基礎問題集
数学1 数と式「因数分解」の問題24 解説
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解説
方針・初手
与えられた式は $x, y, z$ についての対称式であり、各文字について3次式である。 3文字の式の因数分解では、1つの文字に着目して展開し、整理し直すのが定石である。 また、対称式であることを利用し、因数定理を用いて解くこともできる。
解法1
与式を $x$ と $y$ をまとめたものと $z$ に分けて展開し、整理する。
$$ \begin{aligned} (x+y+z)^3 - (x^3+y^3+z^3) &= \{(x+y)+z\}^3 - x^3 - y^3 - z^3 \\ &= (x+y)^3 + 3(x+y)^2z + 3(x+y)z^2 + z^3 - x^3 - y^3 - z^3 \end{aligned} $$
ここで $(x+y)^3 = x^3 + 3x^2y + 3xy^2 + y^3$ であるから、これを代入して整理する。
$$ \begin{aligned} & (x^3 + 3x^2y + 3xy^2 + y^3) + 3(x+y)^2z + 3(x+y)z^2 - x^3 - y^3 \\ &= 3x^2y + 3xy^2 + 3(x+y)^2z + 3(x+y)z^2 \\ &= 3xy(x+y) + 3(x+y)^2z + 3(x+y)z^2 \end{aligned} $$
すべての項に共通因数 $3(x+y)$ が含まれるため、これでくくる。
$$ \begin{aligned} & 3(x+y) \{xy + (x+y)z + z^2\} \\ &= 3(x+y) (xy + xz + yz + z^2) \\ &= 3(x+y) \{x(y+z) + z(y+z)\} \\ &= 3(x+y)(y+z)(x+z) \end{aligned} $$
輪環の順に並べ替えて、以下の結果を得る。
$$ 3(x+y)(y+z)(z+x) $$
解法2
与式を $P(x,y,z)$ とおく。
$$ P(x,y,z) = (x+y+z)^3 - (x^3+y^3+z^3) $$
$P(x,y,z)$ は $x, y, z$ についての対称式である。 $x = -y$ を代入すると、
$$ \begin{aligned} P(-y,y,z) &= (-y+y+z)^3 - \{(-y)^3+y^3+z^3\} \\ &= z^3 - (-y^3+y^3+z^3) \\ &= z^3 - z^3 \\ &= 0 \end{aligned} $$
因数定理より、$P(x,y,z)$ は $(x+y)$ を因数にもつ。 $P(x,y,z)$ は $x, y, z$ についての対称式であるから、同様にして $(y+z)$ と $(z+x)$ も因数にもつ。
$P(x,y,z)$ は $x, y, z$ についての3次同次式であり、$(x+y)(y+z)(z+x)$ も3次同次式である。 したがって、$P(x,y,z)$ は定数 $k$ を用いて次のように表せる。
$$ (x+y+z)^3 - (x^3+y^3+z^3) = k(x+y)(y+z)(z+x) $$
この等式は $x, y, z$ についての恒等式であるから、例えば $x=1, y=1, z=1$ を代入すると、
$$ \begin{aligned} (1+1+1)^3 - (1^3+1^3+1^3) &= k(1+1)(1+1)(1+1) \\ 3^3 - 3 &= k \cdot 2 \cdot 2 \cdot 2 \\ 24 &= 8k \\ k &= 3 \end{aligned} $$
よって、以下の結果を得る。
$$ 3(x+y)(y+z)(z+x) $$
解説
3変数の対称式の因数分解における典型問題である。 解法1のように、1つの文字(あるいは1つの塊)について整理して共通因数をくくりだす方法は、対称式・交代式に限らず広く使える基本的かつ確実なアプローチである。 解法2のように、対称性と因数定理を利用する方法は、式の構造を見抜く力が必要になるが、計算量を大幅に減らすことができる。式の次数を比較して未知の定数を設定し、適当な数値を代入して定数を決定する手法は、恒等式の問題でも頻出である。
答え
$$ 3(x+y)(y+z)(z+x) $$