基礎問題集
数学2 微分法「最大最小・解の個数」の問題18 解説
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解説
方針・初手
半径 $1$ の円に内接する三角形なので,この円は $\triangle ABC$ の外接円である。したがって,正弦定理の拡張形
$$ a=2R\sin A $$
を用いるのが最も自然である。ここで外接円の半径は $R=1$ であるから,各辺は対応する角の正弦でただちに表せる。
また,$AB=AC$ より底角 $\angle ABC,\angle ACB$ は等しいので,まずそれを $\theta$ で表す。
解法1
$AB=AC$ より,
$$ \angle ABC=\angle ACB=\frac{\pi-\theta}{2} $$
である。
(1) $AB,\ BC$ を $\theta$ で表す
正弦定理の拡張形 $a=2R\sin A$ を用いる。ここで $R=1$ であるから,
- 辺 $BC$ は角 $\angle BAC=\theta$ の対辺であるので,
$$ BC=2\sin\theta $$
- 辺 $AB$ は角 $\angle ACB=\dfrac{\pi-\theta}{2}$ の対辺であるので,
$$ AB=2\sin\frac{\pi-\theta}{2}=2\cos\frac{\theta}{2} $$
したがって,
$$ AB=2\cos\frac{\theta}{2},\qquad BC=2\sin\theta $$
である。
(2) $\cos\theta=t$ のとき,面積を $t$ で表す
$\triangle ABC$ の面積を $S$ とすると,
$$ S=\frac12\cdot AB\cdot AC\cdot \sin\theta $$
である。ここで $AB=AC=2\cos\dfrac{\theta}{2}$ であるから,
$$ \begin{aligned} S &=\frac12\cdot \left(2\cos\frac{\theta}{2}\right)^2\sin\theta \\ &=2\cos^2\frac{\theta}{2}\sin\theta \end{aligned} $$
半角公式
$$ \cos^2\frac{\theta}{2}=\frac{1+\cos\theta}{2} $$
を用いると,
$$ S=(1+\cos\theta)\sin\theta $$
となる。ここで $\cos\theta=t$ とおくと,$0<\theta<\pi$ なので $\sin\theta>0$ より
$$ \sin\theta=\sqrt{1-t^2} $$
である。よって,
$$ S=(1+t)\sqrt{1-t^2} $$
となる。
(3) 面積を最大にする $\theta$ とその最大値
(2) より,面積 $S$ は
$$ S=(1+t)\sqrt{1-t^2}\qquad (-1<t<1) $$
である。
$S>0$ であるから,$S$ を最大にする代わりに $S^2$ を最大にしてよい。そこで
$$ S^2=(1+t)^2(1-t^2)=(1+t)^3(1-t) $$
とおく。これを $f(t)$ とすると,
$$ f(t)=(1+t)^3(1-t) $$
であり,
$$ \begin{aligned} f'(t) &=3(1+t)^2(1-t)-(1+t)^3 \\ &=(1+t)^2{3(1-t)-(1+t)} \\ &=2(1+t)^2(1-2t) \end{aligned} $$
したがって,
$$ f'(t)=0 \iff t=\frac12 $$
である。
また,$-1<t<1$ において $(1+t)^2>0$ だから,$f'(t)$ の符号は $1-2t$ の符号で決まり,
- $t<\dfrac12$ で $f'(t)>0$
- $t>\dfrac12$ で $f'(t)<0$
となる。よって $t=\dfrac12$ のとき最大である。
すなわち,
$$ \cos\theta=\frac12 $$
より,
$$ \theta=\frac{\pi}{3} $$
である。
このとき面積は
$$ S=\left(1+\frac12\right)\sqrt{1-\frac14} =\frac32\cdot \frac{\sqrt3}{2} =\frac{3\sqrt3}{4} $$
となる。
解説
この問題の要点は,「半径 $1$ の円に内接する」という条件を見たら,その円を外接円とみなし,正弦定理の拡張形 $a=2R\sin A$ をすぐ使うことである。これにより辺の長さが角で直接表せる。
また,面積最大の問題では,平方根を含む式をそのまま微分するより,面積の二乗を考えると計算が整理しやすい。$\theta$ で直接微分してもよいが,(2) で得た $t=\cos\theta$ による式を活用するのが自然である。
答え
**(1)**
$$ AB=2\cos\frac{\theta}{2},\qquad BC=2\sin\theta $$
**(2)**
面積 $S$ は
$$ S=(1+t)\sqrt{1-t^2} $$
**(3)**
面積が最大となるのは
$$ \theta=\frac{\pi}{3} $$
その最大値は
$$ \frac{3\sqrt3}{4} $$