基礎問題集
数学2 複素数と方程式「高次方程式」の問題38 解説
数学2の複素数と方程式「高次方程式」にある問題38の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
有理数解を既約分数で表し、方程式に代入して分母に関する条件を調べる。係数が整数で、しかも $x^2$ の係数が $1$ であることを使うと、分母は $1$ でなければならないことが分かる。
解法1
$\alpha$ は有理数であるから、互いに素な整数 $a,b$($b>0$)を用いて
$$ \alpha=\frac{a}{b} $$
と表せる。
これを $f(x)=x^2+px+q$ に代入すると、
$$ \left(\frac{a}{b}\right)^2+p\left(\frac{a}{b}\right)+q=0 $$
である。両辺に $b^2$ を掛けると、
$$ a^2+pab+qb^2=0 $$
となる。したがって
$$ a^2=-pab-qb^2 $$
であるから、右辺は $b$ の倍数であり、$a^2$ は $b$ の倍数である。つまり
$$ b\mid a^2 $$
である。
ここで $a,b$ は互いに素である。もし $b>1$ なら、$b$ の素因数のうちある素数 $r$ が存在して $r\mid b$ となる。このとき $b\mid a^2$ より $r\mid a^2$ であるから、素数の性質より $r\mid a$ となる。すると $r$ は $a,b$ の公約数となり、$a,b$ が互いに素であることに反する。
よって $b=1$ である。したがって
$$ \alpha=a $$
となり、$\alpha$ は整数である。
解法2
有理数 $\alpha$ を既約分数 $\alpha=\dfrac{a}{b}$($b>0,\ \gcd(a,b)=1$)とする。
$f(\alpha)=0$ より
$$ \frac{a^2+pab+qb^2}{b^2}=0 $$
すなわち
$$ a^2+pab+qb^2=0 $$
である。
この式を $\bmod b$ で見ると、$pab$ も $qb^2$ も $b$ で割り切れるので、
$$ a^2\equiv 0 \pmod{b} $$
となる。したがって $b\mid a^2$ である。
ところが $\gcd(a,b)=1$ なので、$a$ は $b$ と共通の素因数をもたない。よって $a^2$ も $b$ と共通の素因数をもたないから、$b\mid a^2$ となるためには $b=1$ しかない。
ゆえに
$$ \alpha=\frac{a}{b}=a $$
であり、$\alpha$ は整数である。
解説
本問の核心は、「整数係数の首位係数 $1$ の多項式の有理数解は、既約分数で書いたとき分母が $1$ になる」という点である。これは有理根定理の最も基本的な場合である。
この問題では一般定理をそのまま使わなくても、$\alpha=\dfrac{a}{b}$ を代入して $b\mid a^2$ を導き、既約分数の条件 $\gcd(a,b)=1$ と矛盾させれば十分である。計算自体は短いが、「互いに素」と「素因数」の議論を省略せずに書くことが重要である。
答え
有理数 $\alpha$ が $x^2+px+q=0$ の解であるとき、$\alpha$ を既約分数 $\alpha=\dfrac{a}{b}$ とおくと $b\mid a^2$ が成り立つ。ところが $\gcd(a,b)=1$ であるから $b=1$ となる。したがって
$$ \alpha\in \mathbb{Z} $$
である。