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数学1 立体図形「立体図形」の問題16 解説
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解説
方針・初手
正二十面体の頂点を、互いに直交する $3$ つの長方形の頂点として座標空間に配置するアプローチが極めて有効である。頂点の座標をパラメータで表し、すべての辺の長さが $1$ になる条件からパラメータを決定する。これにより、**(1)** の切り口の図形や面積、**(2)** の四面体の体積と高さの関係を、正確かつ見通しよく計算することができる。
解法1
正二十面体の $12$ 個の頂点は、原点 $\text{O}$ を中心とし、各座標平面に平行で互いに直交する $3$ つの合同な長方形の頂点として表すことができる。 長方形の短い辺の長さを $1$、長い辺の長さを $p \ (p > 0)$ とおく。頂点の座標は、次の $12$ 個の点として設定できる。
$$(\pm 1/2, \pm p/2, 0), \quad (0, \pm 1/2, \pm p/2), \quad (\pm p/2, 0, \pm 1/2)$$
(複号はすべての組み合わせをとる)
これらの点から構成される多面体のすべての面が合同な正三角形になる条件を求める。 点 $\text{A}(0, 1/2, p/2)$ と点 $\text{C}(1/2, p/2, 0)$ の距離が $1$ となればよいので、
$$\left(\frac{1}{2}\right)^2 + \left(\frac{p}{2} - \frac{1}{2}\right)^2 + \left(-\frac{p}{2}\right)^2 = 1^2$$
これを整理する。
$$\frac{1}{4} + \frac{p^2 - 2p + 1}{4} + \frac{p^2}{4} = 1$$
$$2p^2 - 2p - 2 = 0$$
$$p^2 - p - 1 = 0$$
$p > 0$ より $p = \frac{1+\sqrt{5}}{2}$ である。以下、これを $\phi$ とおく。このとき $\phi^2 = \phi + 1$ が成り立つ。 この条件を満たすとき、すべての頂点間の最小距離は対称性から $1$ となり、すべての頂点から原点 $\text{O}$ までの距離も等しいため、これが題意の「外接球の中心を $\text{O}$ とする $1$ 辺の長さが $1$ の正二十面体」の頂点座標となる。
**(1)**
$\triangle\text{ABC}$ の $1$ 辺を $\text{AB}$ とする。対称性より、$\text{A}(0, 1/2, \phi/2)$、$\text{B}(0, -1/2, \phi/2)$ と選んでも一般性を失わない。 $3$ 点 $\text{A}, \text{B}, \text{O}$ を通る平面 $\alpha$ は、方程式 $x=0$ で表される $yz$ 平面である。 平面 $\alpha$ 上にある正二十面体の頂点は、$\text{A}(0, 1/2, \phi/2)$、$\text{B}(0, -1/2, \phi/2)$ と、これらと原点対称な $\text{A}'(0, -1/2, -\phi/2)$、$\text{B}'(0, 1/2, -\phi/2)$ の $4$ 点である。
また、平面 $\alpha$ と交わる辺は、$x$ 座標の符号が異なる $2$ 頂点を結ぶ辺である。 条件を満たす辺は、点 $(\pm 1/2, \phi/2, 0)$ を結ぶ辺と、点 $(\pm 1/2, -\phi/2, 0)$ を結ぶ辺の $2$ 本であり、これらと平面 $\alpha$ との交点はそれぞれの中点 $\text{M}_1(0, \phi/2, 0)$、$\text{M}_2(0, -\phi/2, 0)$ となる。
したがって、切り口は $\text{A}, \text{M}_1, \text{B}', \text{A}', \text{M}_2, \text{B}$ を頂点とする六角形である。 平面 $\alpha$ 上の $(y, z)$ 座標で考えると、この六角形は $y$ 軸および $z$ 軸に関して対称な図形であり、$z \geqq 0$ の部分は上底 $\text{AB} = 1$、下底 $\text{M}_1\text{M}_2 = \phi$、高さ $\phi/2$ の等脚台形をなす。 この等脚台形の面積 $S_1$ は、
$$S_1 = \frac{1}{2}(1 + \phi) \times \frac{\phi}{2} = \frac{\phi + \phi^2}{4}$$
$\phi^2 = \phi + 1$ より、
$$S_1 = \frac{2\phi + 1}{4}$$
求める六角形の面積 $S$ はこの $2$ 倍であるから、
$$S = 2S_1 = \frac{2\phi + 1}{2} = \phi + \frac{1}{2} = \frac{1+\sqrt{5}}{2} + \frac{1}{2} = \frac{2+\sqrt{5}}{2}$$
**(2)**
$\triangle\text{ABC}$ が正二十面体の $1$ つの面となるように、第 $3$ の頂点 $\text{C}$ を選ぶ。 点 $\text{C}$ は $\text{A}, \text{B}$ との距離がともに $1$ の頂点であるため、対称性より $y=0$ を満たす。 これに該当する頂点は $(\phi/2, 0, 1/2)$ と $(-\phi/2, 0, 1/2)$ の $2$ 点であり、対称性から $\text{C}(\phi/2, 0, 1/2)$ とおく。
四面体 $\text{OABC}$ の体積 $V$ を $2$ 通りの方法で求める。 まず、$\triangle\text{OAB}$ を底面とみる。$\triangle\text{OAB}$ は $yz$ 平面上にあり、底辺 $\text{AB} = 1$、高さは $\phi/2$ であるから、その面積は、
$$\frac{1}{2} \times 1 \times \frac{\phi}{2} = \frac{\phi}{4}$$
頂点 $\text{C}$ から $yz$ 平面($x=0$)に下ろした垂線の長さは、$\text{C}$ の $x$ 座標の絶対値 $\phi/2$ に等しい。 したがって、体積 $V$ は、
$$V = \frac{1}{3} \times \frac{\phi}{4} \times \frac{\phi}{2} = \frac{\phi^2}{24} = \frac{\phi+1}{24}$$
次に、$\triangle\text{ABC}$ を底面とみる。$\triangle\text{ABC}$ は $1$ 辺の長さが $1$ の正三角形であるから、その面積は、
$$\frac{1}{2} \times 1 \times \frac{\sqrt{3}}{2} = \frac{\sqrt{3}}{4}$$
点 $\text{O}$ から平面 $\text{ABC}$ に下ろした垂線の長さが求める $\text{OD}$ であるから、体積 $V$ は、
$$V = \frac{1}{3} \times \frac{\sqrt{3}}{4} \times \text{OD} = \frac{\sqrt{3}}{12}\text{OD}$$
これら $2$ つの体積の式が等しいので、
$$\frac{\sqrt{3}}{12}\text{OD} = \frac{\phi+1}{24}$$
$$\text{OD} = \frac{\phi+1}{2\sqrt{3}} = \frac{\sqrt{3}(\phi+1)}{6}$$
$\phi = \frac{1+\sqrt{5}}{2}$ を代入すると、
$$\text{OD} = \frac{\sqrt{3}}{6} \left(\frac{1+\sqrt{5}}{2} + 1\right) = \frac{\sqrt{3}}{6} \times \frac{3+\sqrt{5}}{2} = \frac{3\sqrt{3} + \sqrt{15}}{12}$$
解説
正二十面体は、黄金比 $\phi = \frac{1+\sqrt{5}}{2}$ を辺の長さの比に持つ $3$ つの互いに直交する長方形(黄金長方形)の頂点から構成されるという性質がある。本問は空間図形の計量問題であるが、初等幾何的に切り口の形状や長さを把握するのは難度が高い。解法のように座標空間に適切に配置することで、すべての計算を代数的な処理に帰着させることができ、極めて見通しよく解答を導くことができる。**(2)** における四面体の体積を $2$ 通りの底面からアプローチする手法は、点と平面の距離を求める際の頻出パターンである。
答え
**(1)** $\frac{2+\sqrt{5}}{2}$
**(2)** $\frac{3\sqrt{3} + \sqrt{15}}{12}$