基礎問題集
数学2 複素数と方程式「因数定理・剰余の定理」の問題3 解説
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解説
方針・初手
割る式 $x^2+ax+1$ の定数項が $1$ であることから、その2つの根を $\alpha,\beta$ とすると $\alpha\beta=1$ である。したがって $\beta=\alpha^{-1}$ とおける。この関係を用いて、$x^4+x^3+b$ の根の条件を調べる。
解法1
$x^2+ax+1$ が $x^4+x^3+b$ を割り切るとする。
$x^2+ax+1=0$ の根を $\alpha,\beta$ とすると、
$$ \alpha\beta=1 $$
であり、$\alpha,\beta$ はともに $x^4+x^3+b=0$ の根でもある。
よって $\beta=\alpha^{-1}$ として、
$$ \alpha^4+\alpha^3+b=0,\qquad \alpha^{-4}+\alpha^{-3}+b=0 $$
を得る。
この2式を引くと、
$$ \alpha^4+\alpha^3-\alpha^{-4}-\alpha^{-3}=0 $$
両辺に $\alpha^4$ を掛けて、
$$ \alpha^8+\alpha^7-\alpha-1=0 $$
すなわち
$$ (\alpha+1)(\alpha^7-1)=0 $$
となる。
まず $\alpha=-1$ の場合を考えると、$\beta=\alpha^{-1}=-1$ でもあるから、$x^2+ax+1=(x+1)^2$ となる。しかし
$$ P(x)=x^4+x^3+b $$
とおくと、
$$ P'(-1)=4(-1)^3+3(-1)^2=-1\neq 0 $$
であるから、$x=-1$ は重解になれない。したがって $\alpha=-1$ は不適である。
よって
$$ \alpha^7=1 $$
である。
さらに $\alpha=1$ でも $\beta=1$ となって重解になるが、
$$ P'(1)=4+3=7\neq 0 $$
であるから、これも不適である。
したがって $\alpha$ は $1$ 以外の $7$ 乗根であり、
$$ \alpha=e^{2\pi i k/7}\qquad (k=1,2,3,4,5,6) $$
と書ける。
このとき
$$ a=-(\alpha+\alpha^{-1})=-2\cos\frac{2k\pi}{7} $$
である。
また、$\alpha$ は $x^4+x^3+b=0$ の根だから、
$$ b=-(\alpha^4+\alpha^3) $$
である。ここで $\alpha^7=1$ より $\alpha^4=\alpha^{-3}$ なので、
$$ b=-(\alpha^{-3}+\alpha^3)=-2\cos\frac{6k\pi}{7} $$
となる。
ただし $k$ と $7-k$ は同じ二次式を与えるので、異なる組は $k=1,2,3$ の3通りである。したがって
$$ (a,b)=\left(-2\cos\frac{2\pi}{7},,-2\cos\frac{6\pi}{7}\right), \left(-2\cos\frac{4\pi}{7},,-2\cos\frac{12\pi}{7}\right), \left(-2\cos\frac{6\pi}{7},,-2\cos\frac{18\pi}{7}\right) $$
である。角を整理すると、
$$ (a,b)=\left(-2\cos\frac{2\pi}{7},,2\cos\frac{\pi}{7}\right), \left(-2\cos\frac{4\pi}{7},,-2\cos\frac{2\pi}{7}\right), \left(2\cos\frac{\pi}{7},,-2\cos\frac{4\pi}{7}\right) $$
を得る。
解説
この問題の要点は、割る式の定数項が $1$ なので、根が互いに逆数になることである。そのため、$\alpha$ が根なら $\alpha^{-1}$ も根であり、$x^4+x^3+b$ に代入して引き算すると $7$ 乗根の条件が現れる。
その結果、$x^2+ax+1$ の根は $1$ 以外の $7$ 乗根の組になり、$a,b$ は三角関数で表される3通りに決まる。
答え
$$ (a,b)=\left(-2\cos\frac{2\pi}{7},,2\cos\frac{\pi}{7}\right),\ \left(-2\cos\frac{4\pi}{7},,-2\cos\frac{2\pi}{7}\right),\ \left(2\cos\frac{\pi}{7},,-2\cos\frac{4\pi}{7}\right) $$
の3通りである。