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数学1 三角比「三角比」の問題1 解説

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数学1 三角比 三角比 問題1の問題画像
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解説

方針・初手

(1) は、余弦定理を用いて $\cos C$ を表し、三角形の形状(鋭角・直角・鈍角)による符号の変化に注意して線分の長さを求めるか、座標を設定して代数的に処理する。 (2) は、頂点 $\text{A}$ を共有する2つの三角形 $\triangle\text{ABD}$ と $\triangle\text{ADC}$ の面積比を2通りに表す、または正弦定理を用いて辺と角の関係を導く。 (3) は、(2) の結果を点 $\text{M}$ および点 $\text{E}$ にそれぞれ適用することで、$\text{CE}$ の長さを方程式から求める。

解法1

**(1)** $\triangle\text{ABC}$ において、余弦定理より

$$ \cos C = \frac{a^2+b^2-c^2}{2ab} $$

が成り立つ。 頂点 $\text{A}$ から直線 $\text{BC}$ に下ろした垂線の足を $\text{H}$ とすると、$\triangle\text{ACH}$ は $\angle\text{AHC} = 90^\circ$ の直角三角形(または $\text{A}, \text{C}, \text{H}$ が一直線上)となる。 $\angle C$ の大きさによって場合分けを行う。

**(i)** $\angle C < 90^\circ$ のとき $\cos C > 0$ であり、点 $\text{H}$ は点 $\text{C}$ を基準として点 $\text{B}$ と同じ側にある。

$$ \text{CH} = b \cos C = \frac{a^2+b^2-c^2}{2a} $$

このとき $a^2+b^2-c^2 > 0$ より $\text{CH} > 0$ となり適する。

**(ii)** $\angle C = 90^\circ$ のとき $\cos C = 0$ であり、点 $\text{H}$ は点 $\text{C}$ と一致するから $\text{CH} = 0$ である。 このとき $a^2+b^2-c^2 = 0$ であり、$\frac{a^2+b^2-c^2}{2a} = 0$ も成り立つ。

**(iii)** $\angle C > 90^\circ$ のとき $\cos C < 0$ であり、点 $\text{H}$ は線分 $\text{BC}$ の延長線上(点 $\text{C}$ 側)にある。

$$ \text{CH} = b \cos (180^\circ - C) = -b \cos C = -\frac{a^2+b^2-c^2}{2a} $$

このとき $a^2+b^2-c^2 < 0$ より $-\frac{a^2+b^2-c^2}{2a} > 0$ となり適する。

以上 **(i)**, **(ii)**, **(iii)** より、

$$ \text{CH} = |b \cos C| = \left| \frac{a^2+b^2-c^2}{2a} \right| $$

**(2)** $\triangle\text{ABD}$ と $\triangle\text{ADC}$ の面積をそれぞれ $S_1, S_2$ とする。 底辺をそれぞれ $\text{BD}, \text{DC}$ とみると、高さが共通であるから

$$ S_1 : S_2 = \text{BD} : \text{DC} = s : t $$

すなわち $t S_1 = s S_2$ である。 一方で、$\text{AD}$ を用いてそれぞれの面積を表すと

$$ S_1 = \frac{1}{2} c \cdot \text{AD} \sin \alpha $$

$$ S_2 = \frac{1}{2} b \cdot \text{AD} \sin \beta $$

となる。これらを面積比の式に代入すると

$$ t \left( \frac{1}{2} c \cdot \text{AD} \sin \alpha \right) = s \left( \frac{1}{2} b \cdot \text{AD} \sin \beta \right) $$

$\text{AD} > 0$ であるから両辺を $\frac{1}{2} \cdot \text{AD}$ で割って

$$ c t \sin \alpha = b s \sin \beta $$

$\alpha, \beta$ は三角形の内角の一部であるから $\sin \beta \neq 0$ であり、

$$ \frac{\sin \alpha}{\sin \beta} = \frac{bs}{ct} $$

**(3)** $\text{M}$ は辺 $\text{BC}$ の中点であるから、点 $\text{M}$ に対して $s = \frac{a}{2}, t = \frac{a}{2}$ である。 (2) の結果を点 $\text{M}$ に対して用いると

$$ \frac{\sin \angle\text{BAM}}{\sin \angle\text{MAC}} = \frac{b \cdot \frac{a}{2}}{c \cdot \frac{a}{2}} = \frac{b}{c} $$

次に、点 $\text{E}$ に対して同様に (2) の結果を用いる。 $\text{BE} = x, \text{CE} = y$ とおくと、(2) より

$$ \frac{\sin \angle\text{BAE}}{\sin \angle\text{EAC}} = \frac{bx}{cy} $$

ここで、与えられた条件 $\angle\text{BAM} = \angle\text{EAC}$ より、

$$ \angle\text{BAE} = \angle\text{BAC} - \angle\text{EAC} = \angle\text{BAC} - \angle\text{BAM} = \angle\text{MAC} $$

となるから、

$$ \frac{\sin \angle\text{BAE}}{\sin \angle\text{EAC}} = \frac{\sin \angle\text{MAC}}{\sin \angle\text{BAM}} $$

である。これは点 $\text{M}$ で求めた比の逆数であるから、

$$ \frac{\sin \angle\text{BAE}}{\sin \angle\text{EAC}} = \frac{c}{b} $$

よって、以下の関係式が得られる。

$$ \frac{bx}{cy} = \frac{c}{b} $$

$$ b^2 x = c^2 y $$

点 $\text{E}$ は辺 $\text{BC}$ 上の点であるから $x + y = a$ であり、$x = a - y$ を代入すると

$$ b^2 (a - y) = c^2 y $$

$$ ab^2 - b^2 y = c^2 y $$

$$ (b^2 + c^2) y = ab^2 $$

$b^2 + c^2 > 0$ であるから、

$$ y = \frac{ab^2}{b^2 + c^2} $$

求める線分 $\text{CE}$ の長さは $y$ であるから、

$$ \text{CE} = \frac{ab^2}{b^2+c^2} $$

解法2

**(1)の別解** 座標平面を用いる解法を示す。 点 $\text{C}$ を原点 $(0, 0)$ とし、直線 $\text{BC}$ を $x$ 軸にとる。点 $\text{B}$ の座標を $(a, 0)$ とする。 点 $\text{A}$ の座標を $(x, y)$ とおくと、$\text{AC} = b, \text{AB} = c$ であるから、2点間の距離の公式より

$$ x^2 + y^2 = b^2 $$

$$ (a-x)^2 + y^2 = c^2 $$

第2式を展開して第1式を代入すると、

$$ a^2 - 2ax + x^2 + y^2 = c^2 $$

$$ a^2 - 2ax + b^2 = c^2 $$

$$ 2ax = a^2 + b^2 - c^2 $$

$$ x = \frac{a^2+b^2-c^2}{2a} $$

頂点 $\text{A}(x, y)$ から $x$ 軸に下ろした垂線の足 $\text{H}$ の座標は $(x, 0)$ である。 線分 $\text{CH}$ の長さは点 $\text{H}$ の $x$ 座標の絶対値 $|x|$ に等しいため、

$$ \text{CH} = |x| = \left| \frac{a^2+b^2-c^2}{2a} \right| $$

**(2)の別解** 正弦定理を用いる解法を示す。 $\triangle\text{ABD}$ において、正弦定理より

$$ \frac{\text{BD}}{\sin \alpha} = \frac{\text{AB}}{\sin \angle\text{BDA}} $$

$$ \frac{s}{\sin \alpha} = \frac{c}{\sin \angle\text{BDA}} \quad \cdots \text{①} $$

$\triangle\text{ADC}$ において、正弦定理より

$$ \frac{\text{DC}}{\sin \beta} = \frac{\text{AC}}{\sin \angle\text{ADC}} $$

$$ \frac{t}{\sin \beta} = \frac{b}{\sin \angle\text{ADC}} \quad \cdots \text{②} $$

ここで、点 $\text{D}$ は辺 $\text{BC}$ 上の点であるから $\angle\text{BDA} + \angle\text{ADC} = 180^\circ$ であり、

$$ \sin \angle\text{ADC} = \sin (180^\circ - \angle\text{BDA}) = \sin \angle\text{BDA} $$

が成り立つ。これを用いて①と②から $\sin \angle\text{BDA}$ を消去する。 ①より

$$ \sin \angle\text{BDA} = \frac{c \sin \alpha}{s} $$

②より

$$ \sin \angle\text{ADC} = \frac{b \sin \beta}{t} $$

よって、

$$ \frac{c \sin \alpha}{s} = \frac{b \sin \beta}{t} $$

$$ \frac{\sin \alpha}{\sin \beta} = \frac{bs}{ct} $$

解説

三角形の計量に関する標準的な問題である。 (1) は、文字式の値の符号によって垂線の足 $\text{H}$ の位置が変わることに気づけるかがポイントである。鈍角三角形の場合、$a^2+b^2-c^2 < 0$ となり得るため、線分の長さを表すには絶対値記号が必要になる。解法2のように座標を設定すれば、場合分けをせずに一括して長さを求めることができる。 (2) は、1つの角を2つに分けた三角形の面積比や正弦定理に着目する定石である。面積を利用する解法が計算量も少なく簡潔である。 (3) は、(2) で求めた関係式を誘導として活用する問題である。$\angle\text{BAM} = \angle\text{EAC}$ という条件から、$\text{M}$ と $\text{E}$ に関する正弦の比が逆数になることを見抜ければ、あとは1次方程式を解くだけに帰着される。このような点 $\text{E}$ に関して、直線 $\text{AE}$ は $\triangle\text{ABC}$ の類似中線と呼ばれる。

答え

(1) $\text{CH} = \left| \frac{a^2+b^2-c^2}{2a} \right|$

(2) $\frac{\sin \alpha}{\sin \beta} = \frac{bs}{ct}$

(3) $\text{CE} = \frac{ab^2}{b^2+c^2}$

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