基礎問題集
数学1 三角比「三角比」の問題30 解説
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解説
方針・初手
内接円の半径 $r$ と面積 $S$ の関係式は、内心と各頂点を結んで三角形を3分割することで容易に導くことができる。ヘロンの公式については、余弦定理を用いて $\cos A$ を求め、相互関係から $\sin A$ を求めたのち、面積公式 $S = \frac{1}{2}bc\sin A$ に代入して計算を進めるのが基本方針である。計算の過程で $2l = a+b+c$ を用いて式を整理する。
解法1
$\triangle\text{ABC}$ の内心を $\text{I}$ とする。 $\triangle\text{ABC}$ は、$\text{I}$ を頂点とする3つの三角形 $\triangle\text{IBC}, \triangle\text{ICA}, \triangle\text{IAB}$ に分割できる。 各三角形の高さを内接円の半径 $r$ とみなせるので、面積 $S$ について次が成り立つ。
$$ S = \triangle\text{IBC} + \triangle\text{ICA} + \triangle\text{IAB} $$
$$ S = \frac{1}{2}ar + \frac{1}{2}br + \frac{1}{2}cr $$
$$ S = \frac{1}{2}r(a+b+c) $$
ここで、条件より $2l = a+b+c$ であるから、
$$ S = \frac{1}{2}r(2l) = rl $$
したがって、
$$ r = \frac{S}{l} $$
が示された。
次に、$S = \sqrt{l(l-a)(l-b)(l-c)}$ を示す。 $\triangle\text{ABC}$ において、余弦定理より
$$ \cos A = \frac{b^2+c^2-a^2}{2bc} $$
である。$\sin A > 0$ より $\sin A = \sqrt{1 - \cos^2 A}$ であるから、
$$ \sin A = \sqrt{1 - \left( \frac{b^2+c^2-a^2}{2bc} \right)^2} $$
$$ \sin A = \sqrt{\frac{(2bc)^2 - (b^2+c^2-a^2)^2}{(2bc)^2}} $$
$$ \sin A = \frac{1}{2bc} \sqrt{\{2bc + (b^2+c^2-a^2)\}\{2bc - (b^2+c^2-a^2)\}} $$
$$ \sin A = \frac{1}{2bc} \sqrt{\{(b+c)^2-a^2\}\{a^2-(b-c)^2\}} $$
$$ \sin A = \frac{1}{2bc} \sqrt{(b+c+a)(b+c-a)(a+b-c)(a-b+c)} $$
ここで、$a+b+c = 2l$ より、
$$ b+c-a = (a+b+c) - 2a = 2l - 2a = 2(l-a) $$
$$ a+c-b = (a+b+c) - 2b = 2l - 2b = 2(l-b) $$
$$ a+b-c = (a+b+c) - 2c = 2l - 2c = 2(l-c) $$
これらを代入すると、
$$ \sin A = \frac{1}{2bc} \sqrt{2l \cdot 2(l-a) \cdot 2(l-b) \cdot 2(l-c)} $$
$$ \sin A = \frac{4}{2bc} \sqrt{l(l-a)(l-b)(l-c)} = \frac{2}{bc} \sqrt{l(l-a)(l-b)(l-c)} $$
三角形の面積の公式より、
$$ S = \frac{1}{2}bc \sin A $$
であるから、
$$ S = \frac{1}{2}bc \cdot \frac{2}{bc} \sqrt{l(l-a)(l-b)(l-c)} $$
$$ S = \sqrt{l(l-a)(l-b)(l-c)} $$
が示された。
解説
内接円の半径と三角形の面積の関係、およびヘロンの公式の導出という、教科書レベルの基本的な証明問題である。 内接円に関する面積公式は、内心と各頂点を結んで三角形を3つに分けるという図形的な意味を理解しておくことが重要である。 ヘロンの公式の導出においては、平方の差の公式を繰り返し利用して因数分解を進めると、式の展開が複雑にならずに見通しよく計算できる。この式変形は他の問題でも役立つ典型的な処理である。
答え
与えられた条件のもとで、$r = \frac{S}{l}$ が成り立つことを示した。
与えられた条件のもとで、$S = \sqrt{l(l-a)(l-b)(l-c)}$ が成り立つことを示した。