基礎問題集
数学2 微分法「最大最小・解の個数」の問題69 解説
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解説
方針・初手
$f(x)=x^3-3ax$ は奇関数であるから,$[-1,1]$ における $|f(x)|$ の最大値は $[0,1]$ で調べれば十分である。
したがって,まず $[0,1]$ における $f(x)$ の増減を $f'(x)$ で調べ,そのうえで端点値と極値を比較して $M$ を $a$ の式で表す。
解法1
$f(x)=x^3-3ax$ とおくと,
$$ f'(x)=3x^2-3a=3(x^2-a) $$
である。
$f$ は奇関数なので,
$$ M=\max_{-1\le x\le 1}|f(x)|=\max_{0\le x\le 1}|f(x)| $$
である。
(i) $a<0$ のとき
このとき $x^2-a>0$ であるから,$0\le x\le 1$ で常に $f'(x)>0$ である。よって $f$ は $[0,1]$ で単調増加であり,
$$ f(0)=0,\qquad f(1)=1-3a>0 $$
より,
$$ M=f(1)=1-3a\ge 1 $$
である。
(ii) $0\le a\le 1$ のとき
このとき $x=\sqrt a$ が $[0,1]$ に入り,
$$ f'(x)<0\quad (0\le x<\sqrt a),\qquad f'(x)>0\quad (\sqrt a<x\le 1) $$
となる。したがって $x=\sqrt a$ で極小値をとる。
その値は
$$ f(\sqrt a)=a\sqrt a-3a\sqrt a=-2a^{3/2} $$
であり,端点では
$$ f(0)=0,\qquad f(1)=1-3a $$
であるから,
$$ M=\max{|1-3a|,\ 2a^{3/2}} $$
となる。
ここでさらに場合分けする。
(ii-1) $0\le a\le \dfrac13$ のとき
このとき $1-3a\ge 0$ なので,
$$ M=\max{1-3a,\ 2a^{3/2}} $$
である。$1-3a$ は減少し,$2a^{3/2}$ は増加するから,$M$ が最小になるのは両者が一致するときである。
$$ 1-3a=2a^{3/2} $$
とおく。$t=\sqrt a\ (\ge 0)$ とすると,
$$ 1-3t^2=2t^3 $$
すなわち
$$ 2t^3+3t^2-1=0 $$
である。これを因数分解すると,
$$ 2t^3+3t^2-1=(t+1)^2(2t-1) $$
となるから,$t\ge 0$ より
$$ t=\frac12 $$
したがって
$$ a=\frac14 $$
である。このとき
$$ M=1-3\cdot \frac14=\frac14 $$
となる。
(ii-2) $\dfrac13\le a\le 1$ のとき
このとき $|1-3a|=3a-1$ なので,
$$ M=\max{3a-1,\ 2a^{3/2}} $$
である。ここで $3a-1$ も $2a^{3/2}$ もともに増加関数であるから,$M$ はこの区間では $a=\dfrac13$ のとき最小である。
その値は
$$ M=2\left(\frac13\right)^{3/2}=\frac{2}{3\sqrt3} $$
であるが,
$$ \frac{2}{3\sqrt3}>\frac14 $$
である。
(iii) $a>1$ のとき
このとき $x^2-a<0$ であるから,$0\le x\le 1$ で常に $f'(x)<0$ である。よって $f$ は $[0,1]$ で単調減少であり,
$$ f(0)=0,\qquad f(1)=1-3a<0 $$
より,
$$ M=|f(1)|=3a-1\ge 2 $$
である。
以上より,全体で最小となるのは
$$ a=\frac14,\qquad M=\frac14 $$
のときである。
解法2
最小値だけを素早く見抜く方法もある。
任意の $a$ に対して,
$$ M\ge |f(1)|=|1-3a| $$
であり,また
$$ M\ge \left|f\left(\frac12\right)\right| =\left|\frac18-\frac{3a}{2}\right| $$
でもある。
したがって,
$$ 3M\ge |1-3a|+2\left|\frac18-\frac{3a}{2}\right| $$
であり,三角不等式より
$$ |1-3a|+2\left|\frac18-\frac{3a}{2}\right| \ge \left|(1-3a)-2\left(\frac18-\frac{3a}{2}\right)\right| =\frac34 $$
となるから,
$$ M\ge \frac14 $$
を得る。
あとはこの下限が実際に達成される $a$ を見つければよい。$a=\dfrac14$ とすると,
$$ f(x)=x^3-\frac34x $$
であり,
$$ f\left(\frac12\right)=\frac18-\frac38=-\frac14,\qquad f(1)=1-\frac34=\frac14 $$
となる。さらに
$$ f'(x)=3x^2-\frac34 $$
より,$[0,1]$ では $x=\dfrac12$ で極小,$x=1$ で最大となるので,$[0,1]$ における $f(x)$ の値は $-\dfrac14$ 以上 $\dfrac14$ 以下である。したがって
$$ M=\frac14 $$
となる。
よってやはり
$$ a=\frac14 $$
のときに最小値 $\dfrac14$ をとる。
解説
この問題は,$|f(x)|$ の最大値を最小にするという極値問題であり,実質的には「$x^3$ を一次式 $3ax$ でどこまで一様に近似できるか」を見ている。
解法1は微分による標準的な処理であり,どの点で $|f(x)|$ の最大が現れるかを丁寧に追う方法である。確実であり,入試では最も書きやすい。
解法2は,$x=1$ と $x=\dfrac12$ という2点を見るだけで $M\ge \dfrac14$ を導く方法である。最適化問題では,適切な点での値を比較して下限を作る発想が有効である。
答え
$M$ の最小値は
$$ \frac14 $$
であり,そのときの $a$ の値は
$$ a=\frac14 $$
である。