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数学1 三角比「三角比」の問題19 解説

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解説

方針・初手

三角形の形状決定問題では、与えられた等式を「辺の長さの条件式」または「角の大きさの条件式」のいずれかに統一することが基本である。正弦定理や余弦定理を用いて式を書き換え、因数分解によって条件を絞り込む。

解法1

正弦定理および余弦定理を用いて、すべての条件式を辺の長さ $a, b, c$ だけで表す。

**(1)**

余弦定理より、

$$ \cos B = \frac{c^2 + a^2 - b^2}{2ca}, \quad \cos C = \frac{a^2 + b^2 - c^2}{2ab} $$

これを与えられた式に代入する。

$$ c \cdot \frac{c^2 + a^2 - b^2}{2ca} - b \cdot \frac{a^2 + b^2 - c^2}{2ab} = 0 $$

分母の $c$ と $b$ を約分する。

$$ \frac{c^2 + a^2 - b^2}{2a} - \frac{a^2 + b^2 - c^2}{2a} = 0 $$

両辺に $2a$ を掛けて整理する。

$$ (c^2 + a^2 - b^2) - (a^2 + b^2 - c^2) = 0 $$

$$ 2c^2 - 2b^2 = 0 $$

$$ b^2 = c^2 $$

辺の長さは正であるから $b > 0, c > 0$ より $b = c$ となる。 したがって、求める三角形は $b = c$ の二等辺三角形である。

**(2)**

$\triangle ABC$ の外接円の半径を $R$ とすると、正弦定理より、

$$ \sin A = \frac{a}{2R}, \quad \sin B = \frac{b}{2R} $$

これらと、(1) で用いた $\cos A, \cos B$ の式(余弦定理)を与えられた式に代入する。

$$ a^2 \cdot \frac{b}{2R} \cdot \frac{b^2 + c^2 - a^2}{2bc} - b^2 \cdot \frac{a}{2R} \cdot \frac{c^2 + a^2 - b^2}{2ca} = 0 $$

各項を整理する。

$$ \frac{a^2 (b^2 + c^2 - a^2)}{4Rc} - \frac{b^2 (c^2 + a^2 - b^2)}{4Rc} = 0 $$

両辺に $4Rc$ を掛けて分母を払う。

$$ a^2 (b^2 + c^2 - a^2) - b^2 (c^2 + a^2 - b^2) = 0 $$

展開して整理する。

$$ a^2 b^2 + a^2 c^2 - a^4 - b^2 c^2 - a^2 b^2 + b^4 = 0 $$

$$ a^2 c^2 - a^4 - b^2 c^2 + b^4 = 0 $$

$a^2$ と $b^2$ の項でまとめる。

$$ (b^4 - a^4) - c^2 (b^2 - a^2) = 0 $$

$$ (b^2 - a^2)(b^2 + a^2) - c^2(b^2 - a^2) = 0 $$

共通因数 $b^2 - a^2$ でくくる。

$$ (b^2 - a^2)(a^2 + b^2 - c^2) = 0 $$

したがって、以下のいずれかが成り立つ。

$$ b^2 - a^2 = 0 \quad \text{または} \quad a^2 + b^2 - c^2 = 0 $$

$a > 0, b > 0$ より、

$$ a = b \quad \text{または} \quad a^2 + b^2 = c^2 $$

よって、求める三角形は $a = b$ の二等辺三角形、または $C = 90^\circ$ の直角三角形である。

解法2

正弦定理を用いて、すべての条件式を角の大きさ $A, B, C$ だけで表す。

**(1)**

$\triangle ABC$ の外接円の半径を $R$ とすると、正弦定理より $b = 2R \sin B, c = 2R \sin C$ である。 これを与えられた式に代入する。

$$ 2R \sin C \cos B - 2R \sin B \cos C = 0 $$

$R > 0$ であるから、両辺を $2R$ で割る。

$$ \sin C \cos B - \cos C \sin B = 0 $$

加法定理を用いて左辺をまとめる。

$$ \sin(C - B) = 0 $$

$\triangle ABC$ の内角であるから $0 < B < \pi, 0 < C < \pi$ であり、$-\pi < C - B < \pi$ である。 この範囲で $\sin(C - B) = 0$ となるのは $C - B = 0$ のときのみである。 よって $B = C$ となり、求める三角形は $b = c$ の二等辺三角形である。

**(2)**

正弦定理より $a = 2R \sin A, b = 2R \sin B$ である。 これを与えられた式に代入する。

$$ (2R \sin A)^2 \sin B \cos A - (2R \sin B)^2 \sin A \cos B = 0 $$

$$ 4R^2 \sin^2 A \sin B \cos A - 4R^2 \sin^2 B \sin A \cos B = 0 $$

両辺を $4R^2 \sin A \sin B$ でくくる。($\sin A > 0, \sin B > 0$ なので $0$ になることはない)

$$ 4R^2 \sin A \sin B (\sin A \cos A - \sin B \cos B) = 0 $$

したがって、次が成り立つ。

$$ \sin A \cos A - \sin B \cos B = 0 $$

2倍角の公式 $\sin 2\theta = 2 \sin \theta \cos \theta$ を用いて変形する。

$$ \frac{1}{2} \sin 2A - \frac{1}{2} \sin 2B = 0 $$

$$ \sin 2A = \sin 2B $$

$0 < A < \pi, 0 < B < \pi$ より、$0 < 2A < 2\pi, 0 < 2B < 2\pi$ である。 この範囲で $\sin 2A = \sin 2B$ が成り立つ条件は、

$$ 2A = 2B \quad \text{または} \quad 2A = \pi - 2B $$

すなわち、

$$ A = B \quad \text{または} \quad A + B = \frac{\pi}{2} $$

$A + B + C = \pi$ であるから、$A + B = \frac{\pi}{2}$ のとき $C = \frac{\pi}{2}$ となる。 よって、求める三角形は $a = b$ の二等辺三角形、または $C = 90^\circ$ の直角三角形である。

解説

形状決定問題の定石通り、「辺に統一」か「角に統一」のいずれかで解き進めればよい。 解法1のように辺の長さに統一した場合、最終的に得られた式を因数分解する力が求められる。 解法2のように角の大きさに統一した場合、三角関数の加法定理や2倍角の公式などの公式を正確に運用する力が求められる。 どちらの方針でも解けるようにしておくことが望ましい。

答え

(1) $b=c$ の二等辺三角形

(2) $a=b$ の二等辺三角形、または $C=90^\circ$ の直角三角形

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