基礎問題集
数学1 立体図形「立体図形」の問題30 解説
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解説
方針・初手
四面体の頂点をベクトルで表し、条件を内積の式に翻訳する。 「頂点から対面に下ろした垂線が対面の重心を通る」という幾何学的な条件は、頂点から対面の重心へ引いたベクトルが、対面を構成する2つのベクトルとそれぞれ垂直に交わる(内積が0になる)ことと言い換えられる。これをすべての頂点について立式し、各辺の長さの2乗と内積の関係を導き出す。
解法1
頂点 O を基準点とし、$\vec{OA} = \vec{a}$, $\vec{OB} = \vec{b}$, $\vec{OC} = \vec{c}$ とおく。 四面体 OABC が存在することから、$\vec{a}, \vec{b}, \vec{c}$ は一次独立である。
頂点 A から平面 OBC に下ろした垂線は $\triangle OBC$ の重心を通る。この重心を $G_A$ とすると、
$$\vec{OG_A} = \frac{1}{3}(\vec{b} + \vec{c})$$
であり、$\vec{AG_A} \perp \vec{OB}$ かつ $\vec{AG_A} \perp \vec{OC}$ が成り立つ。 ここで、
$$\vec{AG_A} = \vec{OG_A} - \vec{OA} = \frac{1}{3}\vec{b} + \frac{1}{3}\vec{c} - \vec{a}$$
である。これと $\vec{OB} = \vec{b}$, $\vec{OC} = \vec{c}$ との内積がそれぞれ $0$ になるため、
$$\left( \frac{1}{3}\vec{b} + \frac{1}{3}\vec{c} - \vec{a} \right) \cdot \vec{b} = 0 \iff |\vec{b}|^2 + \vec{b} \cdot \vec{c} - 3\vec{a} \cdot \vec{b} = 0 \quad \cdots \text{①}$$
$$\left( \frac{1}{3}\vec{b} + \frac{1}{3}\vec{c} - \vec{a} \right) \cdot \vec{c} = 0 \iff |\vec{c}|^2 + \vec{b} \cdot \vec{c} - 3\vec{c} \cdot \vec{a} = 0 \quad \cdots \text{②}$$
が成り立つ。
同様に、頂点 B から平面 OAC に下ろした垂線が $\triangle OAC$ の重心 $G_B$ を通ることから、$\vec{BG_B} \perp \vec{OA}$ かつ $\vec{BG_B} \perp \vec{OC}$ であり、
$$|\vec{a}|^2 + \vec{c} \cdot \vec{a} - 3\vec{a} \cdot \vec{b} = 0 \quad \cdots \text{③}$$
$$|\vec{c}|^2 + \vec{c} \cdot \vec{a} - 3\vec{b} \cdot \vec{c} = 0 \quad \cdots \text{④}$$
が成り立つ。
さらに、頂点 C から平面 OAB に下ろした垂線が $\triangle OAB$ の重心 $G_C$ を通ることから、$\vec{CG_C} \perp \vec{OA}$ かつ $\vec{CG_C} \perp \vec{OB}$ であり、
$$|\vec{a}|^2 + \vec{a} \cdot \vec{b} - 3\vec{c} \cdot \vec{a} = 0 \quad \cdots \text{⑤}$$
$$|\vec{b}|^2 + \vec{a} \cdot \vec{b} - 3\vec{b} \cdot \vec{c} = 0 \quad \cdots \text{⑥}$$
が成り立つ。
①と⑥の辺々を引くと、
$$\vec{b} \cdot \vec{c} - \vec{a} \cdot \vec{b} - 3\vec{a} \cdot \vec{b} + 3\vec{b} \cdot \vec{c} = 0 \iff 4\vec{b} \cdot \vec{c} - 4\vec{a} \cdot \vec{b} = 0 \iff \vec{a} \cdot \vec{b} = \vec{b} \cdot \vec{c}$$
②と④の辺々を引くと、
$$\vec{b} \cdot \vec{c} - \vec{c} \cdot \vec{a} - 3\vec{c} \cdot \vec{a} + 3\vec{b} \cdot \vec{c} = 0 \iff 4\vec{b} \cdot \vec{c} - 4\vec{c} \cdot \vec{a} = 0 \iff \vec{b} \cdot \vec{c} = \vec{c} \cdot \vec{a}$$
これらより、
$$\vec{a} \cdot \vec{b} = \vec{b} \cdot \vec{c} = \vec{c} \cdot \vec{a}$$
であることが分かる。この共通の値を $k$ とおく。 これを①、②、③に代入すると、それぞれ以下が導かれる。
$$|\vec{b}|^2 + k - 3k = 0 \implies |\vec{b}|^2 = 2k$$
$$|\vec{c}|^2 + k - 3k = 0 \implies |\vec{c}|^2 = 2k$$
$$|\vec{a}|^2 + k - 3k = 0 \implies |\vec{a}|^2 = 2k$$
よって、$|\vec{a}|^2 = |\vec{b}|^2 = |\vec{c}|^2 = 2k$ となる。 四面体の辺の長さは正であるため、$k > 0$ である。 これにより、
$$OA = OB = OC = \sqrt{2k}$$
となる。
次に、残りの辺 AB、BC、CA の長さを調べる。
$$|\vec{AB}|^2 = |\vec{b} - \vec{a}|^2 = |\vec{b}|^2 - 2\vec{a} \cdot \vec{b} + |\vec{a}|^2 = 2k - 2k + 2k = 2k$$
$$|\vec{BC}|^2 = |\vec{c} - \vec{b}|^2 = |\vec{c}|^2 - 2\vec{b} \cdot \vec{c} + |\vec{b}|^2 = 2k - 2k + 2k = 2k$$
$$|\vec{CA}|^2 = |\vec{a} - \vec{c}|^2 = |\vec{a}|^2 - 2\vec{c} \cdot \vec{a} + |\vec{c}|^2 = 2k - 2k + 2k = 2k$$
よって、
$$AB = BC = CA = \sqrt{2k}$$
となる。
以上より、すべての辺の長さが $\sqrt{2k}$ で等しいため、四面体 OABC は正四面体である。
解説
空間図形の直交条件をベクトルに翻訳して処理する典型問題である。線分と平面の直交条件を「平面上の独立な2つのベクトルとの内積がともに0になる」という式に変換し、得られた連立方程式からベクトルの大きさと内積の対称性を導く。連立方程式を解く際は、対称な式同士の差をとって共通部分を消去する手口が有効である。
答え
題意の通り、四面体の6つの辺の長さがすべて等しいことが示され、正四面体であることが証明された。