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数学1 二次関数「二次関数」の問題42 解説
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解説
方針・初手
2つの2次関数に対する不等式が常に成り立つ条件を求める問題である。独立な2変数と従属する1変数の違いに注意する。
(1) は $s$ と $t$ が互いに無関係に動くため、「すべての $s, t$ で $f(s) \geqq g(t)$」は「($f(s)$ の最小値)$\geqq$($g(t)$ の最大値)」と言い換えることができる。それぞれの関数の平方完成を行い、最悪のケースを比較する。
(2) は同じ変数 $x$ に関する不等式であるため、差の関数 $F(x) = f(x) - g(x)$ を設定し、「指定された区間における $F(x)$ の最小値が $0$ 以上」となる条件を求める。区間が固定されており、関数の軸が動くため、軸の位置による典型的な場合分けを行う。
解法1
**(1)**
与えられた関数をそれぞれ平方完成する。
$$ f(s) = s^2 - 2s + 2 = (s-1)^2 + 1 $$
すべての実数 $s$ において、$f(s)$ は $s=1$ のとき最小値 $1$ をとる。
$$ g(t) = -t^2 + at + a = -\left(t - \frac{a}{2}\right)^2 + \frac{a^2}{4} + a $$
すべての実数 $t$ において、$g(t)$ は $t=\frac{a}{2}$ のとき最大値 $\frac{a^2}{4} + a$ をとる。
すべての実数 $s, t$ に対して $f(s) \geqq g(t)$ が成り立つための条件は、
$$ (\text{すべての実数 } s \text{ における } f(s) \text{ の最小値}) \geqq (\text{すべての実数 } t \text{ における } g(t) \text{ の最大値}) $$
が成り立つことである。したがって、
$$ 1 \geqq \frac{a^2}{4} + a $$
両辺に $4$ を掛け、整理すると、
$$ a^2 + 4a - 4 \leqq 0 $$
これを解いて、求める $a$ の値の範囲は、
$$ -2 - 2\sqrt{2} \leqq a \leqq -2 + 2\sqrt{2} $$
**(2)**
$F(x) = f(x) - g(x)$ とおく。
$$ F(x) = (x^2 - 2x + 2) - (-x^2 + ax + a) = 2x^2 - (a+2)x - a + 2 $$
条件は、$0 \leqq x \leqq 1$ を満たすすべての $x$ に対して $F(x) \geqq 0$ が成り立つこと、すなわち「$0 \leqq x \leqq 1$ における $F(x)$ の最小値が $0$ 以上」となることである。 $F(x)$ を平方完成する。
$$ \begin{aligned} F(x) &= 2\left(x^2 - \frac{a+2}{2}x\right) - a + 2 \\ &= 2\left(x - \frac{a+2}{4}\right)^2 - 2\left(\frac{a+2}{4}\right)^2 - a + 2 \\ &= 2\left(x - \frac{a+2}{4}\right)^2 - \frac{a^2 + 4a + 4}{8} - \frac{8a - 16}{8} \\ &= 2\left(x - \frac{a+2}{4}\right)^2 - \frac{a^2 + 12a - 12}{8} \end{aligned} $$
$y = F(x)$ のグラフは下に凸の放物線であり、その軸は直線 $x = \frac{a+2}{4}$ である。区間 $0 \leqq x \leqq 1$ に対する軸の位置によって場合分けを行う。
**(i)** 軸が区間の左側にあるとき($\frac{a+2}{4} < 0$ すなわち $a < -2$ のとき)
$0 \leqq x \leqq 1$ において $F(x)$ は単調に増加するので、最小値は $F(0)$ である。
$$ F(0) = -a + 2 \geqq 0 \iff a \leqq 2 $$
場合分けの条件 $a < -2$ との共通範囲は、
$$ a < -2 $$
**(ii)** 軸が区間内にあるとき($0 \leqq \frac{a+2}{4} \leqq 1$ すなわち $-2 \leqq a \leqq 2$ のとき)
$0 \leqq x \leqq 1$ における最小値は頂点の $y$ 座標である。
$$ F\left(\frac{a+2}{4}\right) = -\frac{a^2 + 12a - 12}{8} \geqq 0 \iff a^2 + 12a - 12 \leqq 0 $$
これを解くと、
$$ -6 - 4\sqrt{3} \leqq a \leqq -6 + 4\sqrt{3} $$
ここで、$4\sqrt{3} = \sqrt{48}$ であり、$6 < \sqrt{48} < 7$ であるから、$0 < -6 + 4\sqrt{3} < 1$ である。 また、$-6 - 4\sqrt{3} < -2$ である。 したがって、場合分けの条件 $-2 \leqq a \leqq 2$ との共通範囲は、
$$ -2 \leqq a \leqq -6 + 4\sqrt{3} $$
**(iii)** 軸が区間の右側にあるとき($\frac{a+2}{4} > 1$ すなわち $a > 2$ のとき)
$0 \leqq x \leqq 1$ において $F(x)$ は単調に減少するので、最小値は $F(1)$ である。
$$ F(1) = 2 - (a+2) - a + 2 = -2a + 2 \geqq 0 \iff a \leqq 1 $$
これは場合分けの条件 $a > 2$ を満たさないため、不適である。
以上、**(i)**, **(ii)**, **(iii)** より、求める $a$ の値の範囲は **(i)** と **(ii)** の範囲を合わせたものとなり、
$$ a \leqq -6 + 4\sqrt{3} $$
解説
2次不等式が「常に成り立つ」ための条件を問う標準的な問題である。変数が独立か従属かでアプローチが明確に分かれるため、その違いを理解しているかどうかが鍵となる。
(1) は独立変数 $s, t$ の問題である。独立変数の場合は、2つの関数のグラフが交わることを考える必要はなく、$y=f(x)$ の最も低い位置が $y=g(x)$ の最も高い位置よりも上(または同じ高さ)にあればよい。 (2) は従属変数(共通の $x$)の問題である。この場合は、関数の差 $F(x) = f(x) - g(x)$ を作り、その関数の最小値が $0$ 以上になる条件を考えるのが基本である。区間が固定され軸が動く2次関数の最小値問題に帰着されるため、教科書レベルの確実な場合分けの処理能力が求められる。
答え
(1) $$ -2 - 2\sqrt{2} \leqq a \leqq -2 + 2\sqrt{2} $$
(2) $$ a \leqq -6 + 4\sqrt{3} $$