基礎問題集
数学1 三角比「三角比」の問題44 解説
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解説
方針・初手
円に内接する四角形の性質である「向かい合う角の和が $180^\circ$ であること」を利用する。四角形を対角線で2つの三角形に分割し、それぞれの三角形に余弦定理を適用して $\cos\theta$ を求めるのが **(1)** の目標である。
**(2)** は式を平方の差の形 $X^2 - Y^2 = (X+Y)(X-Y)$ と見て因数分解を進める。
**(3)** は四角形の面積を2つの三角形の面積の和として立式し、$\sin^2\theta = 1 - \cos^2\theta$ を用いて **(1)** と **(2)** の結果を代入していくことで、ブラーマグプタの公式を導出する。
解法1
**(1)**
対角線 $AC$ を引く。
四角形 ABCD は円に内接するため、向かい合う角の和は $180^\circ$ である。よって、$\angle CDA = 180^\circ - \theta$ となる。
$\triangle ABC$ において余弦定理を用いると、
$$ AC^2 = a^2 + b^2 - 2ab \cos\theta $$
$\triangle CDA$ において余弦定理を用いると、
$$ AC^2 = c^2 + d^2 - 2cd \cos(180^\circ - \theta) $$
$\cos(180^\circ - \theta) = -\cos\theta$ であるから、
$$ AC^2 = c^2 + d^2 + 2cd \cos\theta $$
これら2つの式から $AC^2$ を消去すると、
$$ a^2 + b^2 - 2ab \cos\theta = c^2 + d^2 + 2cd \cos\theta $$
$\cos\theta$ について整理すると、
$$ 2(ab+cd)\cos\theta = a^2 + b^2 - c^2 - d^2 $$
$a, b, c, d$ は辺の長さであり正であるため、$2(ab+cd) \neq 0$ である。よって、
$$ \cos\theta = \frac{a^2+b^2-c^2-d^2}{2(ab+cd)} $$
**(2)**
与式を平方の差の公式 $X^2 - Y^2 = (X+Y)(X-Y)$ を用いて因数分解する。
$$ 4(ab+cd)^2 - (a^2+b^2-c^2-d^2)^2 $$
$$ = \{ 2(ab+cd) + (a^2+b^2-c^2-d^2) \} \{ 2(ab+cd) - (a^2+b^2-c^2-d^2) \} $$
$$ = ( a^2+2ab+b^2 - c^2+2cd-d^2 ) ( -a^2+2ab-b^2 + c^2+2cd+d^2 ) $$
それぞれを平方の差の形に整理する。
$$ = \{ (a+b)^2 - (c-d)^2 \} \{ (c+d)^2 - (a-b)^2 \} $$
再び平方の差の公式を適用する。
$$ = \{ (a+b)+(c-d) \} \{ (a+b)-(c-d) \} \{ (c+d)+(a-b) \} \{ (c+d)-(a-b) \} $$
$$ = (a+b+c-d)(a+b-c+d)(a-b+c+d)(-a+b+c+d) $$
**(3)**
四角形 ABCD の面積 $S$ は、$\triangle ABC$ と $\triangle CDA$ の面積の和である。
$$ S = \triangle ABC + \triangle CDA $$
$$ = \frac{1}{2}ab \sin\theta + \frac{1}{2}cd \sin(180^\circ - \theta) $$
$\sin(180^\circ - \theta) = \sin\theta$ であるから、
$$ S = \frac{1}{2}ab \sin\theta + \frac{1}{2}cd \sin\theta = \frac{1}{2}(ab+cd)\sin\theta $$
両辺を2乗すると、
$$ S^2 = \frac{1}{4}(ab+cd)^2 \sin^2\theta = \frac{1}{4}(ab+cd)^2 (1-\cos^2\theta) $$
**(1)** の結果を代入すると、
$$ S^2 = \frac{1}{4}(ab+cd)^2 \left\{ 1 - \left( \frac{a^2+b^2-c^2-d^2}{2(ab+cd)} \right)^2 \right\} $$
$$ = \frac{1}{4}(ab+cd)^2 \cdot \frac{4(ab+cd)^2 - (a^2+b^2-c^2-d^2)^2}{4(ab+cd)^2} $$
$$ = \frac{4(ab+cd)^2 - (a^2+b^2-c^2-d^2)^2}{16} $$
分子は **(2)** の式そのものであるため、因数分解した結果を代入する。
$$ S^2 = \frac{(-a+b+c+d)(a-b+c+d)(a+b-c+d)(a+b+c-d)}{16} $$
$$ = \frac{-a+b+c+d}{2} \cdot \frac{a-b+c+d}{2} \cdot \frac{a+b-c+d}{2} \cdot \frac{a+b+c-d}{2} $$
ここで、$s = \frac{a+b+c+d}{2}$ であるから、$2s = a+b+c+d$ となる。これを用いると、各因数は次のように変形できる。
$$ \frac{-a+b+c+d}{2} = \frac{2s - 2a}{2} = s-a $$
$$ \frac{a-b+c+d}{2} = \frac{2s - 2b}{2} = s-b $$
$$ \frac{a+b-c+d}{2} = \frac{2s - 2c}{2} = s-c $$
$$ \frac{a+b+c-d}{2} = \frac{2s - 2d}{2} = s-d $$
したがって、
$$ S^2 = (s-a)(s-b)(s-c)(s-d) $$
四角形の面積 $S$ は正であるから、平方根をとって、
$$ S = \sqrt{(s-a)(s-b)(s-c)(s-d)} $$
となり、証明された。
解説
円に内接する四角形の面積を求める「ブラーマグプタの公式」を自ら導出する典型的な誘導問題である。
**(1)** の余弦定理の2回適用による立式と、**(3)** の面積公式の立式は、図形問題における定石である。**(2)** の因数分解は項数が多く複雑に見えるが、「平方の差」の形を繰り返し作り出すことで見通しよく処理できる。
最後に $s = \frac{a+b+c+d}{2}$ を用いて美しくまとめる流れは、一度経験しておくと他の図形問題の計算でも活かすことができる。計算量が多いので、途中で符号ミスなどをしないように丁寧に式を展開・整理することが重要である。
答え
**(1)** $$ \cos\theta = \frac{a^2+b^2-c^2-d^2}{2(ab+cd)} $$
**(2)** $$ (-a+b+c+d)(a-b+c+d)(a+b-c+d)(a+b+c-d) $$
**(3)**
解説本文の通り。