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数学1 立体図形「立体図形」の問題12 解説
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解説
方針・初手
**(1)** 頂点から底面に下ろした垂線の足が、底面の正方形の対角線の交点と一致することに着目する。三平方の定理を用いて高さを求める。
**(2)** 内接球の半径を求める基本方針として、多面体の体積を2通りの方法で表すアプローチをとる。四角錐の体積と表面積を求め、$V = \frac{1}{3} S r$ の関係式を利用する。また、対称面での切断を考えるアプローチも有効である。
**(3)** **(2)** で求めた半径を用いて、球の表面積と体積の公式に代入するだけである。
解法1
**(1)** 頂点Oから底面ABCDに下ろした垂線の足をHとする。
$\triangle OAH, \triangle OBH, \triangle OCH, \triangle ODH$ は、斜辺と他の一辺($OH$)がそれぞれ等しい直角三角形であるから合同である。
したがって、$AH = BH = CH = DH$ となり、Hは正方形ABCDの外接円の中心、すなわち対角線ACとBDの交点に一致する。
正方形ABCDの1辺の長さは2なので、対角線ACの長さは $2\sqrt{2}$ である。よって、
$$AH = \frac{1}{2} AC = \sqrt{2}$$
となる。直角三角形OAHにおいて、三平方の定理より、
$$OH^2 = OA^2 - AH^2 = (\sqrt{5})^2 - (\sqrt{2})^2 = 3$$
$OH > 0$ であるから、$OH = \sqrt{3}$ となる。
ゆえに、四角錐OABCDの高さは $\sqrt{3}$ である。
**(2)** 内接球 $S$ の半径を $r$ とする。
四角錐OABCDの体積を $V$ とすると、
$$V = \frac{1}{3} \times (\text{正方形ABCDの面積}) \times OH = \frac{1}{3} \times 2^2 \times \sqrt{3} = \frac{4\sqrt{3}}{3}$$
である。
次に、頂点Oから辺ABに下ろした垂線の足をMとする。$\triangle OAB$ は $OA=OB=\sqrt{5}$ の二等辺三角形であるから、Mは辺ABの中点となり、$AM = 1$ である。
直角三角形OAMにおいて、三平方の定理より、
$$OM = \sqrt{OA^2 - AM^2} = \sqrt{5 - 1} = 2$$
となるため、$\triangle OAB$ の面積は、
$$\frac{1}{2} \times AB \times OM = \frac{1}{2} \times 2 \times 2 = 2$$
である。対称性より、4つの側面の面積はすべて等しく2である。
四角錐OABCDの表面積を $S_{total}$ とすると、
$$S_{total} = (\text{底面積}) + (\text{側面積の和}) = 2^2 + 4 \times 2 = 12$$
となる。
内接球の中心と四角錐の各面を頂点とする5つの錐体の体積の和が $V$ に等しいことから、
$$V = \frac{1}{3} S_{total} r$$
が成り立つ。これに値を代入して、
$$\frac{4\sqrt{3}}{3} = \frac{1}{3} \times 12 \times r$$
$$4r = \frac{4\sqrt{3}}{3}$$
$$r = \frac{\sqrt{3}}{3}$$
を得る。
**(3)** 球 $S$ の表面積を $A$、体積を $W$ とする。
$$A = 4\pi r^2 = 4\pi \left( \frac{\sqrt{3}}{3} \right)^2 = \frac{4}{3}\pi$$
$$W = \frac{4}{3}\pi r^3 = \frac{4}{3}\pi \left( \frac{\sqrt{3}}{3} \right)^3 = \frac{4\sqrt{3}}{27}\pi$$
となる。
解法2
**(2)の別解**
四角錐は底面と側面が対称であるため、内接球の中心Iは線分OH上に存在する。また、球 $S$ は底面ABCDの中心Hで接するため、IからHまでの距離が内接球の半径 $r$ となる。すなわち $IH = r$ である。
点Oから辺ABの中点Mを結ぶ線分OMを考える。平面OMHによる四角錐の断面を考えると、$\triangle OMH$ は $\angle OHM = 90^\circ$ の直角三角形である。
このとき、$MH = 1$、$OH = \sqrt{3}$ であり、三平方の定理より $OM = \sqrt{1^2 + (\sqrt{3})^2} = 2$ である。
球 $S$ は側面OABにも接するため、中心Iから線分OMに下ろした垂線の足をKとすると、平面OMHと面OABは直交するため、中心Iから側面OABへの距離は線分IKの長さに等しい。よって $IK = r$ である。
ここで、$\triangle OIK$ と $\triangle OMH$ について、$\angle O$ は共通、$\angle OKI = \angle OHM = 90^\circ$ より、2組の角がそれぞれ等しいため、これらは相似である。
相似比より、
$$IK : MH = OI : OM$$
が成り立つ。$IK = r$、$MH = 1$、$OI = OH - IH = \sqrt{3} - r$、$OM = 2$ を代入すると、
$$r : 1 = (\sqrt{3} - r) : 2$$
$$2r = \sqrt{3} - r$$
$$3r = \sqrt{3}$$
$$r = \frac{\sqrt{3}}{3}$$
となる。
解説
正四角錐に内接する球の半径を求める典型問題である。
内接球の半径を求める解法としては、解法1のように多面体を球の中心を頂点とする複数の錐体に分割し、「体積を2通りで表す」方法が最も汎用的で確実である。
一方で、解法2のように、図形の対称性を利用して適切な平面(本問では各辺の中点を通る垂直な平面)で切断し、平面図形の相似関係に帰着させるアプローチも計算量が少なく有用である。直角三角形の相似は図形問題で頻出のテーマなので、確実に使いこなせるようにしておきたい。
答え
**(1)**
$\sqrt{3}$
**(2)**
$\frac{\sqrt{3}}{3}$
**(3)**
表面積: $\frac{4}{3}\pi$、体積: $\frac{4\sqrt{3}}{27}\pi$