基礎問題集
数学1 方程式不等式「二次方程式の解の存在範囲」の問題19 解説
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解説
方針・初手
与えられた連立不等式の解の集合が $x > p$ という「一方向のみに伸びる半直線」であることに着目する。もし $x^2$ の係数が負であれば、$x \to \infty$ において2次関数は負の無限大に発散するため、$x$ が十分大きいところで不等式が成立しなくなる。同様に、係数がすべて正であれば、$x \to -\infty$ で2次関数は正の無限大に発散し、絶対値の大きい負の $x$ も解に含まれてしまう。これらの極限での振る舞いから背理法を用いて係数の符号を決定する。
解法1
**(1)** $a < 0$ と仮定する。 $f(x) = ax^2 + bx + c$ とおくと、
$$ \lim_{x \to \infty} f(x) = -\infty $$
であるから、十分大きいすべての実数 $x$ に対して $f(x) < 0$ となる。 これは、与えられた連立不等式をすべて満たす $x$ の集合が $x > p$ であること、すなわち $x > p$ を満たす任意の実数 $x$ に対して $f(x) > 0$ となることと矛盾する。 したがって、$a \ge 0$ である。 同様に、$x \to \infty$ での極限を考えることで、$bx^2+cx+a>0$ から $b \ge 0$ が、$cx^2+ax+b>0$ から $c \ge 0$ が示される。 よって、$a, b, c$ はすべて0以上である。
**(2)** (1) より $a \ge 0, b \ge 0, c \ge 0$ である。 ここで、$a, b, c$ のうち一つも0がない、すなわち $a > 0, b > 0, c > 0$ と仮定する。 このとき、
$$ \lim_{x \to -\infty} (ax^2+bx+c) = \infty $$
$$ \lim_{x \to -\infty} (bx^2+cx+a) = \infty $$
$$ \lim_{x \to -\infty} (cx^2+ax+b) = \infty $$
となる。したがって、絶対値が十分大きい負の実数 $x$ に対して、これら3つの値はすべて正となり、3つの不等式が同時に成立する。 つまり、連立不等式の解の集合には、ある負の数 $M$ に対して $x < M$ を満たすすべての $x$ が含まれることになる。 これは、解の集合が $x > p$ のみであることと矛盾する。 したがって、$a, b, c$ のうち少なくとも1個は0である。
**(3)** 与えられた3つの不等式からなる連立不等式は、$a, b, c$ を巡回的に入れ替えても不等式の組として変わらない。 よって、(2) の結果から、一般性を失わず $a=0$ と仮定してよい。 このとき、与えられた不等式は以下のようになる。
$$ bx + c > 0 $$
$$ bx^2 + cx > 0 $$
$$ cx^2 + b > 0 $$
また、(1) より $b \ge 0, c \ge 0$ である。 もし $b=0$ かつ $c=0$ とすると、第1の不等式が $0 > 0$ となり解を持たないため、条件に反する。 よって、$b$ と $c$ のうち少なくとも一方は正である。
**(i)** $b=0$ かつ $c > 0$ のとき 連立不等式は $c > 0$、$cx > 0$、$cx^2 > 0$ となる。 $c > 0$ であるから、第2式より $x > 0$、第3式より $x \neq 0$ となる。 これらをすべて満たす $x$ の範囲は $x > 0$ である。 解の集合は $x > 0$ となり、$p=0$ である。
**(ii)** $b > 0$ かつ $c=0$ のとき 連立不等式は $bx > 0$、$bx^2 > 0$、$b > 0$ となる。 $b > 0$ であるから、第1式より $x > 0$、第2式より $x \neq 0$ となる。 これらをすべて満たす $x$ の範囲は $x > 0$ である。 解の集合は $x > 0$ となり、$p=0$ である。
**(iii)** $b > 0$ かつ $c > 0$ のとき 第3の不等式 $cx^2 + b > 0$ はすべての実数 $x$ で成立する。 第1の不等式より $bx > -c$、すなわち $x > -\frac{c}{b}$ である。 第2の不等式は $x(bx+c) > 0$ と変形でき、$b>0$ であるから、解は $x < -\frac{c}{b}$ または $x > 0$ である。 これらを同時に満たす $x$ の範囲は、$x > -\frac{c}{b}$ と $\left(x < -\frac{c}{b} \text{ または } x > 0\right)$ の共通範囲である。 $-\frac{c}{b} < 0$ であることに注意すると、共通範囲は $x > 0$ となる。 解の集合は $x > 0$ となり、$p=0$ である。
以上 **(i)**、**(ii)**、**(iii)** のどの場合においても $p=0$ となる。
解説
不等式の解が特定の区間(本問では半直線 $x > p$)に限定されていることから、$x \to \pm\infty$ における関数の極限を考えることで、係数に対する必要条件を絞り込むアプローチが極めて有効である。(1) と (2) は背理法と極限を用いることで、計算に頼らず論理的に証明を完了できる。(3) では、不等式が $a, b, c$ について巡回的であることを利用し、「一般性を失わず $a=0$ とする」と宣言することで場合分けの負担を大幅に減らすことができる。論理の飛躍がないように、ゼロになる係数の組み合わせを漏れなく検討することが重要である。
答え
(1) 題意の通り証明された。
(2) 題意の通り証明された。
(3) 題意の通り証明された。