基礎問題集
数学1 方程式不等式「二次方程式の解の存在範囲」の問題20 解説
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解説
方針・初手
(1) 与えられた2次方程式が異なる2つの実数解をもつための条件は、判別式 $D>0$ となることである。
(2) $a$ を動かしたときの $x$ の値域を直接調べる順像法(解法2)も可能であるが、複雑な無理関数の微分を伴う。「ある実数 $a$ が条件を満たす範囲に存在するような $x$ の条件」と読み替え、解の配置問題に帰着させる逆像法(解法1)を用いると計算が簡明である。
解法1
**(1)** 与えられた2次方程式 $x^2+(a+1)x+a^2-1=0$ の判別式を $D$ とする。 異なる2つの実数解をもつための条件は $D > 0$ である。
$$D = (a+1)^2 - 4 \cdot 1 \cdot (a^2-1) = -3a^2+2a+5$$
したがって、不等式 $-3a^2+2a+5 > 0$ を解けばよい。 両辺に $-1$ を掛けて因数分解すると、
$$3a^2-2a-5 < 0$$
$$(3a-5)(a+1) < 0$$
これを解いて、$-1 < a < \frac{5}{3}$ を得る。
**(2)** (1)で求めた範囲 $-1 < a < \frac{5}{3}$ において、与えられた方程式を満たす実数 $a$ が少なくとも1つ存在するような $x$ の条件を求める。 方程式を $a$ について整理すると、
$$a^2 + xa + x^2+x-1 = 0$$
となる。$f(a) = a^2 + xa + x^2+x-1$ とおく。 方程式 $f(a) = 0$ が実数解をもつための条件は、判別式 $D'$ について $D' \ge 0$ である。
$$D' = x^2 - 4(x^2+x-1) = -3x^2-4x+4 \ge 0$$
$$(3x-2)(x+2) \le 0$$
よって、$-2 \le x \le \frac{2}{3}$ が大前提となる。
このとき、$y=f(a)$ のグラフは下に凸の放物線であり、軸は直線 $a = -\frac{x}{2}$ である。 $-2 \le x \le \frac{2}{3}$ より、軸の位置は $-\frac{1}{3} \le -\frac{x}{2} \le 1$ となり、常に区間 $-1 < a < \frac{5}{3}$ に含まれる。 さらに、区間の両端における $f(a)$ の値は、
$$f(-1) = 1 - x + x^2 + x - 1 = x^2 \ge 0$$
$$f\left(\frac{5}{3}\right) = \frac{25}{9} + \frac{5}{3}x + x^2 + x - 1 = x^2 + \frac{8}{3}x + \frac{16}{9} = \left(x+\frac{4}{3}\right)^2 \ge 0$$
となる。 したがって、$-2 \le x \le \frac{2}{3}$ を満たす $x$ に対して、軸が区間内にあり判別式が非負であることから、$f(-1)$ と $f\left(\frac{5}{3}\right)$ がともに正であれば、$f(a)=0$ の実数解はすべて区間 $-1 < a < \frac{5}{3}$ に存在する。 等号が成立する場合を個別に確認する。 $f(-1) = 0 \iff x=0$ のとき、 $f(a) = a^2-1 = 0$ より解は $a = \pm 1$ となり、$a=1$ は区間 $-1 < a < \frac{5}{3}$ に含まれる。 $f\left(\frac{5}{3}\right) = 0 \iff x=-\frac{4}{3}$ のとき、 $f(a) = a^2 - \frac{4}{3}a - \frac{5}{9} = 0$ より $9a^2-12a-5 = 0$ となり、解は $a = -\frac{1}{3}, \frac{5}{3}$ となる。$a=-\frac{1}{3}$ は区間 $-1 < a < \frac{5}{3}$ に含まれる。 以上より、$-2 \le x \le \frac{2}{3}$ を満たす全ての $x$ で題意を満たす。
解法2
**(2)の別解(順像法)** $x^2+(a+1)x+a^2-1=0$ を $x$ について解くと、
$$x = \frac{-(a+1) \pm \sqrt{-3a^2+2a+5}}{2}$$
となる。(1)より、$-1 < a < \frac{5}{3}$ において根号内は正である。 $h(a) = -3a^2+2a+5$ とおき、$g_1(a) = \frac{-a-1 + \sqrt{h(a)}}{2}, \quad g_2(a) = \frac{-a-1 - \sqrt{h(a)}}{2}$ とおく。 $g_1(a)$ を微分すると、
$$g_1'(a) = \frac{1}{2} \left( -1 + \frac{-6a+2}{2\sqrt{h(a)}} \right) = \frac{-\sqrt{h(a)} - 3a + 1}{2\sqrt{h(a)}}$$
$g_1'(a) = 0$ とすると、$\sqrt{h(a)} = -3a+1$。 $-3a+1 > 0 \iff a < \frac{1}{3}$ のもとで両辺を2乗して整理すると、
$$-3a^2+2a+5 = 9a^2-6a+1$$
$$3a^2-2a-1 = 0$$
$$(3a+1)(a-1) = 0$$
$a < \frac{1}{3}$ より $a = -\frac{1}{3}$。このとき極大値 $g_1\left(-\frac{1}{3}\right) = \frac{2}{3}$ をとる。 同様に、$g_2(a)$ を微分すると、
$$g_2'(a) = \frac{-\sqrt{h(a)} + 3a - 1}{2\sqrt{h(a)}}$$
$g_2'(a) = 0$ とすると、$\sqrt{h(a)} = 3a-1$。 $3a-1 > 0 \iff a > \frac{1}{3}$ のもとで同様に解くと $a = 1$。このとき極小値 $g_2(1) = -2$ をとる。 また、区間の両端での極限は、$\lim_{a \to -1+0} h(a) = 0, \lim_{a \to \frac{5}{3}-0} h(a) = 0$ より、 $\lim_{a \to -1+0} g_1(a) = \lim_{a \to -1+0} g_2(a) = 0$ $\lim_{a \to \frac{5}{3}-0} g_1(a) = \lim_{a \to \frac{5}{3}-0} g_2(a) = -\frac{4}{3}$ 増減を考慮すると、値域はそれぞれ $g_1(a)$ : $\left(-\frac{4}{3}, \frac{2}{3}\right]$ $g_2(a)$ : $\left[-2, 0\right)$ となる。求める $x$ の範囲はこれらの和集合であるから、$-2 \le x \le \frac{2}{3}$ である。
解説
関数の値域や解の存在範囲を問う問題では、順像法(変数をそのまま動かす)と逆像法(ある値をとるための条件を求める)の2つのアプローチが考えられる。本問の(2)では、解法2のように直接 $x$ の範囲を求めようとすると、無理関数の微分や場合分けが必要になり計算が煩雑になりやすい。一方で、方程式を $a$ についての2次方程式とみなし、「条件を満たす $a$ が存在する」ための $x$ の条件を求める逆像法(解法1)を用いることで、数学Iの「2次方程式の解の配置」という基本的な問題に帰着させることができる。
答え
(1) $-1 < a < \frac{5}{3}$
(2) $-2 \le x \le \frac{2}{3}$