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数学1 命題と集合「背理法」の問題10 解説

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数学1命題と集合背理法問題10
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解説

方針・初手

(1)は直接証明するよりも、対偶を考えるか背理法を用いると示しやすい。ここでは対偶を証明する方針をとる。 (2)は「無理数であることの証明」の定石である背理法を用いる。(1)の結果が利用できることに着目する。 (3)も背理法を用いる。(2)の「$\sqrt[3]{2}$ が無理数である」という事実を活かすために、$q \neq 0$ と仮定して矛盾を導く。

解法1

**(1)**

与えられた命題の対偶である「$n$ が奇数ならば、$n^3$ も奇数である」を証明する。

$n$ が奇数であるとき、整数 $k$ を用いて $n = 2k + 1$ と表すことができる。 このとき、$n^3$ は、

$$ \begin{aligned} n^3 &= (2k + 1)^3 \\ &= 8k^3 + 12k^2 + 6k + 1 \\ &= 2(4k^3 + 6k^2 + 3k) + 1 \end{aligned} $$

となる。 $k$ は整数であるから、$4k^3 + 6k^2 + 3k$ も整数である。 よって、$n^3$ は奇数である。

以上より対偶が真であることが示されたため、元の命題である「$n^3$ が偶数ならば $n$ も偶数である」も真である。(証明終)

**(2)**

$\sqrt[3]{2}$ が有理数であると仮定する。 このとき、互いに素な整数 $a, b$ (ただし $b \neq 0$)を用いて、

$$ \sqrt[3]{2} = \frac{a}{b} $$

と表すことができる。 両辺を3乗して整理すると、

$$ 2 = \frac{a^3}{b^3} $$

$$ a^3 = 2b^3 $$

となる。 $b$ は整数であるから $b^3$ も整数であり、したがって $a^3$ は偶数である。 (1)で示した事実より、$a^3$ が偶数ならば $a$ も偶数であるから、整数 $c$ を用いて $a = 2c$ と表すことができる。 これを先ほどの式に代入すると、

$$ (2c)^3 = 2b^3 $$

$$ 8c^3 = 2b^3 $$

$$ b^3 = 4c^3 = 2(2c^3) $$

となる。 $c$ は整数であるから $2c^3$ も整数であり、したがって $b^3$ は偶数である。 再び(1)の事実より、$b^3$ が偶数ならば $b$ も偶数である。

以上より、$a$ と $b$ がともに偶数となるが、これは $a$ と $b$ が互いに素であるという仮定に矛盾する。 したがって、$\sqrt[3]{2}$ は無理数である。(証明終)

**(3)**

$q \neq 0$ と仮定する。 与えられた等式 $p + q\sqrt[3]{2} = 0$ を変形すると、

$$ q\sqrt[3]{2} = -p $$

となる。$q \neq 0$ より両辺を $q$ で割ることができるため、

$$ \sqrt[3]{2} = -\frac{p}{q} $$

となる。 ここで、$p, q$ は有理数であるから、$-\frac{p}{q}$ も有理数である。 すると $\sqrt[3]{2}$ が有理数であることになり、これは(2)で示した「$\sqrt[3]{2}$ は無理数である」という事実に矛盾する。

したがって、$q = 0$ である。 $q = 0$ を $p + q\sqrt[3]{2} = 0$ に代入すると、

$$ p + 0 \cdot \sqrt[3]{2} = 0 $$

となり、$p = 0$ を得る。 以上より、$p = q = 0$ であることが示された。(証明終)

解説

前問の結果を利用して次の問題を解く、という典型的な誘導形式の問題である。 (1)の証明は対偶をとることで計算が容易になる。直接証明しようとすると $n^3 = 2k$ から $n = \sqrt[3]{2k}$ となり手詰まりになりやすい。 (2)の無理数であることの証明は、$\sqrt{2}$ が無理数であることの証明と全く同じ流れの背理法を用いる。互いに素な分数で置くことがポイントである。 (3)も背理法を用いる定番の問題であり、「有理数 $\neq$ 無理数」の形を作って矛盾を導く手法はしっかりマスターしておきたい。

答え

(1) 対偶「$n$ が奇数ならば $n^3$ は奇数である」を示し、元の命題を証明した。

(2) $\sqrt[3]{2} = \frac{a}{b}$ ($a,b$ は互いに素な整数、$b \neq 0$)と仮定して背理法により証明した。

(3) $q \neq 0$ と仮定し、$\sqrt[3]{2} = -\frac{p}{q}$ を導いて(2)の結果を用いる背理法により証明した。

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