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数学1 命題と集合「背理法」の問題9 解説
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解説
方針・初手
無理数であることの証明は、有理数であると仮定して矛盾を導く「背理法」を用いるのが定石である。対数のままでは扱いづらいため、有理数 $\frac{a}{b}$ ($a, b$ は互いに素な自然数) と置き、対数の定義 $A = \log_B C \iff B^A = C$ を用いて整数の累乗の等式に帰着させる。その後、偶奇性や「互いに素」という性質に注目して矛盾を示す。
解法1
**(1)**
$\log_2 5$ が有理数であると仮定する。 $\log_2 5 > \log_2 1 = 0$ であるから、$\log_2 5$ は正の有理数である。 したがって、自然数 $a, b$ を用いて $\log_2 5 = \frac{a}{b}$ と表すことができる。
対数の定義より、
$$ 2^{\frac{a}{b}} = 5 $$
両辺を $b$ 乗すると、
$$ 2^a = 5^b $$
$a, b$ は自然数であるから、左辺の $2^a$ は偶数であり、右辺の $5^b$ は奇数となる。 これは矛盾である。 したがって、仮定は誤りであり、$\log_2 5$ は無理数である。
**(2)**
$X = \{\log_p(p+1)\}^{\frac{1}{q}}$ とおく。 $p \geqq 2$ より $p+1 > p$ であるから、底を $p$ とする対数をとると $\log_p (p+1) > \log_p p = 1$ となる。 $q \geqq 1$ より $\frac{1}{q} > 0$ であるから、$X > 1$ となる。 $X$ が有理数であると仮定すると、自然数 $a, b$ を用いて $X = \frac{a}{b}$ と表すことができる。
$$ \{\log_p(p+1)\}^{\frac{1}{q}} = \frac{a}{b} $$
両辺を $q$ 乗すると、
$$ \log_p(p+1) = \frac{a^q}{b^q} $$
対数の定義より、
$$ p^{\frac{a^q}{b^q}} = p+1 $$
両辺を $b^q$ 乗すると、
$$ p^{a^q} = (p+1)^{b^q} $$
ここで、$p$ と $p+1$ は連続する整数であるため、互いに素である(最大公約数が $1$ である)。 したがって、それらの自然数乗である $p^{a^q}$ と $(p+1)^{b^q}$ も互いに素である。 互いに素な2つの自然数が等しくなるためには、両辺ともに $1$ でなければならない。
しかし、$p \geqq 2$ であり、$a, q$ は自然数であるから $a^q \geqq 1$ となる。 ゆえに $p^{a^q} \geqq 2$ となり、両辺が $1$ になることはなく、矛盾が生じる。 したがって、仮定は誤りであり、$\{\log_p(p+1)\}^{\frac{1}{q}}$ は無理数である。
解説
対数が無理数であることの証明問題の典型パターンである。 有理数 $\frac{a}{b}$ と置いて整数の等式に直す発想は、どのような底・真数の場合でも共通して用いられる。 (1)のように具体的な数の場合は偶奇性で容易に矛盾を示せるが、(2)のように文字が含まれる場合は「連続する2つの整数は互いに素である」という整数の重要な性質を利用する。 また、(2)の別のアプローチとして、$(p+1)^{b^q}$ を二項定理で展開し、「$p$ の倍数 $+ 1$」の形になることを用いて左辺($p$ の倍数)と矛盾させる方法も有効である。
答え
(1) 背理法を用いて $\log_2 5$ が有理数であるという仮定から、偶数と奇数が等しくなるという矛盾を導き、無理数であることを示した。
(2) 背理法を用いて $\{\log_p(p+1)\}^{\frac{1}{q}}$ が有理数であるという仮定から、互いに素である $p^{a^q}$ と $(p+1)^{b^q}$ が $1$ 以外の値で等しくなるという矛盾を導き、無理数であることを示した。