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数学1 三角比「三角比」の問題33 解説
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解説
方針・初手
三角形の外角の二等分線の性質(比の定理)を用いて線分の長さを求める。角度については、隣り合う内角と外角の和が $180^{\circ}$ であることを利用し、三角形の形に注目して余弦定理を適用する。最後の線分の長さは、求めた辺の長さと $\cos \theta$ を用いて三角形に再度余弦定理を適用して計算する。
解法1
**(1)**
直線 $AD$ は $\triangle ABC$ の頂点 $A$ における外角の二等分線であるから、外角の二等分線の性質より、以下の比が成り立つ。
$$ BD : DC = AB : AC = c : b $$
また、点 $D$ は辺 $BC$ の延長上の点であり、$c > b$ であるから、点 $B, C, D$ はこの順に並ぶ。 したがって、$BD = BC + CD = a + CD$ となる。 これを比の式に代入すると、以下のようになる。
$$ (a + CD) : CD = c : b $$
外項の積と内項の積は等しいから、式を整理する。
$$ c CD = b(a + CD) $$
$$ (c - b)CD = ab $$
条件 $c > b$ より $c - b \neq 0$ であるから、両辺を $c - b$ で割る。
$$ CD = \frac{ab}{c-b} $$
**(2)**
点 $B, C, D$ は同一直線上にあるため、$\angle BCA + \angle ACD = 180^{\circ}$ である。 よって、$\angle BCA = 180^{\circ} - \theta$ となる。 $\triangle ABC$ において余弦定理を用いると、以下の式が得られる。
$$ \cos(\angle BCA) = \frac{BC^2 + AC^2 - AB^2}{2 \cdot BC \cdot AC} = \frac{a^2 + b^2 - c^2}{2ab} $$
ここで $\cos(\angle BCA) = \cos(180^{\circ} - \theta) = -\cos\theta$ であるから、代入する。
$$ -\cos\theta = \frac{a^2 + b^2 - c^2}{2ab} $$
ゆえに、両辺に $-1$ を掛けて整理する。
$$ \cos\theta = \frac{c^2 - a^2 - b^2}{2ab} $$
**(3)**
$\triangle ACD$ において余弦定理を用いる。
$$ AD^2 = AC^2 + CD^2 - 2 \cdot AC \cdot CD \cos\theta $$
これまでに求めた値を代入し、計算を進める。
$$ \begin{aligned} AD^2 &= b^2 + \left( \frac{ab}{c-b} \right)^2 - 2b \cdot \frac{ab}{c-b} \cdot \frac{c^2 - a^2 - b^2}{2ab} \\ &= b^2 + \frac{a^2b^2}{(c-b)^2} - \frac{b(c^2 - a^2 - b^2)}{c-b} \\ &= \frac{b^2(c-b)^2 + a^2b^2 - b(c-b)(c^2 - a^2 - b^2)}{(c-b)^2} \end{aligned} $$
分子を展開して整理する。
$$ \begin{aligned} & b^2(c-b)^2 + a^2b^2 - b(c-b)(c^2 - a^2 - b^2) \\ &= b^2(c^2 - 2bc + b^2) + a^2b^2 - (bc - b^2)(c^2 - a^2 - b^2) \\ &= b^2c^2 - 2b^3c + b^4 + a^2b^2 - (bc^3 - a^2bc - b^3c - b^2c^2 + a^2b^2 + b^4) \\ &= b^2c^2 - 2b^3c + b^4 + a^2b^2 - bc^3 + a^2bc + b^3c + b^2c^2 - a^2b^2 - b^4 \\ &= 2b^2c^2 - b^3c - bc^3 + a^2bc \\ &= bc(2bc - b^2 - c^2 + a^2) \\ &= bc \{ a^2 - (c^2 - 2bc + b^2) \} \\ &= bc \{ a^2 - (c-b)^2 \} \end{aligned} $$
したがって、求める $AD^2$ は以下のようになる。
$$ AD^2 = \frac{bc \{ a^2 - (c-b)^2 \}}{(c-b)^2} $$
解法2
**(3)の別解**
外角の二等分線の長さに関する公式を利用する。 $\triangle ABC$ の頂点 $A$ における外角の二等分線と直線 $BC$ の交点を $D$ とするとき、線分 $AD$ の長さの2乗は以下の式で与えられる。
$$ AD^2 = BD \cdot CD - AB \cdot AC $$
**(1)** より $CD = \frac{ab}{c-b}$ であり、$BD = a + CD = a + \frac{ab}{c-b} = \frac{ac}{c-b}$ である。 これらを公式に代入して計算する。
$$ \begin{aligned} AD^2 &= \frac{ac}{c-b} \cdot \frac{ab}{c-b} - c \cdot b \\ &= \frac{a^2bc}{(c-b)^2} - \frac{bc(c-b)^2}{(c-b)^2} \\ &= \frac{bc \{ a^2 - (c-b)^2 \}}{(c-b)^2} \end{aligned} $$
解説
外角の二等分線の性質 $BD:DC = AB:AC$ は頻出の基本知識である。これを忘れていると序盤から手詰まりになってしまうため確実に押さえておく必要がある。また、内角と外角の余弦の符号が反転すること($\cos(180^{\circ} - \theta) = -\cos\theta$)を用いた処理も図形問題での定石である。
**(3)** は余弦定理をそのまま適用して計算力で押し切ることもできるが、文字式が複雑になるため計算ミスに注意が必要である。解法2で示した角の二等分線の長さの公式(内角の場合は $AD^2 = AB \cdot AC - BD \cdot CD$、外角の場合は $AD^2 = BD \cdot CD - AB \cdot AC$)を知っていれば、大幅に計算の手間を省くことができる。
答え
**(1)** $BD:DC = c:b$, $CD = \frac{ab}{c-b}$
**(2)** $\cos\theta = \frac{c^2 - a^2 - b^2}{2ab}$
**(3)** $AD^2 = \frac{bc \{ a^2 - (c-b)^2 \}}{(c-b)^2}$