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数学1 三角比「三角比」の問題43 解説
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解説
方針・初手
四角形が円に外接するという条件から、四角形の各頂点から円に引いた2本の接線の長さが等しいことを利用する。内接円の中心と四角形の頂点、接点を結ぶことで図形を分割し、面積を接線の長さを用いて表す。少なくとも2つの内角が $90^\circ$ であるため、「隣り合う2角が $90^\circ$ の場合」と「向かい合う2角が $90^\circ$ の場合」の2つのパターンで場合分けを行い、それぞれの面積の最小値を求める。
解法1
四角形の頂点を順に A, B, C, D とし、内接円の中心を O、半径を $r=1$ とする。また、円 O と辺 AB, BC, CD, DA との接点をそれぞれ P, Q, R, S とする。 円の半径と接線の関係より、$OP \perp AB, OQ \perp BC, OR \perp CD, OS \perp DA$ であり、$OP=OQ=OR=OS=1$ である。 条件(a)より、「少なくとも2つの内角は $90^\circ$」であるから、以下の2つの場合が考えられる。
**(i) 隣り合う2つの内角が $90^\circ$ である場合** $\angle \text{A} = \angle \text{B} = 90^\circ$ とする。 四角形 APOS は、$\angle \text{A} = \angle \text{APO} = \angle \text{ASO} = 90^\circ$ かつ $OP=OS=1$ であるから、1辺の長さが1の正方形となる。同様に、四角形 PBQO も1辺の長さが1の正方形となる。 したがって、各頂点からの接線の長さは $AP = AS = 1$, $BP = BQ = 1$ となる。 辺 AB の長さは $AB = AP + PB = 2$ である。 また、点 C, D から引いた接線の長さをそれぞれ $CQ = CR = x, DR = DS = y$ とおく。点 C, D は円の外部にあるため $x > 0, y > 0$ である。 このとき、各辺の長さは $BC = 1 + x$, $CD = x + y$, $DA = y + 1$ となる。 辺 AD と BC は辺 AB に垂直であるから互いに平行であり、四角形 ABCD は直角台形(または長方形)である。 頂点 D から辺 BC に垂線を下ろし、その交点を H とすると、四角形 ABHD は長方形となるため、$DH = AB = 2$、$BH = AD = y + 1$ となる。 よって、$HC = |BC - BH| = |(1 + x) - (1 + y)| = |x - y|$ である。 直角三角形 DHC において三平方の定理より、$CD^2 = DH^2 + HC^2$ が成り立つから、
$$ (x+y)^2 = 2^2 + (x-y)^2 $$
$$ x^2 + 2xy + y^2 = 4 + x^2 - 2xy + y^2 $$
$$ 4xy = 4 $$
$$ xy = 1 $$
四角形 ABCD の面積を $S$ とすると、台形の面積の公式より、
$$ S = \frac{1}{2} (AD + BC) \times AB = \frac{1}{2} \{(y+1) + (1+x)\} \times 2 = x + y + 2 $$
$x > 0, y > 0$ であるから、相加平均と相乗平均の大小関係より、
$$ S = x + y + 2 \ge 2\sqrt{xy} + 2 = 2\sqrt{1} + 2 = 4 $$
等号成立は $x = y$ かつ $xy = 1$、すなわち $x = 1, y = 1$ のときである。 このとき、四角形 ABCD は1辺の長さが2の正方形となり、面積の最小値は 4 である。
**(ii) 向かい合う2つの内角が $90^\circ$ である場合** $\angle \text{A} = \angle \text{C} = 90^\circ$ とする。 場合分け(i)と同様に、四角形 APOS および四角形 CQOR は1辺の長さが1の正方形となる。 したがって、$AP = AS = 1$, $CQ = CR = 1$ である。 点 B, D から引いた接線の長さをそれぞれ $BP = BQ = x, DR = DS = y$ とおく。点 B, D は円の外部にあるため $x > 0, y > 0$ である。 四角形 ABCD の面積を $S$ とすると、$S$ は正方形 APOS、正方形 CQOR、および4つの直角三角形に分割できるため、
$$ S = 1^2 + 1^2 + 2 \times \triangle \text{OPB} + 2 \times \triangle \text{OSD} $$
$$ S = 2 + 2 \left( \frac{1}{2} \cdot 1 \cdot x \right) + 2 \left( \frac{1}{2} \cdot 1 \cdot y \right) = x + y + 2 $$
四角形の内角の和は $360^\circ$ であり、$\angle \text{A} = \angle \text{C} = 90^\circ$ であるから、$\angle \text{B} + \angle \text{D} = 180^\circ$ である。 内接円の中心 O と頂点 B, D を結ぶ線分は、それぞれ $\angle \text{B}, \angle \text{D}$ を2等分するため、
$$ \angle \text{PBO} + \angle \text{SDO} = \frac{1}{2} \angle \text{B} + \frac{1}{2} \angle \text{D} = \frac{1}{2} (\angle \text{B} + \angle \text{D}) = 90^\circ $$
よって、$\angle \text{PBO} = 90^\circ - \angle \text{SDO}$ となる。 直角三角形 OPB において $\tan \angle \text{PBO} = \frac{OP}{BP} = \frac{1}{x}$ であり、直角三角形 OSD において $\tan \angle \text{SDO} = \frac{OS}{DS} = \frac{1}{y}$ であるから、
$$ \frac{1}{x} = \tan (90^\circ - \angle \text{SDO}) = \frac{1}{\tan \angle \text{SDO}} = y $$
ゆえに、$xy = 1$ が成り立つ。 $x > 0, y > 0$ であるから、相加平均と相乗平均の大小関係より、
$$ S = x + y + 2 \ge 2\sqrt{xy} + 2 = 2\sqrt{1} + 2 = 4 $$
等号成立は $x = y$ かつ $xy = 1$、すなわち $x = 1, y = 1$ のときである。 このとき、四角形 ABCD は1辺の長さが2の正方形となり、面積の最小値は 4 である。
**(i), (ii)** のいずれの場合も、四角形の面積の最小値は 4 となる。 なお、3つ以上の内角が $90^\circ$ である場合は、すべての内角が $90^\circ$ となり、正方形になるため上記の場合に包含される。
解説
円に外接する四角形の性質を問う問題である。円外からの接線の長さが等しいことを利用して未知数を設定し、図形を分割して面積を式化することが典型的なアプローチとなる。「少なくとも2つの内角が $90^\circ$」という条件を漏れなく網羅するため、「隣り合う場合」と「向かい合う場合」で場合分けを行う論理的思考力が求められる。最終的にどちらの場合も $xy=1$ という関係式が導かれ、相加・相乗平均の関係を用いて最小値を求めるというきれいな構造になっている。
答え
4