基礎問題集
数学1 立体図形「立体図形」の問題27 解説
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解説
方針・初手
ベクトルの内積を用いて機械的に計算を進める方針と、図形的な対称性から垂線を下ろして幾何的に解く方針が考えられる。 **(1)** ベクトルを用いる場合、$\overrightarrow{\text{OA}}, \overrightarrow{\text{OB}}, \overrightarrow{\text{OC}}$ を基準とし、各辺の長さからこれらの内積をすべて求めておく。点Pを実数パラメータを用いて表し、内積 $\overrightarrow{\text{PG}} \cdot \overrightarrow{\text{OA}} = 0$ を示す。 **(2)** **(1)** で用いたパラメータの2次関数として長さを表し、平方完成から最小値を求める。幾何的に解く場合は、重心の性質を用いて点と直線の距離の問題に帰着させる。
解法1
**(1)**
$\overrightarrow{\text{OA}} = \vec{a}$, $\overrightarrow{\text{OB}} = \vec{b}$, $\overrightarrow{\text{OC}} = \vec{c}$ とおく。 条件より、$|\vec{a}| = 4$, $|\vec{b}| = 3$, $|\vec{c}| = 2\sqrt{3}$ である。 $\triangle$OAB において、
$$|\overrightarrow{\text{AB}}|^2 = |\vec{b} - \vec{a}|^2 = |\vec{a}|^2 - 2\vec{a}\cdot\vec{b} + |\vec{b}|^2$$
$AB = 3$ より、
$$9 = 16 - 2\vec{a}\cdot\vec{b} + 9$$
よって、$\vec{a}\cdot\vec{b} = 8$ を得る。
同様に $\triangle$OBC において、
$$|\overrightarrow{\text{BC}}|^2 = |\vec{c} - \vec{b}|^2 = |\vec{b}|^2 - 2\vec{b}\cdot\vec{c} + |\vec{c}|^2$$
$BC = 3$ より、
$$9 = 9 - 2\vec{b}\cdot\vec{c} + 12$$
よって、$\vec{b}\cdot\vec{c} = 6$ を得る。
さらに $\triangle$OAC において、
$$|\overrightarrow{\text{CA}}|^2 = |\vec{a} - \vec{c}|^2 = |\vec{c}|^2 - 2\vec{c}\cdot\vec{a} + |\vec{a}|^2$$
$AC = 2\sqrt{3}$ より、
$$12 = 12 - 2\vec{c}\cdot\vec{a} + 16$$
よって、$\vec{c}\cdot\vec{a} = 8$ を得る。
点Pは辺BC上の点であるから、$0 \le t \le 1$ を満たす実数 $t$ を用いて、
$$\overrightarrow{\text{OP}} = (1-t)\vec{b} + t\vec{c}$$
と表せる。 また、Gは $\triangle$OAP の重心であるから、
$$\overrightarrow{\text{OG}} = \frac{1}{3}(\vec{a} + \overrightarrow{\text{OP}})$$
となる。したがって、
$$\overrightarrow{\text{PG}} = \overrightarrow{\text{OG}} - \overrightarrow{\text{OP}} = \frac{1}{3}\vec{a} - \frac{2}{3}\overrightarrow{\text{OP}}$$
である。これと $\vec{a}$ の内積を計算すると、
$$\begin{aligned} \overrightarrow{\text{PG}} \cdot \vec{a} &= \left( \frac{1}{3}\vec{a} - \frac{2}{3}\overrightarrow{\text{OP}} \right) \cdot \vec{a} \\ &= \frac{1}{3}|\vec{a}|^2 - \frac{2}{3} \left\{ (1-t)\vec{b} + t\vec{c} \right\} \cdot \vec{a} \\ &= \frac{16}{3} - \frac{2}{3} \left\{ (1-t)\vec{a}\cdot\vec{b} + t\vec{c}\cdot\vec{a} \right\} \\ &= \frac{16}{3} - \frac{2}{3} \left\{ 8(1-t) + 8t \right\} \\ &= \frac{16}{3} - \frac{16}{3} \\ &= 0 \end{aligned}$$
ここで、O, A, P は同一直線上にないため $\overrightarrow{\text{PG}} \ne \vec{0}$ であり、$\vec{a} \ne \vec{0}$ である。 したがって、$\overrightarrow{\text{PG}} \perp \overrightarrow{\text{OA}}$ が示された。
**(2)**
**(1)** より、$\overrightarrow{\text{PG}} = \frac{1}{3}\vec{a} - \frac{2}{3}\{(1-t)\vec{b} + t\vec{c}\}$ であるから、
$$\begin{aligned} |\overrightarrow{\text{PG}}|^2 &= \frac{1}{9} \left| \vec{a} - 2(1-t)\vec{b} - 2t\vec{c} \right|^2 \\ &= \frac{1}{9} \left\{ |\vec{a}|^2 + 4(1-t)^2|\vec{b}|^2 + 4t^2|\vec{c}|^2 - 4(1-t)\vec{a}\cdot\vec{b} - 4t\vec{c}\cdot\vec{a} + 8t(1-t)\vec{b}\cdot\vec{c} \right\} \end{aligned}$$
各値を代入して整理すると、
$$\begin{aligned} |\overrightarrow{\text{PG}}|^2 &= \frac{1}{9} \left\{ 16 + 36(1-2t+t^2) + 48t^2 - 32(1-t) - 32t + 48(t-t^2) \right\} \\ &= \frac{1}{9} \left\{ 16 + 36 - 72t + 36t^2 + 48t^2 - 32 + 32t - 32t + 48t - 48t^2 \right\} \\ &= \frac{1}{9} \left( 36t^2 - 24t + 20 \right) \\ &= 4t^2 - \frac{8}{3}t + \frac{20}{9} \\ &= 4\left(t - \frac{1}{3}\right)^2 - \frac{4}{9} + \frac{20}{9} \\ &= 4\left(t - \frac{1}{3}\right)^2 + \frac{16}{9} \end{aligned}$$
$0 \le t \le 1$ であるから、$|\overrightarrow{\text{PG}}|^2$ は $t = \frac{1}{3}$ のとき最小値 $\frac{16}{9}$ をとる。 $|\overrightarrow{\text{PG}}| > 0$ より、PGの最小値は $\frac{4}{3}$ である。
解法2
**(1)**
辺OAの中点をMとおく。 $\triangle$OAB において、余弦定理より
$$\cos \angle AOB = \frac{OA^2 + OB^2 - AB^2}{2 \cdot OA \cdot OB} = \frac{16 + 9 - 9}{2 \cdot 4 \cdot 3} = \frac{2}{3}$$
$\triangle$OBM において、余弦定理より
$$BM^2 = OB^2 + OM^2 - 2 \cdot OB \cdot OM \cos \angle AOB = 9 + 4 - 2 \cdot 3 \cdot 2 \cdot \frac{2}{3} = 5$$
ここで、$OM^2 + BM^2 = 4 + 5 = 9 = OB^2$ が成り立つため、三平方の定理の逆より $\angle OMB = 90^\circ$、すなわち $BM \perp OA$ である。
同様に $\triangle$OAC において、余弦定理より
$$\cos \angle AOC = \frac{OA^2 + OC^2 - AC^2}{2 \cdot OA \cdot OC} = \frac{16 + 12 - 12}{2 \cdot 4 \cdot 2\sqrt{3}} = \frac{1}{\sqrt{3}}$$
$\triangle$OCM において、余弦定理より
$$CM^2 = OC^2 + OM^2 - 2 \cdot OC \cdot OM \cos \angle AOC = 12 + 4 - 2 \cdot 2\sqrt{3} \cdot 2 \cdot \frac{1}{\sqrt{3}} = 8$$
ここでも、$OM^2 + CM^2 = 4 + 8 = 12 = OC^2$ が成り立つため、三平方の定理の逆より $\angle OMC = 90^\circ$、すなわち $CM \perp OA$ である。
直線OAは、平面MBC上の交わる2直線BM, CMと垂直であるから、平面MBC全体と垂直になる。 点Pは辺BC上の点であるため、直線PMは平面MBC上に含まれる。よって、$PM \perp OA$ である。
ここで $\triangle$OAP に着目する。Mは辺OAの中点であるから、線分PMは頂点Pから対辺OAに引いた中線である。 Gは $\triangle$OAP の重心であるため、点Gは中線PM上にあり、$PG : GM = 2 : 1$ に内分する。 したがって、直線PGは直線PMと一致する。 $PM \perp OA$ であるから $PG \perp OA$ であり、PとMは異なる点であるため $\overrightarrow{\text{PG}} \ne \vec{0}$ である。 ゆえに、$\overrightarrow{\text{PG}} \perp \overrightarrow{\text{OA}}$ が示された。
**(2)**
**(1)** より、点Gは線分PMを $2:1$ に内分する点であるから、$PG = \frac{2}{3}PM$ が成り立つ。 PGが最小となるのは、点Pが線分BC上を動くときのPMの長さが最小となるときである。 PMが最小となるのは、点Mから直線BCに下ろした垂線の足Hが点Pと一致するときである。
$\triangle$MBC において、**(1)** より $BM = \sqrt{5}$, $CM = 2\sqrt{2}$ であり、$BC = 3$ であるから、余弦定理より
$$\cos \angle MBC = \frac{BM^2 + BC^2 - CM^2}{2 \cdot BM \cdot BC} = \frac{5 + 9 - 8}{2 \cdot \sqrt{5} \cdot 3} = \frac{1}{\sqrt{5}}$$
$\sin \angle MBC > 0$ より、
$$\sin \angle MBC = \sqrt{1 - \left(\frac{1}{\sqrt{5}}\right)^2} = \frac{2}{\sqrt{5}}$$
点Mから直線BCに垂線MHを下ろすと、
$$MH = BM \sin \angle MBC = \sqrt{5} \cdot \frac{2}{\sqrt{5}} = 2$$
また、
$$BH = BM \cos \angle MBC = \sqrt{5} \cdot \frac{1}{\sqrt{5}} = 1$$
$0 \le 1 \le 3$ より $0 \le BH \le BC$ を満たすため、垂線の足Hは線分BC上に存在する。 したがって、点Pが点Hと一致するときPMは最小値 $2$ をとる。 求めるPGの最小値は、
$$PG = \frac{2}{3} \times 2 = \frac{4}{3}$$
である。
解説
ベクトルを用いた解法1は、計算量はやや多いものの、内積を機械的に処理することで確実に正答に至ることができる汎用的なアプローチである。パラメータ $t$ の2次関数に帰着させて最小値を求めるのも標準的な手法である。 一方、解法2のように図形の対称性や中点に気づくことができると、直角三角形を見出し、初等幾何のみでエレガントに証明と計算を行うことができる。特に「重心は中線を $2:1$ に内分する」という定義に立ち返ることで、ベクトルの計算を一切回避して $\overrightarrow{\text{PG}}$ の方向と長さを特定できる点が鮮やかである。試験本番では、まず解法1の方針を立てつつ、図形の性質から計算のショートカットができないか探る姿勢が重要になる。
答え
**(1)** 題意の通り証明された。
**(2)** $\frac{4}{3}$