基礎問題集
数学1 三角比「三角比」の問題49 解説
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解説
方針・初手
線分 $BC$ を共有する $2$ つの三角形 $\triangle ABC$ と $\triangle ABD$ に着目し、$\angle B$ についての余弦定理をそれぞれ適用して等式を導く。その後、$BC$ と $BD$ が自然数であるという条件を利用し、得られた関係式を整数問題として処理して値を絞り込む。
解法1
$BC = a, BD = x$ とおく。点 $D$ は辺 $BC$ 上にあるため、$a > x > 0$ である。 $\triangle ABD$ において、余弦定理より
$$ \cos B = \frac{AB^2 + BD^2 - AD^2}{2 \cdot AB \cdot BD} = \frac{7^2 + x^2 - \left(\frac{7}{2}\right)^2}{2 \cdot 7 \cdot x} = \frac{x^2 + \frac{147}{4}}{14x} = \frac{4x^2 + 147}{56x} $$
また、$\triangle ABC$ において、余弦定理より
$$ \cos B = \frac{AB^2 + BC^2 - AC^2}{2 \cdot AB \cdot BC} = \frac{7^2 + a^2 - 4^2}{2 \cdot 7 \cdot a} = \frac{a^2 + 33}{14a} = \frac{4a^2 + 132}{56a} $$
これら $2$ 式は等しいので、
$$ \frac{4x^2 + 147}{56x} = \frac{4a^2 + 132}{56a} $$
両辺に $56ax$ を掛けて分母を払うと
$$ a(4x^2 + 147) = x(4a^2 + 132) $$
$$ 4ax^2 + 147a = 4a^2x + 132x $$
式を整理して
$$ 4ax(a - x) = 147a - 132x $$
ここで、$DC$ の長さを $k$ とおくと、$k = a - x$ である。 $a, x$ は自然数であり、$a > x$ であるから、$k$ も自然数である。 $a = x + k$ を上の式に代入すると
$$ 4(x + k)xk = 147(x + k) - 132x $$
$$ 4kx^2 + 4k^2x = 15x + 147k $$
この方程式を $x$ と $k$ の関係として捉え直す。式を変形して
$$ k(4kx - 147) = x(15 - 4kx) $$
$x, k$ は自然数であるから、$4kx > 0$ である。 もし $4kx \ge 15$ とすると、右辺は $x(15 - 4kx) \le 0$ となる。等式が成り立つためには左辺も $0$ 以下でなければならないため、$4kx - 147 \le 0$ すなわち $4kx \le 147$ を得る。 したがって、$15 \le 4kx \le 147$ が成り立つ。( $4kx < 15$ とすると右辺が正、左辺が負となり矛盾する) 各辺を $4$ で割ると
$$ \frac{15}{4} \le kx \le \frac{147}{4} $$
$3.75 \le kx \le 36.75$ となる。$k, x$ は自然数なので積 $kx$ も自然数であり、$kx = M$ とおくと、$M$ は $4 \le M \le 36$ を満たす自然数である。 $k = \frac{M}{x}$ を先ほどの関係式 $k(4M - 147) = x(15 - 4M)$ に代入すると
$$ \frac{M}{x}(4M - 147) = x(15 - 4M) $$
両辺に $x$ を掛けて整理すると
$$ x^2(15 - 4M) = M(4M - 147) $$
$4 \le M \le 36$ の範囲では $15 - 4M \neq 0$ であるから
$$ x^2 = \frac{M(4M - 147)}{15 - 4M} = \frac{-4M^2 + 147M}{4M - 15} $$
分子を分母で割って整数部分を分離する。
$$ -4M^2 + 147M = (-M + 33)(4M - 15) + 495 $$
であるから、
$$ x^2 = -M + 33 + \frac{495}{4M - 15} $$
$x^2$ と $-M + 33$ はともに整数であるため、$\frac{495}{4M - 15}$ も整数でなければならない。 よって、$4M - 15$ は $495$ の正の約数である。 $495 = 3^2 \times 5 \times 11$ より、正の約数は $1, 3, 5, 9, 11, 15, 33, 45, 55, 99, 165, 495$ である。 また、$M$ は整数であるから $4M - 15 \equiv 1 \pmod 4$ を満たす必要がある。 この条件を満たす約数を探すと、$1, 5, 9, 33, 45, 165$ が該当する。
**(i)** $4M - 15 = 1$ のとき $M = 4$ であり、$x^2 = -4 + 33 + 495 = 524$ となるが、これは平方数ではない。
**(ii)** $4M - 15 = 5$ のとき $M = 5$ であり、$x^2 = -5 + 33 + \frac{495}{5} = 28 + 99 = 127$ となるが、これは平方数ではない。
**(iii)** $4M - 15 = 9$ のとき $M = 6$ であり、$x^2 = -6 + 33 + \frac{495}{9} = 27 + 55 = 82$ となるが、これも平方数ではない。
**(iv)** $4M - 15 = 33$ のとき $M = 12$ であり、$x^2 = -12 + 33 + \frac{495}{33} = 21 + 15 = 36$ となる。 $x$ は自然数より $x = 6$ である。
**(v)** $4M - 15 = 45$ のとき $M = 15$ であり、$x^2 = -15 + 33 + \frac{495}{45} = 18 + 11 = 29$ となるが、平方数ではない。
**(vi)** $4M - 15 = 165$ のとき $M = 45$ となるが、$M \le 36$ の条件を満たさない。
以上より、$M = 12, x = 6$ のみが適する。 このとき $k = \frac{M}{x} = 2$ となり、$BC = a = x + k = 8$ となる。 これは $BC$ が自然数である条件を満たし、さらに辺の長さが $4, 7, 8$ となる $\triangle ABC$ は三角形の成立条件($4+7 > 8$)を満たす。点 $D$ も $0 < BD < BC$ を満たす位置に存在する。
よって、$BD = 6$ である。
解法2
$\triangle ABC$ とその辺 $BC$ 上の点 $D$ において、スチュワートの定理を用いる。 $BD = x, DC = y$ とおくと、定理より
$$ AB^2 \cdot DC + AC^2 \cdot BD = AD^2 \cdot BC + BD \cdot DC \cdot BC $$
が成り立つ。各値を代入すると
$$ 7^2 \cdot y + 4^2 \cdot x = \left(\frac{7}{2}\right)^2 \cdot (x + y) + x y (x + y) $$
$$ 49y + 16x = \frac{49}{4}(x + y) + xy(x + y) $$
両辺に $4$ を掛けて整理すると
$$ 196y + 64x = 49(x + y) + 4xy(x + y) $$
$$ 196y + 64x = 49x + 49y + 4xy(x + y) $$
$$ 15x + 147y = 4xy(x + y) $$
$y$ は線分 $DC$ の長さであるから、解法1における $k$ と全く同じ役割を持つ。問題文より $BC = x + y$ は自然数であり、$x$ も自然数であることから $y$ も自然数となる。 よって、この式は解法1で導出した $15x + 147k = 4kx(x + k)$ と同値であるため、以降は解法1と同様の手順で $x = 6$ を得る。
解説
図形問題と整数問題の融合問題である。 余弦定理を2回用いる(またはスチュワートの定理を用いる)ことで、未知の辺の長さに関する等式を立てることは典型的な初手であるが、その後の処理で差がつく。 得られた方程式 $4ax(a - x) = 147a - 132x$ をそのまま扱うのは難しいため、$a - x = k$(線分 $DC$ の長さ)と置換し、積の形に持ち込んで条件を絞り込むのが効果的である。 さらに、「分数式が整数になる条件」を利用するために、分子の次数を下げる(多項式の割り算を実行する)という整数問題の定石を用いることで、論理的に無理なく解にたどり着くことができる。
答え
$BD = 6$