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数学2 複素数と方程式「カルダノの公式」の問題3 解説

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数学2複素数と方程式カルダノの公式問題3
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数学2 複素数と方程式 カルダノの公式 問題3の問題画像
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解説

方針・初手

まず、$\omega$ は $x^3-1=0$ の $1$ でない解であるから、

$$ \omega^3=1,\qquad \omega\ne 1 $$

を満たす。したがって

$$ x^3-1=(x-1)(x^2+x+1) $$

より、$\omega$ は $x^2+x+1=0$ の解でもある。これから

$$ 1+\omega+\omega^2=0 $$

が使える。

(2) では右辺を3つの1次式の積と見て、係数を対称式で調べるのが自然である。

(3) では (2) の形に $x^3-6x+6$ を合わせるように $a,b$ を選べばよい。

解法1

**(1)**

$\omega$ は $x^2+x+1=0$ の解であるから、

$$ \omega^2+\omega+1=0 $$

よって、

$$ \omega^2+\omega=-1 $$

である。

**(2)**

右辺の3つの定数項を

$$ p_1=a+b,\qquad p_2=a\omega+b\omega^2,\qquad p_3=a\omega^2+b\omega $$

とおくと、右辺は

$$ (x+p_1)(x+p_2)(x+p_3) $$

である。したがって、これを展開すると

$$ (x+p_1)(x+p_2)(x+p_3) = x^3+(p_1+p_2+p_3)x^2+(p_1p_2+p_2p_3+p_3p_1)x+p_1p_2p_3 $$

となる。

まず、$1+\omega+\omega^2=0$ より

$$ \begin{aligned} p_1+p_2+p_3 &=(a+b)+(a\omega+b\omega^2)+(a\omega^2+b\omega) \\ &=a(1+\omega+\omega^2)+b(1+\omega+\omega^2)=0 \end{aligned} $$

である。

次に、$p_1+p_2+p_3=0$ を用いると

$$ p_1p_2+p_2p_3+p_3p_1 =\frac{(p_1+p_2+p_3)^2-(p_1^2+p_2^2+p_3^2)}{2} =-\frac{p_1^2+p_2^2+p_3^2}{2} $$

であるから、$p_1^2+p_2^2+p_3^2$ を求める。

$$ \begin{aligned} p_1^2&=(a+b)^2=a^2+2ab+b^2,\\ p_2^2&=(a\omega+b\omega^2)^2=a^2\omega^2+2ab\omega^3+b^2\omega^4 =a^2\omega^2+2ab+b^2\omega,\\ p_3^2&=(a\omega^2+b\omega)^2=a^2\omega^4+2ab\omega^3+b^2\omega^2 =a^2\omega+2ab+b^2\omega^2. \end{aligned} $$

これらを加えると、

$$ \begin{aligned} p_1^2+p_2^2+p_3^2 &=a^2(1+\omega+\omega^2)+b^2(1+\omega+\omega^2)+6ab \\ &=6ab \end{aligned} $$

よって

$$ p_1p_2+p_2p_3+p_3p_1=-3ab $$

である。

最後に定数項 $p_1p_2p_3$ を求める。恒等式

$$ u^3+v^3+w^3-3uvw=(u+v+w)(u^2+v^2+w^2-uv-vw-wu) $$

に $u=p_1,\ v=p_2,\ w=p_3$ を代入すると、$p_1+p_2+p_3=0$ より

$$ p_1^3+p_2^3+p_3^3=3p_1p_2p_3 $$

となる。

そこで $p_1^3+p_2^3+p_3^3$ を計算する。

$$ \begin{aligned} p_1^3&=(a+b)^3=a^3+3a^2b+3ab^2+b^3,\\ p_2^3&=(a\omega+b\omega^2)^3=a^3\omega^3+3a^2b\omega^4+3ab^2\omega^5+b^3\omega^6 \\ &=a^3+3a^2b\omega+3ab^2\omega^2+b^3,\\ p_3^3&=(a\omega^2+b\omega)^3=a^3\omega^6+3a^2b\omega^5+3ab^2\omega^4+b^3\omega^3 \\ &=a^3+3a^2b\omega^2+3ab^2\omega+b^3. \end{aligned} $$

したがって、

$$ \begin{aligned} p_1^3+p_2^3+p_3^3 &=3a^3+3b^3+3a^2b(1+\omega+\omega^2)+3ab^2(1+\omega+\omega^2) \\ &=3(a^3+b^3) \end{aligned} $$

となるので、

$$ p_1p_2p_3=a^3+b^3 $$

である。

以上より、

$$ \begin{aligned} (x+a+b)(x+a\omega+b\omega^2)(x+a\omega^2+b\omega) &=x^3+0\cdot x^2-3abx+(a^3+b^3) \\ &=x^3-3abx+a^3+b^3 \end{aligned} $$

となり、示すべき等式が成り立つ。

**(3)**

(2) の形

$$ x^3-3abx+a^3+b^3 $$

を $x^3-6x+6$ に一致させたい。そこで

$$ a=\sqrt[3]{2},\qquad b=\sqrt[3]{4} $$

とおくと、

$$ ab=\sqrt[3]{8}=2,\qquad a^3+b^3=2+4=6 $$

であるから、

$$ 3ab=6 $$

となる。したがって (2) より

$$ x^3-6x+6 =(x+\sqrt[3]{2}+\sqrt[3]{4}) (x+\sqrt[3]{2}\omega+\sqrt[3]{4}\omega^2) (x+\sqrt[3]{2}\omega^2+\sqrt[3]{4}\omega) $$

と因数分解できる。

よって、方程式 $x^3-6x+6=0$ の解は

$$ x=-(\sqrt[3]{2}+\sqrt[3]{4}),\quad x=-(\sqrt[3]{2}\omega+\sqrt[3]{4}\omega^2),\quad x=-(\sqrt[3]{2}\omega^2+\sqrt[3]{4}\omega) $$

である。

解説

この問題の要点は、$\omega$ について

$$ \omega^3=1,\qquad 1+\omega+\omega^2=0 $$

を確実に使えるようにすることである。

(2) は右辺を無理に全部展開するのではなく、3つの1次式の積と見て、和・2つずつの積の和・積を調べると整理しやすい。これは3次式の係数比較の典型手法である。

(3) は (2) をそのまま使うために、$3ab=6,\ a^3+b^3=6$ となる $a,b$ を選ぶのが核心である。$a=\sqrt[3]{2},\ b=\sqrt[3]{4}$ とすれば一度で合う。

答え

**(1)**

$$ \omega^2+\omega=-1 $$

**(2)**

$$ x^3-3abx+a^3+b^3=(x+a+b)(x+a\omega+b\omega^2)(x+a\omega^2+b\omega) $$

**(3)**

$$ x=-(\sqrt[3]{2}+\sqrt[3]{4}),\quad x=-(\sqrt[3]{2}\omega+\sqrt[3]{4}\omega^2),\quad x=-(\sqrt[3]{2}\omega^2+\sqrt[3]{4}\omega) $$

である。

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