基礎問題集
数学2 微分法「最大最小・解の個数」の問題64 解説
数学2の微分法「最大最小・解の個数」にある問題64の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
$\cos^2 x=1-\sin^2 x$ を用いて、$\sin x$ についての2次方程式に直すのが基本方針である。
$\sin x=t$ とおけば $-1\le t\le 1$ であり、まずこの範囲に入る $t$ の個数を調べ、そのあと各 $t$ に対して $x$ が何個対応するかを数えればよい。
解法1
与式
$$ \cos^2 x+2a\sin x-a-1=0 $$
に $\cos^2 x=1-\sin^2 x$ を代入すると、
$$ 1-\sin^2 x+2a\sin x-a-1=0 $$
すなわち
$$ \sin^2 x-2a\sin x+a=0 $$
を得る。
ここで
$$ t=\sin x \quad (-1\le t\le 1) $$
とおくと、
$$ t^2-2at+a=0 $$
となる。
したがって、$-1\le t\le 1$ を満たす解 $t$ の個数を調べればよい。
また、$\sin x=t$ の解の個数は
- $-1<t<1$ なら $2$ 個
- $t=1,,-1$ なら $1$ 個
である。
(i) $0<a<1$ のとき
$t$ についての2次方程式の判別式は
$$ D=(-2a)^2-4\cdot 1\cdot a=4a(a-1) $$
である。
$0<a<1$ では $a(a-1)<0$ だから $D<0$ となり、$t$ に実数解をもたない。
よって、$x$ の実数解も存在しない。
(ii) $a=0$ のとき
$$ t^2=0 $$
より
$$ t=0 $$
である。
したがって
$$ \sin x=0 $$
より
$$ x=0,\ \pi $$
となるので、解は $2$ 個である。
(iii) $a=1$ のとき
$$ t^2-2t+1=0 $$
より
$$ (t-1)^2=0 $$
だから
$$ t=1 $$
である。
したがって
$$ \sin x=1 $$
より
$$ x=\frac{\pi}{2} $$
のみであり、解は $1$ 個である。
(iv) $a>1$ のとき
このとき $D>0$ なので、$t$ は2つの異なる実数解をもつ。
その積は
$$ t_1t_2=a>1 $$
である。もし両方とも $1$ 以下なら $t_1t_2\le 1$ となって矛盾するから、少なくとも一方は $1$ より大きい。
また、解の公式より小さい方の解は
$$ t_1=a-\sqrt{a(a-1)} $$
であり、$a>1$ では $\sqrt{a(a-1)}<a$ だから $t_1>0$ である。
したがって $t_1$ は $0<t_1<1$ を満たし、もう一方は $1$ より大きいので不適である。
よって、条件 $-1\le t\le 1$ を満たす $t$ はちょうど1個であり、それは $0<t<1$ にある。したがって対応する $x$ は $2$ 個である。
(v) $a<0$ のとき
このときも $D>0$ なので、$t$ は2つの異なる実数解をもつ。
その積は
$$ t_1t_2=a<0 $$
であるから、1つは正、1つは負である。
まず正の解を
$$ t_+=a+\sqrt{a(a-1)} $$
とする。$a<0$ では $\sqrt{a(a-1)}>-a$ だから $t_+>0$ である。
さらに
$$ t_+<\frac12 $$
を示す。これは
$$ a+\sqrt{a(a-1)}<\frac12 $$
すなわち
$$ \sqrt{a(a-1)}<\frac12-a $$
と同値であるが、右辺は正であり、両辺を2乗すると
$$ a(a-1)<\left(\frac12-a\right)^2 $$
となる。右辺を展開すると
$$ a^2-a<a^2-a+\frac14 $$
であり、これは明らかに成り立つ。よって
$$ 0<t_+<\frac12 $$
であり、$t_+$ は常に適する。
次に負の解を
$$ t_-=a-\sqrt{a(a-1)} $$
とする。この解が $-1$ 以上である条件を調べる。
$$ t_-\ge -1 $$
は
$$ a-\sqrt{a(a-1)}\ge -1 $$
すなわち
$$ a+1\ge \sqrt{a(a-1)} $$
と同値である。これが成り立つためにはまず $a+1\ge 0$ が必要であり、そのもとで両辺を2乗すると
$$ (a+1)^2\ge a(a-1) $$
$$ a^2+2a+1\ge a^2-a $$
$$ 1+3a\ge 0 $$
すなわち
$$ a\ge -\frac13 $$
を得る。
したがって、
- $a<-\dfrac13$ では $t_-<-1$ となり、適する $t$ は $t_+$ のみ
- $a=-\dfrac13$ では $t_-=-1$ となる
- $-\dfrac13<a<0$ では $-1<t_-<0$ となる
よって $x$ の個数は、
- $a<-\dfrac13$ のとき、$0<t_+<1$ に対応する $2$ 個
- $a=-\dfrac13$ のとき、$t=-1$ から $1$ 個、$0<t_+<1$ から $2$ 個、合計 $3$ 個
- $-\dfrac13<a<0$ のとき、$-1<t_-<0,\ 0<t_+<1$ の2つに対しそれぞれ $2$ 個ずつで、合計 $4$ 個
となる。
解説
この問題の本質は、三角方程式をそのまま扱うことではなく、$\sin x$ を1つの文字 $t$ とみなして $-1\le t\le 1$ の範囲で2次方程式を調べることである。
そのうえで、$t$ の個数と $x$ の個数は一致しない点に注意が必要である。特に、
- $-1<t<1$ なら通常は $x$ が $2$ 個
- $t=\pm 1$ なら $x$ は $1$ 個
となるため、最後は必ず $\sin x=t$ の解の個数に戻して数えなければならない。
また、$a=-\dfrac13$ で負の解がちょうど $t=-1$ になることが、個数が $4$ 個から $3$ 個へ変わる境目になっている。
答え
$0\le x<2\pi$ における異なる実数解の個数は、
$$ \begin{cases} 2 & \left(a<-\dfrac13\right),\\[4pt] 3 & \left(a=-\dfrac13\right),\\[4pt] 4 & \left(-\dfrac13<a<0\right),\\[4pt] 2 & \left(a=0\right),\\[4pt] 0 & \left(0<a<1\right),\\[4pt] 1 & \left(a=1\right),\\[4pt] 2 & \left(a>1\right). \end{cases} $$