基礎問題集
数学1 二次関数「数1最大最小」の問題40 解説
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解説
方針・初手
絶対値が含まれる関数であるため、まずは絶対値の中身の正負によって場合分けを行い、それぞれの区間で二次関数として平方完成する。その後、各区間における最小値を $a$ の値によって分類して求め、区間ごとの最小値を比較することで全体の最小値を決定する。絶対値の基本性質である $x \leqq |x|$ などを利用すると、場合分けを減らして計算を大幅に省略することも可能である。
解法1
絶対値記号をはずすため、$x \geqq 0$ と $x < 0$ の場合に分ける。
**(i)** $x \geqq 0$ のとき
$$f(x) = x^2 - 2ax + a^2 - x$$
$$f(x) = x^2 - (2a+1)x + a^2$$
$$f(x) = \left( x - \frac{2a+1}{2} \right)^2 + a^2 - \frac{(2a+1)^2}{4}$$
$$f(x) = \left( x - \frac{2a+1}{2} \right)^2 - a - \frac{1}{4}$$
この区間における最小値 $m_1$ を求める。軸は $x = a + \frac{1}{2}$ である。
・$a + \frac{1}{2} \geqq 0$ すなわち $a \geqq -\frac{1}{2}$ のとき、軸は区間 $x \geqq 0$ に含まれるため、$x = a + \frac{1}{2}$ で最小となる。
$$m_1 = -a - \frac{1}{4}$$
・$a + \frac{1}{2} < 0$ すなわち $a < -\frac{1}{2}$ のとき、軸は区間 $x \geqq 0$ の左側にあるため、関数は $x \geqq 0$ において単調増加となる。よって $x = 0$ で最小となる。
$$m_1 = f(0) = a^2$$
**(ii)** $x < 0$ のとき
$$f(x) = x^2 - 2ax + a^2 + x$$
$$f(x) = x^2 - (2a-1)x + a^2$$
$$f(x) = \left( x - \frac{2a-1}{2} \right)^2 + a^2 - \frac{(2a-1)^2}{4}$$
$$f(x) = \left( x - \frac{2a-1}{2} \right)^2 + a - \frac{1}{4}$$
この区間における最小値を求める。$f(x)$ は $x=0$ で連続であるため、境界を含めた閉区間 $x \leqq 0$ の最小値 $m_2$ として考える。軸は $x = a - \frac{1}{2}$ である。
・$a - \frac{1}{2} \leqq 0$ すなわち $a \leqq \frac{1}{2}$ のとき、軸は区間 $x \leqq 0$ に含まれるため、$x = a - \frac{1}{2}$ で最小となる。
$$m_2 = a - \frac{1}{4}$$
・$a - \frac{1}{2} > 0$ すなわち $a > \frac{1}{2}$ のとき、軸は区間 $x \leqq 0$ の右側にあるため、関数は $x \leqq 0$ において単調減少となる。よって $x = 0$ で最小となる。
$$m_2 = f(0) = a^2$$
**(iii)** 全体の最小値
以上で求めた $m_1$ と $m_2$ のうち、小さい方が $f(x)$ の最小値となる。場合分けの境界は $a = -\frac{1}{2}$ と $a = \frac{1}{2}$ である。
・$a < -\frac{1}{2}$ のとき
$$m_1 = a^2$$
$$m_2 = a - \frac{1}{4}$$
ここで $m_1 - m_2 = a^2 - a + \frac{1}{4} = \left( a - \frac{1}{2} \right)^2$ であり、$a < -\frac{1}{2}$ より $m_1 > m_2$ となる。よって、最小値は $a - \frac{1}{4}$ である。
・$-\frac{1}{2} \leqq a \leqq \frac{1}{2}$ のとき
$$m_1 = -a - \frac{1}{4}$$
$$m_2 = a - \frac{1}{4}$$
ここで $m_1 - m_2 = -2a$ である。 $0 \leqq a \leqq \frac{1}{2}$ のときは $m_1 \leqq m_2$ となり、最小値は $-a - \frac{1}{4}$ となる。 $-\frac{1}{2} \leqq a < 0$ のときは $m_1 > m_2$ となり、最小値は $a - \frac{1}{4}$ となる。
・$a > \frac{1}{2}$ のとき
$$m_1 = -a - \frac{1}{4}$$
$$m_2 = a^2$$
ここで $m_2 - m_1 = a^2 + a + \frac{1}{4} = \left( a + \frac{1}{2} \right)^2$ であり、$a > \frac{1}{2}$ より $m_1 < m_2$ となる。よって、最小値は $-a - \frac{1}{4}$ である。
以上を総合すると、最小値は $a \geqq 0$ のとき、$-a - \frac{1}{4}$ $a < 0$ のとき、$a - \frac{1}{4}$ となる。
解法2
実数 $a, x$ について、$ax \leqq |ax| = |a||x|$ が成り立つ。この関係式を用いると、$f(x)$ を以下のように下から評価できる。
$$f(x) = |x|^2 - 2ax + a^2 - |x|$$
$$f(x) \geqq |x|^2 - 2|a||x| + a^2 - |x|$$
$$f(x) \geqq |x|^2 - (2|a|+1)|x| + a^2$$
ここで、$t = |x|$ とおくと、$t \geqq 0$ である。右辺の式を $t$ の関数 $g(t)$ とすると、
$$g(t) = t^2 - (2|a|+1)t + a^2$$
$$g(t) = \left( t - \frac{2|a|+1}{2} \right)^2 + a^2 - \frac{(2|a|+1)^2}{4}$$
$$g(t) = \left( t - |a| - \frac{1}{2} \right)^2 - |a| - \frac{1}{4}$$
$|a| \geqq 0$ より軸 $t = |a| + \frac{1}{2}$ はつねに $t \geqq \frac{1}{2} > 0$ を満たし、$t \geqq 0$ の範囲にある。したがって、$g(t)$ は $t = |a| + \frac{1}{2}$ のとき、最小値 $-|a| - \frac{1}{4}$ をとる。
不等式 $f(x) \geqq g(|x|) \geqq -|a| - \frac{1}{4}$ において等号が成立するのは、$ax = |a||x|$ かつ $|x| = |a| + \frac{1}{2}$ のときである。
$a \geqq 0$ のとき、$ax = |a||x|$ は $x \geqq 0$ を意味する。このとき $x = |x| = a + \frac{1}{2} \geqq 0$ となり等号を満たす $x$ が存在する。 $a < 0$ のとき、$ax = |a||x|$ は $x \leqq 0$ を意味する。このとき $x = -|x| = -\left(-a + \frac{1}{2}\right) = a - \frac{1}{2} < 0$ となり等号を満たす $x$ が存在する。
よって、$f(x)$ の最小値は $-|a| - \frac{1}{4}$ である。これを $a$ の符号で場合分けして答えればよい。
解説
絶対値を含む関数の最大・最小を求める標準的な問題である。解法1のように絶対値記号の中身の正負によって場合分けを行い、それぞれの区間における最小値をさらに定数 $a$ の値で場合分けする手法が確実なアプローチである。丁寧に処理しないと場合分けの階層が深くなり、ミスを誘発しやすい。
解法2のように、絶対値の性質 $X \leqq |X|$ を用いて式全体を下から評価し、最後に等号成立条件を確認するという手法は、見通しが良く計算量も少なくなるため非常に有効である。対称性や不等式評価をうまく利用できるかどうかが、記述量と解答時間に大きな差を生む。
答え
$a \geqq 0$ のとき、$-a - \frac{1}{4}$
$a < 0$ のとき、$a - \frac{1}{4}$
(※ 答えをまとめて $-|a| - \frac{1}{4}$ と表記してもよい)