基礎問題集
数学1 立体図形「立体図形」の問題29 解説
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解説
方針・初手
四面体の頂点 $\mathrm{O}$ に集まる3つの角($\angle\mathrm{AOB}, \angle\mathrm{BOC}, \angle\mathrm{AOC}$)がすべて $90^\circ$ であることから、点 $\mathrm{O}$ を原点とする直交座標系を設定すると見通しが良い。
$\mathrm{O}(0,0,0), \mathrm{A}(4,0,0), \mathrm{B}(0,5,0), \mathrm{C}(0,0,3)$ とし、空間座標を用いて各内分点 $\mathrm{D}, \mathrm{E}, \mathrm{F}, \mathrm{G}$ の座標を $t$ で表すことから始める。
解法1
座標系を $\mathrm{O}(0,0,0), \mathrm{A}(4,0,0), \mathrm{B}(0,5,0), \mathrm{C}(0,0,3)$ と設定する。 与えられた内分比を用いて、各点の位置ベクトルを計算する。 線分 $\mathrm{OA}$ を $t:(1-t)$ に内分する点 $\mathrm{D}$ は、
$$\overrightarrow{\mathrm{OD}} = t \overrightarrow{\mathrm{OA}} = (4t, 0, 0)$$
線分 $\mathrm{AB}$ を $(1-t):t$ に内分する点 $\mathrm{E}$ は、
$$\overrightarrow{\mathrm{OE}} = t \overrightarrow{\mathrm{OA}} + (1-t) \overrightarrow{\mathrm{OB}} = (4t, 5(1-t), 0)$$
線分 $\mathrm{BC}$ を $t:(1-t)$ に内分する点 $\mathrm{F}$ は、
$$\overrightarrow{\mathrm{OF}} = (1-t) \overrightarrow{\mathrm{OB}} + t \overrightarrow{\mathrm{OC}} = (0, 5(1-t), 3t)$$
線分 $\mathrm{CO}$ を $(1-t):t$ に内分する点 $\mathrm{G}$ は、
$$\overrightarrow{\mathrm{OG}} = t \overrightarrow{\mathrm{OC}} = (0, 0, 3t)$$
**(1)** 辺をなすベクトルを計算する。
$$\overrightarrow{\mathrm{DE}} = \overrightarrow{\mathrm{OE}} - \overrightarrow{\mathrm{OD}} = (0, 5(1-t), 0)$$
$$\overrightarrow{\mathrm{GF}} = \overrightarrow{\mathrm{OF}} - \overrightarrow{\mathrm{OG}} = (0, 5(1-t), 0)$$
$$\overrightarrow{\mathrm{DG}} = \overrightarrow{\mathrm{OG}} - \overrightarrow{\mathrm{OD}} = (-4t, 0, 3t)$$
$\overrightarrow{\mathrm{DE}} = \overrightarrow{\mathrm{GF}}$ であるため、四角形 $\mathrm{DEFG}$ は平行四辺形である。 さらに内積を計算すると、
$$\overrightarrow{\mathrm{DE}} \cdot \overrightarrow{\mathrm{DG}} = 0 \cdot (-4t) + 5(1-t) \cdot 0 + 0 \cdot 3t = 0$$
となり、隣り合う辺が直交することから、四角形 $\mathrm{DEFG}$ は長方形であることがわかる。 その面積 $S$ は隣り合う2辺の長さの積であるから、
$$|\overrightarrow{\mathrm{DE}}| = \sqrt{0^2 + \{5(1-t)\}^2 + 0^2} = 5(1-t) \quad (\text{ただし } 0<t<1)$$
$$|\overrightarrow{\mathrm{DG}}| = \sqrt{(-4t)^2 + 0^2 + (3t)^2} = \sqrt{25t^2} = 5t$$
$$S = |\overrightarrow{\mathrm{DE}}| |\overrightarrow{\mathrm{DG}}| = 5(1-t) \cdot 5t = 25t(1-t)$$
**(2)** 四角形 $\mathrm{DEFG}$ を含む平面 $\alpha$ の方程式を求める。 $\mathrm{D}(4t, 0, 0)$ と $\mathrm{G}(0, 0, 3t)$ を通り $y$ 軸に平行な平面であると推測できる。 $xz$ 平面上において $\mathrm{D}$ と $\mathrm{G}$ を通る直線の方程式は $\frac{x}{4t} + \frac{z}{3t} = 1$ であり、これを変形すると $3x + 4z - 12t = 0$ となる。 点 $\mathrm{E}(4t, 5(1-t), 0)$ および点 $\mathrm{F}(0, 5(1-t), 3t)$ の座標をこの式に代入しても成り立つため、これが平面 $\alpha$ の方程式である。 原点 $\mathrm{O}(0, 0, 0)$ から平面 $\alpha$ に下ろした垂線の長さ $\mathrm{OH}$ は、点と平面の距離の公式より、
$$\mathrm{OH} = \frac{|3 \cdot 0 + 0 \cdot 0 + 4 \cdot 0 - 12t|}{\sqrt{3^2 + 0^2 + 4^2}} = \frac{|-12t|}{5} = \frac{12}{5}t$$
**(3)** 平面 $\alpha$ の方程式 $f(x, y, z) = 3x + 4z - 12t = 0$ において各頂点の位置を調べる。 $\mathrm{O}$ を代入すると $-12t < 0$、$\mathrm{B}$ を代入すると $-12t < 0$ であり、$\mathrm{O}$ と $\mathrm{B}$ は平面 $\alpha$ に関して同じ側にある。 一方、$\mathrm{A}$ を代入すると $12(1-t) > 0$、$\mathrm{C}$ を代入すると $12(1-t) > 0$ であり、これらは反対側にある。 したがって、頂点 $\mathrm{O}$ を含む立体 $V$ は、頂点 $\mathrm{O}, \mathrm{B}, \mathrm{D}, \mathrm{E}, \mathrm{F}, \mathrm{G}$ を持つ多面体である。
この立体 $V$ を平面 $y = 5(1-t)$ で 2 つに分割して体積を求める。 線分 $\mathrm{OB}$ 上に点 $\mathrm{B'}(0, 5(1-t), 0)$ をとる。平面 $y = 5(1-t)$ による立体 $V$ の切り口は $\triangle\mathrm{B'EF}$ となる。
**(i)** $0 \le y \le 5(1-t)$ の部分 底面を $\triangle\mathrm{ODG}$、上面を $\triangle\mathrm{B'EF}$ とする三角柱である。 底面積は $\frac{1}{2} \cdot 4t \cdot 3t = 6t^2$、高さは $5(1-t)$ であるから、その体積 $V_1$ は、
$$V_1 = 6t^2 \cdot 5(1-t) = 30t^2(1-t)$$
**(ii)** $5(1-t) \le y \le 5$ の部分 底面を $\triangle\mathrm{B'EF}$、頂点を $\mathrm{B}$ とする三角錐である。 底面積は $\triangle\mathrm{ODG}$ と合同であるため $6t^2$、高さは $5 - 5(1-t) = 5t$ であるから、その体積 $V_2$ は、
$$V_2 = \frac{1}{3} \cdot 6t^2 \cdot 5t = 10t^3$$
よって、求める体積 $V$ は、
$$V = V_1 + V_2 = 30t^2(1-t) + 10t^3 = 30t^2 - 20t^3 = 10t^2(3-2t)$$
解法2
(3) について、断面積を積分して求める。 立体 $V$ を $y$ 軸に垂直な平面 $y = k \ (0 \le k \le 5)$ で切断したときの断面積 $S(k)$ を考える。 四面体 $\mathrm{OABC}$ を $y=k$ で切断した断面は、底辺が $4\left(1-\frac{k}{5}\right)$、高さが $3\left(1-\frac{k}{5}\right)$ の直角三角形である。 ここで、$s = 1 - \frac{k}{5}$ とおくと、この断面は $xz$ 平面に平行な平面上において $x \ge 0, z \ge 0, \frac{x}{4} + \frac{z}{3} \le s$ を満たす領域となる。 一方、平面 $\alpha$ で切り取られる $\mathrm{O}$ 側の領域の条件は $3x+4z \le 12t \iff \frac{x}{4} + \frac{z}{3} \le t$ である。 したがって、立体 $V$ の断面はこの2つの領域の共通部分となる。
**(i)** $s \ge t$ すなわち $0 \le k \le 5(1-t)$ のとき 共通部分は $\frac{x}{4} + \frac{z}{3} \le t$ の直角三角形となり、その面積は、
$$S(k) = \frac{1}{2} \cdot 4t \cdot 3t = 6t^2$$
**(ii)** $s < t$ すなわち $5(1-t) < k \le 5$ のとき 共通部分は $\frac{x}{4} + \frac{z}{3} \le s$ の直角三角形にすっぽり含まれるため、その面積は、
$$S(k) = \frac{1}{2} \cdot 4s \cdot 3s = 6s^2 = 6\left(1-\frac{k}{5}\right)^2$$
以上より、体積 $V$ は $S(k)$ を $0$ から $5$ まで積分して得られる。
$$V = \int_0^{5(1-t)} 6t^2 \, dk + \int_{5(1-t)}^5 6\left(1-\frac{k}{5}\right)^2 \, dk$$
第1項の積分は、
$$\int_0^{5(1-t)} 6t^2 \, dk = 6t^2 \cdot 5(1-t) = 30t^2(1-t)$$
第2項の積分は、$s = 1 - \frac{k}{5}$ と置換すると $dk = -5 \, ds$ であり、$k$ が $5(1-t) \to 5$ のとき $s$ は $t \to 0$ となるため、
$$\int_t^0 6s^2 \cdot (-5) \, ds = \int_0^t 30s^2 \, ds = \left[ 10s^3 \right]_0^t = 10t^3$$
よって、
$$V = 30t^2(1-t) + 10t^3 = 10t^2(3-2t)$$
解説
「1つの頂点に直角が3つ集まっている四面体」は、空間座標を設定することで非常に見通しが良くなる典型的な題材である。座標の導入により、図形の形状判定、平面の方程式の導出、点と平面の距離の計算が機械的かつ正確に行える。 (3) の立体の体積計算は、図形を直感的なパーツ(三角柱と三角錐)に分割する解法1と、数式として立式し断面積を積分する解法2のいずれも有力である。試験本番では、自分が確実に立体の形状を把握できるアプローチを選択するとよい。
答え
(1) $25t(1-t)$
(2) $\frac{12}{5}t$
(3) $10t^2(3-2t)$