基礎問題集
数学2 複素数と方程式「高次方程式」の問題13 解説
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解説
方針・初手
与えられた4次方程式は
$$ (x^2-px-q^2)(x^2-qx-p^2)=0 $$
と因数分解された形で与えられているので,まず2つの2次方程式
$$ x^2-px-q^2=0,\qquad x^2-qx-p^2=0 $$
をそれぞれ調べる。
各2次方程式が相異なる2個の実数解をもつこと,さらに両者が共通解をもたないことを示せば,もとの4次方程式は相異なる4個の実数解をもつことが分かる。
解法1
まず
$$ x^2-px-q^2=0 $$
について考える。この判別式を $\Delta_1$ とすると,
$$ \Delta_1=p^2+4q^2 $$
である。ここで $p,q$ は実数であり,$pq<0$ だから $p\neq 0,\ q\neq 0$ である。したがって
$$ \Delta_1=p^2+4q^2>0 $$
となる。よってこの方程式は相異なる2個の実数解をもつ。
同様に,
$$ x^2-qx-p^2=0 $$
の判別式を $\Delta_2$ とすると,
$$ \Delta_2=q^2+4p^2>0 $$
だから,これも相異なる2個の実数解をもつ。
以上より,少なくとも実数解は4個ある可能性があるが,2つの2次方程式が共通解をもつと重なってしまう。そこで共通解が存在しないことを示す。
2つの方程式が共通解 $\alpha$ をもつと仮定する。すると
$$ \alpha^2-p\alpha-q^2=0 $$
かつ
$$ \alpha^2-q\alpha-p^2=0 $$
が成り立つ。両式を引くと,
$$ (-p+q)\alpha+(-q^2+p^2)=0 $$
すなわち
$$ (q-p)\alpha+(p^2-q^2)=0 $$
である。ここで
$$ p^2-q^2=(p-q)(p+q)=-(q-p)(p+q) $$
より,
$$ (q-p){\alpha-(p+q)}=0 $$
を得る。
さて,$pq<0$ であるから $p=q$ は不可能である。実際,もし $p=q$ なら $pq=p^2\ge 0$ となってしまう。したがって $q-p\neq 0$ であり,
$$ \alpha=p+q $$
でなければならない。
これを
$$ \alpha^2-p\alpha-q^2=0 $$
に代入すると,
$$ (p+q)^2-p(p+q)-q^2=0 $$
すなわち
$$ p^2+2pq+q^2-p^2-pq-q^2=0 $$
より
$$ pq=0 $$
となる。しかし仮定では $pq<0$ であり,これは矛盾である。
よって2つの2次方程式は共通解をもたない。
したがって,
- $x^2-px-q^2=0$ は相異なる2個の実数解をもつ。
- $x^2-qx-p^2=0$ は相異なる2個の実数解をもつ。
- しかも両者に共通解はない。
以上より,もとの4次方程式
$$ (x^2-px-q^2)(x^2-qx-p^2)=0 $$
は相異なる4個の実数解をもつ。
解説
この問題の要点は,4次方程式を無理に展開して調べないことである。すでに2つの2次式の積の形になっているので,
- それぞれが実数解を2個ずつもつこと
- その解が重ならないこと
の2点を確認すれば十分である。
特に「相異なる4個」を示すには,判別式が正であることだけでは足りず,共通解がないことまで確認する必要がある。この点が見落としやすい。
答え
2つの2次方程式
$$ x^2-px-q^2=0,\qquad x^2-qx-p^2=0 $$
はそれぞれ判別式が
$$ p^2+4q^2>0,\qquad q^2+4p^2>0 $$
であるから,相異なる2個の実数解をもつ。
また,共通解 $\alpha$ があるとすると,2式の差より
$$ (q-p){\alpha-(p+q)}=0 $$
を得る。$pq<0$ より $p\neq q$ なので $\alpha=p+q$ であるが,これを代入すると $pq=0$ となり矛盾する。したがって共通解はない。
よって
$$ (x^2-px-q^2)(x^2-qx-p^2)=0 $$
は相異なる4個の実数解をもつ。