基礎問題集
数学1 命題と集合「背理法」の問題4 解説
数学1の命題と集合「背理法」にある問題4の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
(1)、(2) ともに背理法を用いて証明する。 (1) は「有理数である」と仮定し、互いに素な整数を用いた分数で表して矛盾を導く定石を用いる。 (2) は「$\alpha^2 + p\alpha + q = 0$ を満たす有理数 $p, q$ が存在する」と仮定する。条件 $\alpha^3 = 5$ を利用して次数を下げ、$\alpha$ の1次式に帰着させてから、$\alpha$ が有理数でないことと矛盾することを示す。
解法1
**(1)**
$\alpha$ が有理数であると仮定する。 このとき、互いに素な整数 $m, n$ ($m \neq 0$) を用いて、$\alpha = \frac{n}{m}$ と表すことができる。 $\alpha^3 = 5$ であるから、
$$ \left(\frac{n}{m}\right)^3 = 5 $$
$$ n^3 = 5m^3 $$
$m^3$ は整数であり、$5$ は素数であるから、$n^3$ は $5$ の倍数である。 したがって、$n$ も $5$ の倍数となる。 $n = 5k$ ($k$ は整数) とおくことができる。これを代入すると、
$$ (5k)^3 = 5m^3 $$
$$ 125k^3 = 5m^3 $$
$$ m^3 = 25k^3 $$
$$ m^3 = 5(5k^3) $$
$5k^3$ は整数であるから、$m^3$ も $5$ の倍数である。 したがって、$m$ も $5$ の倍数となる。 これは、$m$ と $n$ が互いに素であるという仮定に矛盾する。 ゆえに、$\alpha$ は有理数ではない。
**(2)**
ある有理数 $p, q$ に対して、$\alpha^2 + p\alpha + q = 0$ が成り立つと仮定する。 これを変形すると、
$$ \alpha^2 = -p\alpha - q $$
両辺に $\alpha$ を掛けると、
$$ \alpha^3 = -p\alpha^2 - q\alpha $$
$\alpha^3 = 5$ であるから、
$$ 5 = -p(-p\alpha - q) - q\alpha $$
$$ 5 = p^2\alpha + pq - q\alpha $$
$$ (p^2 - q)\alpha = 5 - pq $$
ここで、$p^2 - q$ の値によって場合分けを行う。
**(i)** $p^2 - q \neq 0$ のとき
$$ \alpha = \frac{5 - pq}{p^2 - q} $$
$p, q$ は有理数であるから、$\frac{5 - pq}{p^2 - q}$ は有理数である。 これは (1) で示した「$\alpha$ は有理数ではない」ことに矛盾する。
**(ii)** $p^2 - q = 0$ のとき
$(p^2 - q)\alpha = 5 - pq$ の左辺は $0$ となるため、
$$ 0 = 5 - pq $$
$$ pq = 5 $$
$q = p^2$ であるから、これを代入して、
$$ p^3 = 5 $$
$p$ は実数であるから $p = \sqrt[3]{5}$ となり、条件 $\alpha^3 = 5$ を満たす実数 $\alpha$ と一致する(すなわち $p = \alpha$)。 しかし、$p$ は有理数であり、$\alpha$ は無理数であるため、これは矛盾である。
**(i)**、**(ii)** のいずれの場合も矛盾が生じる。 したがって、すべての有理数 $p, q$ に対して、$\alpha^2 + p\alpha + q \neq 0$ である。
解説
有理数・無理数に関する証明問題の典型的な構成である。 (1) では、無理数であることの証明として「有理数と仮定して既約分数で表し、素因数の性質から矛盾を導く」という背理法の定石手順を正しく記述できるかが問われている。 (2) では、「高次式 $= 0$」が与えられた際に、それを用いて次数を下げるという恒等式の扱い方が鍵となる。ここでは $\alpha^2$ を $\alpha$ の1次式で表し、$\alpha^3$ の式に代入することで、無理数 $\alpha$ の1次式に帰着させている。その後、$p^2 - q$ が $0$ かどうかで場合分けを行う論理的慎重さが求められる。
答え
(1) 題意の通り証明された。
(2) 題意の通り証明された。