基礎問題集
数学2 複素数と方程式「高次方程式」の問題32 解説
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解説
方針・初手
区間 $(4,5)$ に解があることは、左辺を $F(x)=x^4-20x^2-8\sqrt2 x+32$ とおいて符号変化を調べればよい。
そのうえで、オイラーの方法に従って
$$ x=\sqrt p+\sqrt q+\sqrt r \qquad (p,q,r>0) $$
とおき、対称式
$$ f=p+q+r,\qquad g=pq+qr+rp,\qquad h=pqr $$
で整理する。すると $x$ が満たす 4 次方程式を $f,g,h$ で表せるので、与えられた方程式と係数比較して $f,g,h$ を決定できる。最後に $p,q,r$ を求めて $x$ を簡単にする。
解法1
(1) 区間 $(4,5)$ に解をもつことの証明
$$ F(x)=x^4-20x^2-8\sqrt2 x+32 $$
とおく。
まず
$$ F(4)=4^4-20\cdot 4^2-8\sqrt2\cdot 4+32 =256-320-32\sqrt2+32 =-32-32\sqrt2<0 $$
である。
次に
$$ F(5)=5^4-20\cdot 5^2-8\sqrt2\cdot 5+32 =625-500-40\sqrt2+32 =157-40\sqrt2 $$
であり、
$$ 157^2=24649>3200=(40\sqrt2)^2 $$
より $157>40\sqrt2$ だから
$$ F(5)=157-40\sqrt2>0 $$
である。
$F(x)$ は多項式なので連続である。したがって中間値の定理により、方程式
$$ x^4-20x^2-8\sqrt2 x+32=0 $$
は区間 $(4,5)$ に少なくとも 1 つ解をもつ。
(2) オイラーの方法で $f,g,h$ を求める
$$ x=\sqrt p+\sqrt q+\sqrt r \qquad (p,q,r>0) $$
とおき、
$$ f=p+q+r,\qquad g=pq+qr+rp,\qquad h=pqr $$
とする。
まず
$$ x^2=p+q+r+2(\sqrt{pq}+\sqrt{qr}+\sqrt{rp}) =f+2u $$
とおく。ただし
$$ u=\sqrt{pq}+\sqrt{qr}+\sqrt{rp} $$
である。
ここで $u^2$ を計算すると
$$ \begin{aligned} u^2 &=pq+qr+rp+2(\sqrt{pq}\sqrt{qr}+\sqrt{qr}\sqrt{rp}+\sqrt{rp}\sqrt{pq}) \\ &=g+2(q\sqrt{pr}+r\sqrt{pq}+p\sqrt{qr}) \\ &=g+2\sqrt{pqr}(\sqrt p+\sqrt q+\sqrt r) \\ &=g+2\sqrt h,x \end{aligned} $$
となる。
したがって
$$ \begin{aligned} x^4 &=(f+2u)^2 \\ &=f^2+4fu+4u^2 \\ &=f^2+2f(x^2-f)+4(g+2\sqrt h,x) \\ &=2fx^2+8\sqrt h,x+4g-f^2 \end{aligned} $$
である。
よって $x$ は
$$ x^4-2fx^2-8\sqrt h,x-(4g-f^2)=0 $$
を満たす。これを
$$ x^4-Ax^2-Bx-C=0 $$
と比べると
$$ A=2f,\qquad B=8\sqrt h,\qquad C=4g-f^2 $$
である。
いま与えられた方程式は
$$ x^4-20x^2-8\sqrt2 x+32=0 $$
であるから、これを
$$ x^4-Ax^2-Bx-C=0 $$
の形に合わせると
$$ A=20,\qquad B=8\sqrt2,\qquad C=-32 $$
である。したがって係数比較により
$$ 2f=20,\qquad 8\sqrt h=8\sqrt2,\qquad 4g-f^2=-32 $$
となるので、
$$ f=10,\qquad h=2,\qquad 4g-100=-32 $$
より
$$ g=17 $$
を得る。
ゆえに
$$ f=10,\qquad g=17,\qquad h=2 $$
である。
**(3)**
$p,q,r$ を求める
$p,q,r$ は 3 次方程式
$$ X^3-fX^2+gX-h=0 $$
の 3 つの解であるから、(2) より
$$ X^3-10X^2+17X-2=0 $$
を解けばよい。
有理数解を調べると $X=2$ を代入して
$$ 2^3-10\cdot 2^2+17\cdot 2-2=8-40+34-2=0 $$
となるから、$X=2$ は解である。よって因数分解して
$$ X^3-10X^2+17X-2=(X-2)(X^2-8X+1) $$
である。
さらに
$$ X^2-8X+1=0 $$
より
$$ X=\frac{8\pm\sqrt{64-4}}{2}=4\pm\sqrt{15} $$
を得る。
したがって
$$ p,\ q,\ r=2,\ 4+\sqrt{15},\ 4-\sqrt{15} $$
である。
(4) 解の簡略化と区間 $(4,5)$ の確認
(3) の結果を用いると
$$ x=\sqrt2+\sqrt{4+\sqrt{15}}+\sqrt{4-\sqrt{15}} $$
である。
ここで
$$ \begin{aligned} \left(\sqrt{4+\sqrt{15}}+\sqrt{4-\sqrt{15}}\right)^2 &=(4+\sqrt{15})+(4-\sqrt{15})+2\sqrt{(4+\sqrt{15})(4-\sqrt{15})} \\ &=8+2\sqrt{16-15} \\ &=10 \end{aligned} $$
となるので、
$$ \sqrt{4+\sqrt{15}}+\sqrt{4-\sqrt{15}}=\sqrt{10} $$
である。よって求める解は
$$ x=\sqrt{10}+\sqrt2 $$
と簡略化される。
この $x$ が $(4,5)$ にあることを示す。$x>0$ なので 2 乗して比較すれば十分であり、
$$ x^2=(\sqrt{10}+\sqrt2)^2=12+4\sqrt5 $$
である。
まず $\sqrt5>1$ より
$$ x^2=12+4\sqrt5>12+4=16 $$
だから $x>4$ である。
また $\sqrt5<3$ より
$$ x^2=12+4\sqrt5<12+12=24<25 $$
だから $x<5$ である。
したがって
$$ 4<x<5 $$
が成り立つ。
解説
この問題の要点は、$x=\sqrt p+\sqrt q+\sqrt r$ とおいたときに、$\sqrt{pq}+\sqrt{qr}+\sqrt{rp}$ を補助的に導入して $x^4$ を整理することである。直接 $x^4$ を展開すると煩雑になるが、対称式
$$ f=p+q+r,\qquad g=pq+qr+rp,\qquad h=pqr $$
でまとめると、係数比較で $f,g,h$ が一気に決まる。
そのあと $p,q,r$ は 3 次方程式の根として求めればよい。最後の簡略化では
$$ (\sqrt\alpha+\sqrt\beta)^2=\alpha+\beta+2\sqrt{\alpha\beta} $$
を逆向きに使うのが典型処理である。
答え
**(1)**
$$ F(4)=-32-32\sqrt2<0,\qquad F(5)=157-40\sqrt2>0 $$
より、中間値の定理によって方程式 $(*)$ は区間 $(4,5)$ に解をもつ。
**(2)**
$$ A=2f,\qquad B=8\sqrt h,\qquad C=4g-f^2 $$
であり、与えられた方程式との比較から
$$ f=10,\qquad g=17,\qquad h=2 $$
である。
**(3)**
$$ X^3-fX^2+gX-h=0 $$
は
$$ X^3-10X^2+17X-2=0 $$
となり、その 3 解は
$$ p,\ q,\ r=2,\ 4+\sqrt{15},\ 4-\sqrt{15} $$
である。
**(4)**
求める解は
$$ x=\sqrt2+\sqrt{4+\sqrt{15}}+\sqrt{4-\sqrt{15}} =\sqrt2+\sqrt{10} $$
であり、
$$ 4<\sqrt{10}+\sqrt2<5 $$
したがって区間 $(4,5)$ にある解は
$$ \boxed{x=\sqrt{10}+\sqrt2} $$
である。