基礎問題集
数学2 微分法「グラフ・増減・極値」の問題7 解説
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解説
方針・初手
与えられた式を $f(x)$ とする。$f(x)>0$ がすべての実数 $x$ で成り立つためには、まず $f(x)$ が奇数次式であってはならない。
したがって、$x^3$ の係数が $0$ であることを最初に調べる。
解法1
与えられた多項式を
$$ f(x)=(a^2-1)x^3+(-a+b+1)x^2+(ab-b-4)x+4a-3b+4 $$
とおく。
$f(x)>0$ がすべての実数 $x$ で成り立つとする。
$x^3$ の係数が $0$ でなければ、$f(x)$ は3次式である。 3次式は $x\to\infty$ と $x\to-\infty$ で符号が変わるので、すべての実数 $x$ に対して常に正となることはない。
よって、
$$ a^2-1=0 $$
すなわち
$$ a=\pm 1 $$
である。
---
**(i)**
$a=1$ のとき
$$ f(x)=bx^2-4x+(8-3b) $$
となる。
これがすべての実数 $x$ に対して正であるためには、2次式として上に凸であり、かつ実数解をもたないことが必要である。 したがって
$$ b>0,\qquad D<0 $$
である。
判別式 $D$ は
$$ \begin{aligned} D &=(-4)^2-4b(8-3b) \\ &=16-32b+12b^2 \\ &=4(3b^2-8b+4) \\ &=4(3b-2)(b-2) \end{aligned} $$
である。
よって
$$ (3b-2)(b-2)<0 $$
より
$$ \frac23<b<2 $$
を得る。$b$ は整数なので
$$ b=1 $$
のみである。
このとき
$$ f(x)=x^2-4x+5=(x-2)^2+1>0 $$
となり、確かに条件を満たす。
---
**(ii)**
$a=-1$ のとき
$$ f(x)=(b+2)x^2+(-2b-4)x-3b $$
である。これを整理すると
$$ \begin{aligned} f(x) &=(b+2)x^2-2(b+2)x-3b \\ &=(b+2)(x^2-2x)-3b \\ &=(b+2){(x-1)^2-1}-3b \\ &=(b+2)(x-1)^2-4b-2 \end{aligned} $$
となる。
これがすべての実数 $x$ で正となる条件を考える。
まず $b+2<0$ なら、$|x|$ を大きくすると $f(x)\to -\infty$ となるので不適である。 したがって
$$ b+2\ge 0 $$
である。
次に場合分けする。
**(ア)**
$b+2>0$ のとき
このとき最小値は $x=1$ でとり、
$$ f(1)=-4b-2 $$
である。したがって
$$ -4b-2>0 $$
すなわち
$$ b<-\frac12 $$
を要する。
これと $b+2>0$ を合わせると
$$ -2<b<-\frac12 $$
であり、整数 $b$ は
$$ b=-1 $$
のみである。
実際、
$$ f(x)=(x-1)^2+2>0 $$
である。
**(イ)**
$b+2=0$、すなわち $b=-2$ のとき
$$ f(x)=6>0 $$
となり、これも条件を満たす。
---
以上より、求める整数の組は
$$ (a,b)=(1,1),\ (-1,-1),\ (-1,-2) $$
である。
解説
この問題の核心は、「すべての実数 $x$ に対して常に正」である多項式の形を見抜くことである。
3次式が全実数で常に正になることはないので、最初に $x^3$ の係数を $0$ に落とすのが決定的な一手である。その後は2次式の正値条件に帰着する。
$a=1$ の場合は判別式で処理するのが自然であり、$a=-1$ の場合は平方完成すると最小値がただちに読めるので処理が速い。
答え
$$ (a,b)=(1,1),\ (-1,-1),\ (-1,-2) $$