基礎問題集
数学1 方程式不等式「二次方程式の解の存在範囲」の問題15 解説
数学1の方程式不等式「二次方程式の解の存在範囲」にある問題15の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
(1) は2次方程式が異なる2つの実数解をもつための条件であるから、判別式 $D > 0$ を用いる。
(2) は2次方程式の解の配置問題である。関数 $y = f(x)$ のグラフを考え、放物線が $x \leqq 2$ の範囲で $x$軸と異なる2点で交わる条件を、判別式、軸の位置、端点の符号の3点から絞り込む。
(3) は区間が固定された2次関数の最小値を求める問題である。軸の位置が文字 $k$ を含んで動くため、軸と区間の位置関係によって場合分けして $m(k)$ を求める。その後、得られた $m(k)$ について、指定された $k$ の範囲での最大値と最小値を調べる。
解法1
**(1)**
方程式 $f(x) = 0$ すなわち $x^2 - kx + 3k - 5 = 0$ の判別式を $D$ とすると、異なる2つの実数解をもつための条件は $D > 0$ である。
$$D = (-k)^2 - 4 \cdot 1 \cdot (3k - 5) = k^2 - 12k + 20$$
であるから、
$$k^2 - 12k + 20 > 0$$
$$(k - 2)(k - 10) > 0$$
よって、求める $k$ の値の範囲は
$$k < 2, \quad 10 < k$$
**(2)**
方程式 $f(x) = 0$ がともに2以下となる異なる2つの解をもつ条件は、2次関数 $y = f(x)$ のグラフが $x$軸と $x \leqq 2$ の部分で異なる2点で交わることである。
$f(x)$ を平方完成すると、
$$f(x) = \left( x - \frac{k}{2} \right)^2 - \frac{k^2}{4} + 3k - 5$$
となり、グラフは下に凸の放物線で、軸は直線 $x = \frac{k}{2}$ である。
グラフが $x \leqq 2$ の範囲で $x$軸と異なる2点で交わるための条件は、以下の3つを同時に満たすことである。
**(i)** $x$軸と異なる2点で交わる(判別式 $D > 0$)
**(ii)** 軸が $x < 2$ の範囲にある
**(iii)** $x = 2$ における $y$ の値が0以上である($f(2) \geqq 0$)
**(i)** について、(1) より
$$k < 2, \quad 10 < k \quad \cdots ①$$
**(ii)** について
$$\frac{k}{2} < 2$$
よって
$$k < 4 \quad \cdots ②$$
**(iii)** について
$$f(2) = 2^2 - k \cdot 2 + 3k - 5 = k - 1$$
$k - 1 \geqq 0$ より
$$k \geqq 1 \quad \cdots ③$$
①、②、③ の共通範囲を求めて、
$$1 \leqq k < 2$$
**(3)**
$1 \leqq x \leqq 4$ における $f(x)$ の最小値 $m(k)$ を求める。軸 $x = \frac{k}{2}$ と区間 $1 \leqq x \leqq 4$ の位置関係で場合分けをする。今回は $0 \leqq k \leqq 10$ の範囲で考えるため、軸は $0 \leqq \frac{k}{2} \leqq 5$ の範囲を動く。
**(ア)** 軸が区間の左側にあるとき($0 \leqq \frac{k}{2} \leqq 1$ すなわち $0 \leqq k \leqq 2$)
グラフは $1 \leqq x \leqq 4$ において単調に増加するため、$x = 1$ で最小となる。
$$m(k) = f(1) = 1^2 - k \cdot 1 + 3k - 5 = 2k - 4$$
**(イ)** 軸が区間内にあるとき($1 \leqq \frac{k}{2} \leqq 4$ すなわち $2 \leqq k \leqq 8$)
グラフは $x = \frac{k}{2}$ で頂点となり、ここで最小となる。
$$m(k) = f\left(\frac{k}{2}\right) = -\frac{1}{4}k^2 + 3k - 5$$
**(ウ)** 軸が区間の右側にあるとき($4 \leqq \frac{k}{2} \leqq 5$ すなわち $8 \leqq k \leqq 10$)
グラフは $1 \leqq x \leqq 4$ において単調に減少するため、$x = 4$ で最小となる。
$$m(k) = f(4) = 4^2 - k \cdot 4 + 3k - 5 = -k + 11$$
以上より、$0 \leqq k \leqq 10$ における $m(k)$ は次のような関数となる。
$$ m(k) = \begin{cases} 2k - 4 & (0 \leqq k \leqq 2) \\ -\frac{1}{4}k^2 + 3k - 5 & (2 \leqq k \leqq 8) \\ -k + 11 & (8 \leqq k \leqq 10) \end{cases} $$
次に、$0 \leqq k \leqq 10$ における $m(k)$ の最大値と最小値を求める。各区間での増減を調べる。
$0 \leqq k \leqq 2$ において、$m(k) = 2k - 4$ は単調に増加する。
$m(0) = -4, \quad m(2) = 0$
$2 \leqq k \leqq 8$ において、$m(k)$ を平方完成すると、
$$m(k) = -\frac{1}{4}(k^2 - 12k) - 5 = -\frac{1}{4}(k - 6)^2 + 4$$
これは $k = 6$ で最大値 $4$ をとる上に凸の放物線の一部である。
端点の値は $m(2) = 0, \quad m(8) = -\frac{1}{4}(8 - 6)^2 + 4 = 3$
$8 \leqq k \leqq 10$ において、$m(k) = -k + 11$ は単調に減少する。
$m(8) = 3, \quad m(10) = 1$
これらより、$m(k)$ は全体として連続であり、その値の変化は以下のようになる。
- $k=0$ のとき、値は $-4$
- $k=6$ のとき、値は $4$
- $k=10$ のとき、値は $1$
したがって、$0 \leqq k \leqq 10$ において、$m(k)$ は $k=6$ のとき最大値 $4$ をとり、$k=0$ のとき最小値 $-4$ をとる。
解説
2次方程式の解の配置、および定義域が固定され軸が動く2次関数の最大・最小という、高校数学における2次関数の重要テーマを組み合わせた標準的な総合問題である。
(2) では、「ともに2以下」という条件から、軸の位置が厳密に $x < 2$ となることに注意する。もし軸が $x = 2$ となると、異なる2つの解がともに2以下になることはない(一方が2より大きくなるか、重解になってしまう)。また、端点の条件は $f(2) \geqq 0$ であり、$f(2) = 0$ の場合(一方が $x=2$ を解にもつ場合)も題意を満たすことを確認しておく必要がある。
(3) では、軸 $\frac{k}{2}$ の位置によって最小値をとる $x$ の値が変わるため、丁寧に場合分けを行う。得られた関数 $m(k)$ は $k$ によって式が変わるが、境界で値が一致し連続関数になることが確認できれば、計算ミスがないことの一つの目安となる。さらにその $m(k)$ の最大・最小を求める際も、各区間のグラフの形(直線か放物線か)と増減を正しく把握し、全体のグラフをイメージすることが重要である。
答え
(1) $k < 2, \ 10 < k$
(2) $1 \leqq k < 2$
(3) 最大値 4 ($k = 6$ のとき)
最小値 -4 ($k = 0$ のとき)