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数学1 二次関数「数1最大最小」の問題27 解説
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解説
方針・初手
絶対値記号を含む関数 $f(x)$ の最小値を求めるため、まずは絶対値の中身である $x$ の正負によって場合分けを行い、絶対値記号をはずす。場合分けされたそれぞれの区間において $f(x)$ は $x$ の2次関数となるため、平方完成を行って頂点の位置(軸の位置)を明らかにする。
$y=f(x)$ のグラフは2つの放物線の一部をつなぎ合わせたものになり、$a$ の値によってそれぞれの放物線の軸が定義域に対してどのように配置されるかが変化する。これを利用して、グラフ全体の最小値 $m$ を与える $x$ の位置を $a$ の値で場合分けして求める。
解法1
$f(x) = x^2 + 2ax + 2b|x|$ について、$x$ の符号で場合分けを行う。
**(i)** $x \ge 0$ のとき
$$f(x) = x^2 + 2ax + 2bx = x^2 + 2(a+b)x$$
これを平方完成すると、
$$f(x) = \{x + (a+b)\}^2 - (a+b)^2$$
となる。これは、軸が直線 $x = -(a+b)$ で下に凸の放物線である。
**(ii)** $x < 0$ のとき
$$f(x) = x^2 + 2ax - 2bx = x^2 + 2(a-b)x$$
これを平方完成すると、
$$f(x) = \{x + (a-b)\}^2 - (a-b)^2$$
となる。これは、軸が直線 $x = -(a-b)$ で下に凸の放物線である。
$y=f(x)$ のグラフは、これら2つの放物線を $x=0$ で接続したものになる($f(0)=0$ より連続である)。 ここで、$b$ は正の定数であるから、2つの放物線の軸の位置関係について、常に
$$-(a+b) < -(a-b)$$
が成り立つ。この位置関係と $x=0$ との大小関係により、$a$ の値で場合分けして最小値 $m$ を求める。
**(ア)** $-(a+b) > 0$ すなわち $a < -b$ のとき
$-(a-b) > -(a+b) > 0$ である。 $x < 0$ の範囲では、軸 $x = -(a-b)$ が正の領域にあるため、$f(x)$ は単調減少である。 $x \ge 0$ の範囲では、軸 $x = -(a+b)$ が正の領域にあるため、$f(x)$ は $x = -(a+b)$ まで減少し、その後単調増加に転じる。 したがって、$f(x)$ は $x = -(a+b)$ において最小となる。最小値 $m$ は、
$$m = -(a+b)^2$$
**(イ)** $-(a+b) \le 0 \le -(a-b)$ すなわち $-b \le a \le b$ のとき
$x < 0$ の範囲では、軸 $x = -(a-b)$ が $0$ 以上の領域にあるため、$f(x)$ は単調減少である。 $x \ge 0$ の範囲では、軸 $x = -(a+b)$ が $0$ 以下の領域にあるため、$f(x)$ は単調増加である。 したがって、$f(x)$ は $x = 0$ において最小となる。最小値 $m$ は、
$$m = 0$$
**(ウ)** $-(a-b) < 0$ すなわち $a > b$ のとき
$-(a+b) < -(a-b) < 0$ である。 $x < 0$ の範囲では、軸 $x = -(a-b)$ が負の領域にあるため、$f(x)$ は $x = -(a-b)$ まで減少し、その後増加する。 $x \ge 0$ の範囲では、軸 $x = -(a+b)$ が負の領域にあるため、$f(x)$ は単調増加である。 したがって、$f(x)$ は $x = -(a-b)$ において最小となる。最小値 $m$ は、
$$m = -(a-b)^2$$
以上より、最小値 $m$ を $a$ の関数として表すと以下のようになる。
$$m = \begin{cases} -(a+b)^2 & (a < -b) \\ 0 & (-b \le a \le b) \\ -(a-b)^2 & (a > b) \end{cases}$$
次に、$m$ のグラフを描く。 横軸を $a$、縦軸を $m$ とする。$m$ は $a$ についての関数であり、上の場合分けから以下の3つの部分をつなぎ合わせたものとなる。
境界となる $a = -b$ および $a = b$ においては、それぞれ $m=0$ となり連続に接続される。また、これらの点においてグラフは滑らかにつながる(微分係数が一致する)。
- $a < -b$ の範囲では、頂点が $(-b, 0)$ で上に凸の放物線 $m = -(a+b)^2$ の一部。
- $-b \le a \le b$ の範囲では、$a$ 軸上の線分 $m = 0$。
- $a > b$ の範囲では、頂点が $(b, 0)$ で上に凸の放物線 $m = -(a-b)^2$ の一部。
解説
絶対値を含む2次関数の最小値問題の典型的なパターンである。絶対値の中身の正負によって場合分けし、それぞれ得られる2次関数のグラフをつなぎ合わせて全体の増減を捉えることがポイントである。
本問では、放物線の軸が $a$ と $b$ によって変化するため、各区間における軸の位置が定義域に含まれるかどうかでさらに場合分けを行う。$b > 0$ という条件から、2つの軸の位置関係が $-(a+b) < -(a-b)$ と固定されていることに気づけば、場合分けの境界を見つけやすくなる。グラフを描く際は、境界での連続性や、放物線の頂点の位置に注意して概形を正確に把握したい。
答え
$m = -(a+b)^2 \quad (a < -b)$
$m = 0 \quad (-b \le a \le b)$
$m = -(a-b)^2 \quad (a > b)$
グラフは横軸を $a$、縦軸を $m$ とし、
$a < -b$ では点 $(-b, 0)$ を頂点とする上に凸の放物線 $m = -(a+b)^2$、
$-b \le a \le b$ では線分 $m = 0$、
$a > b$ では点 $(b, 0)$ を頂点とする上に凸の放物線 $m = -(a-b)^2$
をそれぞれつなぎ合わせたものとなる。