基礎問題集
数学2 微分法「最大最小・解の個数」の問題57 解説
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解説
方針・初手
球の中心を $O$ とし,底面 $B_1B_2B_3B_4$ を含む平面と $O$ との距離を変数で置く。
底面の4点は同一平面上かつ球面上にあるので,底面の正方形はその平面と球の交わりでできる円に内接する。このことから,底面積はその平面の位置だけで決まる。
また,体積は
$$ \frac13\times \text{底面積}\times \text{高さ} $$
であり,高さも底面平面の位置によって評価できる。したがって,体積を1変数関数にして最大値を求めればよい。
解法1
球の中心を $O$,底面 $B_1B_2B_3B_4$ を含む平面を $\Pi$ とする。 $O$ から $\Pi$ までの距離を $t$ とおく。ただし対称性より
$$ 0\le t\le 1 $$
としてよい。
底面積を求める
平面 $\Pi$ と半径1の球との交わりは半径
$$ \sqrt{1-t^2} $$
の円である。
正方形 $B_1B_2B_3B_4$ はこの円に内接するから,その対角線はこの円の直径に等しい。したがって,正方形の1辺の長さを $s$ とすると
$$ s\sqrt{2}=2\sqrt{1-t^2} $$
より
$$ s=\sqrt{2}\sqrt{1-t^2}. $$
よって底面積 $S$ は
$$ S=s^2=2(1-t^2) $$
である。
高さを求める
四角錐の高さは,点 $A$ から平面 $\Pi$ までの距離である。
球面上の点のうち,平面 $\Pi$ から最も遠い点は,$O$ を通って $\Pi$ に垂直な直線と球面との交点のうち,$\Pi$ と反対側にある点である。このとき距離は
$$ 1+t $$
となる。
したがって,四角錐の高さを $h$ とすると
$$ h\le 1+t $$
であり,等号は $A$ がその最遠点にあるときに成り立つ。
体積を最大化する
四角錐の体積 $V$ は
$$ V\le \frac13\cdot 2(1-t^2)\cdot (1+t) $$
すなわち
$$ V\le \frac23(1-t^2)(1+t). $$
ここで
$$ f(t)=(1-t^2)(1+t)=(1-t)(1+t)^2 $$
とおくと,
$$ f(t)=1+t-t^2-t^3 $$
なので
$$ f'(t)=1-2t-3t^2. $$
これより
$$ f'(t)=0 \iff 3t^2+2t-1=0 \iff t=\frac13 \ \text{または}\ -1. $$
ただし $0\le t\le 1$ であるから,
$$ t=\frac13 $$
のとき極値をとる。端点も調べると
$$ f(0)=1,\quad f(1)=0,\quad f\left(\frac13\right)=\left(1-\frac19\right)\left(1+\frac13\right)=\frac89\cdot\frac43=\frac{32}{27}. $$
したがって最大体積は
$$ V_{\max}=\frac23\cdot \frac{32}{27}=\frac{64}{81}. $$
この値は,底面平面が中心から距離 $\frac13$ にあり,$A$ がその平面から最も遠い球面上の点にあるときに実現する。
解説
この問題の本質は,底面の正方形を直接動かして考えるのではなく,「底面平面の位置」を1つの変数で表すことである。
底面の4点が球面上にある以上,底面の正方形は必ず球の平面切断円に内接する。したがって底面積は切断円の半径からすぐに決まる。また高さは,その平面から球面上の点までの最大距離として求められる。
つまり,空間図形の問題であっても,最終的には1変数関数の最大値問題に帰着する。この見通しを立てられるかどうかが重要である。
答え
四角錐 $AB_1B_2B_3B_4$ の体積の最大値は
$$ \frac{64}{81} $$
である。