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数学1 三角比「三角比」の問題40 解説

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解説

方針・初手

(1) 三角形の辺の長さと対角の大きさの大小関係が一致することを利用する。まず $p$ と $q$ の式で与えられた辺の長さ $a, b, c$ の差を計算し、辺の大小関係を明らかにする。

(2) (1)で得た角の大小関係と、三角形の内角の和が $180^\circ$ であることを用いて、条件(ハ)の「いずれかが $60^\circ$」である角を一つに特定する。特定した角に対して余弦定理を適用し、$p$ と $q$ の関係式を導く。その後、条件(ロ)から整数問題として $p, q$ の値を決定する。

解法1

(1)

$a = p+q, b = pq+p, c = pq+1$ に対して、それぞれの差を計算する。条件(イ)より、$p \ge 2, q \ge 2$ であることに注意する。

$$ b - c = (pq+p) - (pq+1) = p - 1 $$

$p \ge 2$ より $p-1 \ge 1 > 0$ であるから、$b > c$ が成り立つ。次に、$c$ と $a$ の差を計算する。

$$ c - a = (pq+1) - (p+q) = p(q-1) - (q-1) = (p-1)(q-1) $$

$p \ge 2, q \ge 2$ より $p-1 \ge 1 > 0, q-1 \ge 1 > 0$ であるから、$c - a > 0$ となり、$c > a$ が成り立つ。

以上より、辺の長さの大小関係は $b > c > a$ である。三角形において、辺の長さと対角の大きさの大小関係は一致するため、対応する角の大小関係は以下のようになる。

$$ \angle\text{B} > \angle\text{C} > \angle\text{A} $$

(2)

三角形の内角の和は $180^\circ$ である。 もし $\angle\text{A} \ge 60^\circ$ であれば、(1)の結果から $\angle\text{B} > \angle\text{C} > \angle\text{A} \ge 60^\circ$ となり、3つの角の和が $180^\circ$ を超えてしまい矛盾する。 もし $\angle\text{B} \le 60^\circ$ であれば、$\angle\text{A} < \angle\text{C} < \angle\text{B} \le 60^\circ$ となり、3つの角の和が $180^\circ$ 未満になってしまい矛盾する。

したがって、$\angle\text{A} < 60^\circ$ かつ $\angle\text{B} > 60^\circ$ である。 条件(ハ)により、3つの角のいずれかは $60^\circ$ であるため、$\angle\text{C} = 60^\circ$ に決定される。

$\angle\text{C} = 60^\circ$ として、三角形ABCに余弦定理を適用する。

$$ c^2 = a^2 + b^2 - 2ab \cos 60^\circ $$

$$ c^2 = a^2 + b^2 - ab $$

$a, b, c$ に $p, q$ の式を代入する。

$$ (pq+1)^2 = (p+q)^2 + p^2(q+1)^2 - p(p+q)(q+1) $$

展開して整理していく。

$$ p^2q^2 + 2pq + 1 = p^2 + 2pq + q^2 + p^2(q^2+2q+1) - (p^2+pq)(q+1) $$

$$ p^2q^2 + 2pq + 1 = p^2 + 2pq + q^2 + p^2q^2 + 2p^2q + p^2 - (p^2q + p^2 + pq^2 + pq) $$

$$ p^2q^2 + 2pq + 1 = p^2q^2 - pq^2 + p^2q + p^2 + pq + q^2 $$

両辺から共通項を消去し、移項して $= 0$ の形にする。

$$ p^2q - pq^2 + p^2 - pq + q^2 - 1 = 0 $$

$q$ について整理しつつ因数分解を行う。

$$ p^2(q+1) - pq(q+1) + (q+1)(q-1) = 0 $$

$$ (q+1)(p^2 - pq + q - 1) = 0 $$

$q \ge 2$ より $q+1 > 0$ であるから、両辺を $q+1$ で割る。

$$ p^2 - pq + q - 1 = 0 $$

$$ (p-1)(p+1) - q(p-1) = 0 $$

$$ (p-1)(p - q + 1) = 0 $$

$p \ge 2$ より $p-1 > 0$ であるから、$p - q + 1 = 0$ となり、$q = p+1$ を得る。 これを $a, b, c$ に代入する。

$$ a = p + (p+1) = 2p+1 $$

$$ b = p(p+1+1) = p(p+2) $$

$$ c = p(p+1) + 1 = p^2+p+1 $$

条件(ロ)より、$a, b, c$ のいずれかが $2^n$($n$ は自然数)である。 $p \ge 2$ の自然数であるため、$a = 2p+1 \ge 5$ となり、$a$ は奇数であるから $2^n$ にはなり得ない。 また、$c = p(p+1) + 1$ について、$p(p+1)$ は連続する2つの自然数の積であるから偶数である。よって、$c$ も常に奇数となり、$2^n$ にはなり得ない。 したがって、$b = 2^n$ である。

$$ p(p+2) = 2^n $$

$p$ と $p+2$ の積が2の累乗になるため、これらはともに2の累乗でなければならない。 $p = 2^k$($k$ は自然数)とおくと、$p+2 = 2^m$($m$ は $m > k$ を満たす自然数)とおける。

$$ 2^m - 2^k = 2 $$

$$ 2^k(2^{m-k} - 1) = 2 $$

$2^{m-k}-1$ は奇数であり、積が2となるためには $2^{m-k}-1 = 1$ かつ $2^k = 2$ でなければならない。 これより、$k=1$ となり、$p=2$ である。 このとき、$q = 2+1 = 3$ となり、$p \ge 2, q \ge 2$ の条件を満たす。

$p=2, q=3$ を用いて、各辺の長さを求める。

$$ a = 2 \cdot 2 + 1 = 5 $$

$$ b = 2 \cdot (2+2) = 8 $$

$$ c = 2^2 + 2 + 1 = 7 $$

解説

(1)の「大小関係」を求める設問が、(2)の「どの内角が $60^\circ$ か」を特定するための強力な誘導となっている。 (2)における余弦定理の計算は煩雑になりやすいが、最終的に因数分解できることを念頭に置いて式を整理していくことが重要である。また、後半は整数の偶奇や2の累乗の性質を用いて候補を絞り込む、整数問題の典型的な処理が要求される。図形・方程式・整数の複数の分野が融合した良問である。

答え

(1) $\angle\text{B} > \angle\text{C} > \angle\text{A}$

(2) $a = 5, b = 8, c = 7$

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