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数学1 方程式不等式「二次方程式の解の存在範囲」の問題21 解説
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解説
方針・初手
放物線 $C$ と直線 $\ell$ の方程式から $y$ を消去し、$x$ についての2次方程式を作成する。 前半は接する条件として判別式 $D = 0$ を用いる。接点の $x$ 座標は重解として求まる。 後半は、作成した2次方程式が指定された範囲内に異なる2つの実数解をもつ条件(解の配置)を考える方法と、直線 $\ell$ が定点を通ることに着目して図形的に考える方法がある。
解法1
$C : y = \frac{x^2}{3}$ $\ell : y = ax + a - 2$
$C$ と $\ell$ の方程式から $y$ を消去すると、
$$ \frac{x^2}{3} = ax + a - 2 $$
両辺を3倍して整理すると、
$$ x^2 - 3ax - 3a + 6 = 0 \quad \cdots (1) $$
直線 $\ell$ が放物線 $C$ に接するとき、2次方程式 $(1)$ は重解をもつ。 $(1)$ の判別式を $D$ とすると、$D = 0$ となるから、
$$ D = (-3a)^2 - 4 \cdot 1 \cdot (-3a + 6) = 0 $$
$$ 9a^2 + 12a - 24 = 0 $$
$$ 3a^2 + 4a - 8 = 0 $$
これを解くと、
$$ a = \frac{-2 \pm \sqrt{2^2 - 3 \cdot (-8)}}{3} = \frac{-2 \pm 2\sqrt{7}}{3} $$
$a$ は正の実数であるから、
$$ a = \frac{-2 + 2\sqrt{7}}{3} $$
このとき、接点の $x$ 座標は $(1)$ の重解であるから、
$$ x = \frac{3a}{2} = \frac{3}{2} \cdot \frac{-2 + 2\sqrt{7}}{3} = -1 + \sqrt{7} $$
接点の $y$ 座標は $y = \frac{x^2}{3}$ より、
$$ y = \frac{(-1 + \sqrt{7})^2}{3} = \frac{1 - 2\sqrt{7} + 7}{3} = \frac{8 - 2\sqrt{7}}{3} $$
したがって、接点の座標は $\left( -1 + \sqrt{7}, \frac{8 - 2\sqrt{7}}{3} \right)$ である。
次に、$C$ と $\ell$ が $-3 < x < 6$ において2個の共有点をもつ条件を求める。 これは、2次方程式 $(1)$ が $-3 < x < 6$ の範囲に異なる2つの実数解をもつことと同値である。 $f(x) = x^2 - 3ax - 3a + 6$ とおく。 $y = f(x)$ のグラフは下に凸の放物線であり、軸は直線 $x = \frac{3a}{2}$ である。 求める条件は、以下の4つをすべて満たすことである。
**(1)** 判別式 $D > 0$ **(2)** 軸の位置が $-3 < \frac{3a}{2} < 6$ **(3)** $f(-3) > 0$ **(4)** $f(6) > 0$
**(1)** について $D = 3(3a^2 + 4a - 8) > 0$ より、 $a < \frac{-2 - 2\sqrt{7}}{3}, \quad \frac{-2 + 2\sqrt{7}}{3} < a$ $a > 0$ を考慮すると、$a > \frac{-2 + 2\sqrt{7}}{3}$
**(2)** について $-3 < \frac{3a}{2} < 6$ を解くと、$-2 < a < 4$
**(3)** について $f(-3) = (-3)^2 - 3a(-3) - 3a + 6 = 6a + 15 > 0$ より、$a > -\frac{5}{2}$
**(4)** について $f(6) = 6^2 - 3a(6) - 3a + 6 = -21a + 42 > 0$ より、$a < 2$
これら **(1)** ~ **(4)** の共通範囲を求める。 $\sqrt{28}$ は $5 < \sqrt{28} < 6$ を満たすから、$1 < \frac{-2 + \sqrt{28}}{3} < \frac{4}{3}$ となり、$\frac{-2 + 2\sqrt{7}}{3}$ は $2$ より小さい正の数である。 よって、求める範囲は
$$ \frac{-2 + 2\sqrt{7}}{3} < a < 2 $$
解法2
後半の共有点の条件について、図形的な意味を考える別解を示す。
直線 $\ell$ の方程式は、
$$ y = a(x + 1) - 2 $$
と変形できる。これは、$a$ の値にかかわらず、定点 $P(-1, -2)$ を通る傾き $a$ の直線であることを表す。
放物線 $C : y = \frac{x^2}{3}$ 上の $x = -3, 6$ における点をそれぞれ $A, B$ とすると、 $A(-3, 3), B(6, 12)$ である。
直線 $PA$ の傾きは $\frac{3 - (-2)}{-3 - (-1)} = -\frac{5}{2}$ 直線 $PB$ の傾きは $\frac{12 - (-2)}{6 - (-1)} = 2$
$C$ と $\ell$ が $-3 < x < 6$ において2個の共有点をもつのは、直線 $\ell$ が放物線 $C$ と接する状態から傾きを大きくしていき、点 $B$ を通る直前までの範囲にあるときである。
点 $P$ を通り、放物線 $C$ に接する直線の傾き $a$ は、前半の結果より $a = \frac{-2 \pm 2\sqrt{7}}{3}$ である。図形的に考えて、傾きが正となる接線を選ぶため、$a = \frac{-2 + 2\sqrt{7}}{3}$ である。
また、直線 $\ell$ が点 $B$ を通るときの傾きは $2$ である。
したがって、求める $a$ の値の範囲は、接するときの傾きと点 $B$ を通るときの傾きの間であるから、
$$ \frac{-2 + 2\sqrt{7}}{3} < a < 2 $$
解説
2つのグラフの共有点を扱う基本的な問題である。前半の接する条件は判別式 $D=0$ で処理し、重解が接点の $x$ 座標になることを利用する。 後半は解の配置(2次方程式の実数解の存在範囲)として解くのが標準的であり、端点の値、軸の位置、判別式の3点セットを漏れなく調べる必要がある。 一方、解法2のように、直線に含まれるパラメータが「傾き」のみであり、定点を通ることが見抜ける場合は、図をかいて視覚的に捉えることで計算量を大幅に減らすことができる。特に「定点を通る直線群」という見方は入試数学において非常に重要である。
答え
ア:$\frac{-2+2\sqrt{7}}{3}$
イ:$-1+\sqrt{7}$
ウ:$\frac{8-2\sqrt{7}}{3}$
エ:$\frac{-2+2\sqrt{7}}{3}$
オ:$2$