基礎問題集
数学2 微分法「最大最小・解の個数」の問題52 解説
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解説
方針・初手
$BP=t$ とおいて点 $P$ を座標で表すと計算が整理しやすい。 正方形を
$$ A(0,0),\ B(1,0),\ C(1,1),\ D(0,1) $$
と置けば、$P$ は辺 $BC$ 上にあるから
$$ P(1,t)\qquad (0<t\leqq 1) $$
と表せる。
このとき、$\angle BAP$ を $\theta$ とすると
$$ \tan \theta=t $$
である。 あとは、線分 $AP$ の垂直二等分線の方程式を求め、$AB,\ AD$ との交点 $Q,\ R$ を出して $QR$ を計算する。
解法1
$\theta=\angle BAP$ とする。
線分 $AP$ の中点は
$$ \left(\frac12,\frac t2\right) $$
であり、直線 $AP$ の傾きは $t$ であるから、その垂直二等分線の傾きは $-\dfrac1t$ である。 よって、垂直二等分線の方程式は
$$ y-\frac t2=-\frac1t\left(x-\frac12\right) $$
である。
$Q,\ R$ の座標
$Q$ は辺 $AB$ 上の点であり、$AB$ は $y=0$ であるから、
$$ -\frac t2=-\frac1t\left(x-\frac12\right) $$
より
$$ x=\frac{1+t^2}{2} $$
となる。したがって
$$ Q\left(\frac{1+t^2}{2},,0\right) $$
である。
また、$R$ は辺 $AD$ またはその延長上の点であり、$AD$ は $x=0$ であるから、
$$ y-\frac t2=\frac1{2t} $$
より
$$ y=\frac t2+\frac1{2t}=\frac{1+t^2}{2t} $$
となる。よって
$$ R\left(0,,\frac{1+t^2}{2t}\right) $$
である。
$QR$ の長さ
したがって、
$$ QR^2=\left(\frac{1+t^2}{2}\right)^2+\left(\frac{1+t^2}{2t}\right)^2 $$
であるから、
$$ \begin{aligned} QR^2 &=\frac{(1+t^2)^2}{4}\left(1+\frac1{t^2}\right) \\ &=\frac{(1+t^2)^2}{4}\cdot\frac{1+t^2}{t^2} \\ &=\frac{(1+t^2)^3}{4t^2}. \end{aligned} $$
よって
$$ QR=\frac{(1+t^2)^{3/2}}{2t}. $$
ここで $\theta=\angle BAP$ とすると $t=\tan\theta$ なので、
$$ 1+t^2=1+\tan^2\theta=\sec^2\theta $$
より
$$ QR=\frac{\sec^3\theta}{2\tan\theta}. $$
さらに $s=\sin\theta$ とおくと、$\cos^2\theta=1-s^2$ であるから
$$ QR=\frac{1}{2\sin\theta\cos^2\theta} =\frac{1}{2s(1-s^2)}. $$
したがって、
$$ QR=\frac{1}{2\sin\angle BAP\left(1-\sin^2\angle BAP\right)}. $$
最小値
辺 $BC$ 上を $P$ が動くとき、
$$ 0<\theta\leqq \frac{\pi}{4} $$
であるから、
$$ 0<\sin\theta\leqq \frac1{\sqrt2} $$
である。
そこで
$$ x=\sin\theta \qquad \left(0<x\leqq \frac1{\sqrt2}\right) $$
とおくと、
$$ QR=\frac{1}{2x(1-x^2)} $$
である。よって $QR$ を最小にするには
$$ f(x)=x(1-x^2)=x-x^3 $$
を最大にすればよい。
微分すると
$$ f'(x)=1-3x^2 $$
であるから、
$$ f'(x)=0 \iff x=\frac1{\sqrt3} $$
である。これは区間 $0<x\leqq \dfrac1{\sqrt2}$ に含まれる。 また、
$$ f''(x)=-6x<0 $$
であるから、$x=\dfrac1{\sqrt3}$ で最大となる。
したがって
$$ f\left(\frac1{\sqrt3}\right) =\frac1{\sqrt3}\left(1-\frac13\right) =\frac{2}{3\sqrt3}. $$
ゆえに
$$ QR_{\min} =\frac{1}{2\cdot \dfrac{2}{3\sqrt3}} =\frac{3\sqrt3}{4}. $$
解説
この問題の本質は、点 $P$ を直接追いかけるのではなく、垂直二等分線の位置を座標で固定して処理する点にある。
$\angle BAP$ を使えとあるので、最終的には $\tan\theta=BP$ を経由して $\sin\theta$ に直す流れが自然である。 また、最小値の問題では、得られた式をそのまま微分するよりも、逆数の分母
$$ x(1-x^2) $$
を最大にする、と見た方が計算が簡潔である。
答え
$$ \textbf{(1)}\quad QR=\frac{1}{2\sin\angle BAP\left(1-\sin^2\angle BAP\right)}. $$
$$ \textbf{(2)}\quad QR の最小値は \frac{3\sqrt3}{4}. $$