基礎問題集
数学2 微分法「最大最小・解の個数」の問題30 解説
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解説
方針・初手
$f(x)=\dfrac13 x^3-b^2x+b$ とおく。
3次関数が異なる3つの実数解をもつためには、グラフが $x$ 軸を3回横切る必要がある。したがって、極大値が正、極小値が負となることを調べればよい。
解法1
まず微分すると
$$ f'(x)=x^2-b^2 $$
である。
$b=0$ のときは
$$ f(x)=\frac13x^3 $$
となり、実数解は $x=0$ ただ1つである。よって、異なる3つの実数解をもつためには $b\neq0$ でなければならない。
ここで $a=|b| \ (>0)$ とおくと、
$$ f'(x)=x^2-a^2=(x-a)(x+a) $$
より、$f(x)$ は
- $x=-a$ で極大
- $x=a$ で極小
をとる。
したがって、異なる3つの実数解をもつための必要十分条件は
$$ f(-a)>0,\quad f(a)<0 $$
である。
それぞれ計算すると
$$ f(-a)=\frac13(-a)^3-b^2(-a)+b =-\frac13a^3+a^3+b =\frac23a^3+b $$
$$ f(a)=\frac13a^3-b^2a+b =\frac13a^3-a^3+b =-\frac23a^3+b $$
となる。
ここで $a=|b|$ なので、$b$ の符号で場合分けする。
**(i)**
$b>0$ のとき
このとき $a=b$ であるから
$$ f(-a)=\frac23b^3+b=b\left(1+\frac23b^2\right)>0 $$
は自動的に成り立つ。
一方、
$$ f(a)=-\frac23b^3+b =b\left(1-\frac23b^2\right)<0 $$
より、$b>0$ であることを用いて
$$ 1-\frac23b^2<0 $$
すなわち
$$ b^2>\frac32 $$
を得る。したがって
$$ b>\sqrt{\frac32} $$
である。
**(ii)**
$b<0$ のとき
このとき $a=-b$ であるから
$$ f(a)=-\frac23a^3+b =-\frac23a^3-a<0 $$
は自動的に成り立つ。
一方、
$$ f(-a)=\frac23a^3+b =\frac23a^3-a =a\left(\frac23a^2-1\right)>0 $$
より
$$ \frac23a^2-1>0 $$
すなわち
$$ a^2>\frac32 $$
を得る。$a=|b|$ なので
$$ |b|>\sqrt{\frac32} $$
であり、$b<0$ と合わせると
$$ b<-\sqrt{\frac32} $$
となる。
以上より、求める範囲は
$$ b<-\sqrt{\frac32}\quad \text{または}\quad b>\sqrt{\frac32} $$
である。
解法2
方程式を3倍して
$$ x^3-3b^2x+3b=0 $$
とする。
これは $x^3+px+q=0$ の形で、$p=-3b^2,\ q=3b$ である。
この形の3次方程式が異なる3つの実数解をもつための条件は、判別式
$$ -4p^3-27q^2>0 $$
である。
したがって
$$ -4(-3b^2)^3-27(3b)^2>0 $$
$$ 108b^6-243b^2>0 $$
$$ 27b^2(4b^4-9)>0 $$
となる。
異なる3つの実数解をもつには $b\neq0$ であるから、両辺を $27b^2$ で割って
$$ 4b^4-9>0 $$
$$ b^4>\frac94 $$
$$ b^2>\frac32 $$
よって
$$ b<-\sqrt{\frac32}\quad \text{または}\quad b>\sqrt{\frac32} $$
である。
解説
この問題の本質は、3次関数が異なる3つの実数解をもつ条件を「極大値が正、極小値が負」と言い換えることである。
微分すると極値の位置は $x=\pm|b|$ に決まり、あとはそのときの関数値の符号を見るだけでよい。判別式を知っていれば一気に処理できるが、微分を用いる方法のほうが状況が見えやすい。
答え
$$ b<-\sqrt{\frac32}\quad \text{または}\quad b>\sqrt{\frac32} $$