \alpha + \beta &= -(m-23) = 23 - m \quad \cdots \text{①} \\ \alpha \beta &= m \quad \cdots \text{②} \end{aligned} $$
①, ② の辺々を加えて $m$ を消去すると、
$$ \alpha \beta + \alpha + \beta = 23 $$
両辺に $1$ を加えて因数分解すると、
$$ \alpha \beta + \alpha + \beta + 1 = 24 $$
$$ (\alpha + 1)(\beta + 1) = 24 $$
$\alpha, \beta$ は正の整数($\alpha \geqq 1, \beta \geqq 1$)であり、$\alpha \leqq \beta$ と仮定しているため、
$$ 2 \leqq \alpha + 1 \leqq \beta + 1 $$
となる。積が $24$ となる整数 $(\alpha + 1, \beta + 1)$ の組は、
$$ (\alpha + 1, \beta + 1) = (2, 12), (3, 8), (4, 6) $$
のいずれかである。これより $(\alpha, \beta)$ の組を求めると、
$$ (\alpha, \beta) = (1, 11), (2, 7), (3, 5) $$
となる。
②より $m = \alpha \beta$ であるから、それぞれの組に対する $m$ の値と方程式 $E$ の解は以下のようになる。
**(i)** $(\alpha, \beta) = (1, 11)$ のとき
$$ m = 1 \times 11 = 11 $$
このとき、方程式 $E$ の解は $x = 1, 11$ である。
**(ii)** $(\alpha, \beta) = (2, 7)$ のとき
$$ m = 2 \times 7 = 14 $$
このとき、方程式 $E$ の解は $x = 2, 7$ である。
**(iii)** $(\alpha, \beta) = (3, 5)$ のとき
$$ m = 3 \times 5 = 15 $$
このとき、方程式 $E$ の解は $x = 3, 5$ である。
解法2
2次方程式 $E: x^2 + (m-23)x + m = 0$ の判別式を $D$ とする。方程式が整数解をもつためには、$D$ がある $0$ 以上の整数 $k$ を用いて $D = k^2$ と表せることが必要である。
$$ D = (m-23)^2 - 4m = m^2 - 50m + 529 $$
よって、
$$ m^2 - 50m + 529 = k^2 $$
平方完成して式を変形する。
$$ (m-25)^2 - 625 + 529 = k^2 $$
$$ (m-25)^2 - k^2 = 96 $$
$$ (m-25-k)(m-25+k) = 96 $$
ここで、解の公式より方程式 $E$ の解は
$$ x = \frac{-(m-23) \pm k}{2} $$
となる。2つの解がともに正であるから、解の和と積も正となる。解と係数の関係より、
$$ \text{(和)} = 23 - m > 0 \implies m < 23 $$
$$ \text{(積)} = m > 0 $$
したがって、$m$ は $1 \leqq m \leqq 22$ の整数である。これより、
$$ -24 \leqq m-25 \leqq -3 $$
である。
$X = m-25-k, Y = m-25+k$ とおくと、$XY = 96$ であり、$X - Y = -2k \leqq 0$ より $X \leqq Y$ である。 また、$X$ と $Y$ の和は $2(m-25)$ となり偶数であるから、$X$ と $Y$ の偶奇は一致する。積が偶数なので、ともに偶数である。 さらに、$m-25 = \frac{X+Y}{2} < 0$ であるから、$X$ は必ず負の偶数となる。
積が $96$ となる偶数同士の組 $(X, Y)$ で、$X \leqq Y$ かつ和が負となるものを探す。
$$ (X, Y) = (-48, -2), (-24, -4), (-16, -6), (-12, -8) $$
それぞれについて $m-25 = \frac{X+Y}{2}$ を計算し、$m$ を求める。
**(ア)** $(X, Y) = (-48, -2)$ のとき
$$ m-25 = -25 \implies m = 0 $$
これは $1 \leqq m \leqq 22$ を満たさない。
**(イ)** $(X, Y) = (-24, -4)$ のとき
$$ m-25 = -14 \implies m = 11 $$
このとき $k = \frac{Y-X}{2} = 10$ であり、解は $x = \frac{12 \pm 10}{2} = 11, 1$ となり適する。
**(ウ)** $(X, Y) = (-16, -6)$ のとき
$$ m-25 = -11 \implies m = 14 $$
このとき $k = \frac{Y-X}{2} = 5$ であり、解は $x = \frac{9 \pm 5}{2} = 7, 2$ となり適する。
**(エ)** $(X, Y) = (-12, -8)$ のとき
$$ m-25 = -10 \implies m = 15 $$
このとき $k = \frac{Y-X}{2} = 2$ であり、解は $x = \frac{8 \pm 2}{2} = 5, 3$ となり適する。
解説
整数解をもつ方程式を解く際の典型的な問題である。解法1のように解と係数の関係を用いて立式し、「無理やり因数分解して積の形を作る」手法は非常に強力で汎用性が高い。$\alpha \beta + p\alpha + q\beta$ の形を見たら、$(\alpha + q)(\beta + p) - pq$ と変形する式変形に慣れておきたい。
解法2の判別式を用いる手法も重要である。2次方程式が有理数解(今回は整数解)をもつ条件として「判別式が平方数になる」ことを利用する。こちらも最終的には平方の差の形から積の形に持ち込んで絞り込むことになる。本問では解法1の方が計算量が少なく見通しがよい。
答え
$m = 11$ のとき、解は $x = 1, 11$
$m = 14$ のとき、解は $x = 2, 7$
$m = 15$ のとき、解は $x = 3, 5$