基礎問題集
数学2 複素数と方程式「高次方程式」の問題50 解説
数学2の複素数と方程式「高次方程式」にある問題50の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
$f(x)=x^2+ax+b$ の根を $\alpha,\beta$ とする。
条件 (イ) の $f(x)\mid f(x^3)$ を根で見るのが自然である。実際、$f(\alpha)=f(\beta)=0$ なので、$f(x)\mid f(x^3)$ ならば
$$ f(\alpha^3)=0,\qquad f(\beta^3)=0 $$
が成り立つ。したがって $\alpha^3,\beta^3$ もまた $f$ の根であり、
$$ \alpha^3,\beta^3\in{\alpha,\beta} $$
となる。つまり、根の集合が写像 $z\mapsto z^3$ で閉じていることを使って場合分けすればよい。
解法1
$f(x)$ を
$$ f(x)=(x-\alpha)(x-\beta) $$
とおく。
条件 (イ) より、先に述べたように
$$ \alpha^3,\beta^3\in{\alpha,\beta} $$
が必要である。
逆に、$\alpha,\beta$ が相異なるときにこの条件が成り立てば、$f(x^3)$ は $x=\alpha,\beta$ を根にもつから $f(x)\mid f(x^3)$ が従う。したがって、あとはこの条件を満たす根の組をすべて求めればよい。
(i) 重解の場合
まず $\alpha=\beta=r$ とする。
このとき $r^3\in{r}$ なので
$$ r^3=r $$
であり、
$$ r(r-1)(r+1)=0 $$
より
$$ r=0,\ 1,\ -1 $$
である。したがって
$$ f(x)=x^2,\ (x-1)^2,\ (x+1)^2 $$
しかないが、いずれも係数は実数であり、条件 (ロ) に反する。
よって重解の場合は不適である。
(ii) 異なる2根をもつ場合
このとき、各根の像 $\alpha^3,\beta^3$ は $\alpha,\beta$ のいずれかであるから、次の3通りに分かれる。
(1) $\alpha,\beta$ がともに不動点である場合
$$ \alpha^3=\alpha,\qquad \beta^3=\beta $$
より
$$ \alpha,\beta\in{0,\pm1} $$
である。したがって $f(x)$ の係数は実数となり、条件 (ロ) に反する。
よって不適である。
(2) 一方だけが不動点である場合
対称性より
$$ \alpha^3=\alpha,\qquad \beta^3=\alpha $$
としてよい。
まず $\alpha^3=\alpha$ より
$$ \alpha\in{0,\pm1} $$
である。
**$\alpha=0$** のとき、$\beta^3=0$ から $\beta=0$ となり、$\alpha\neq\beta$ に反する。
したがって $\alpha=\pm1$ である。
**$\alpha=1$** のとき、$\beta^3=1,\ \beta\neq1$ だから
$$ \beta=\omega,\ \omega^2 $$
となる。ただし $\omega$ は $1$ でない $3$ 乗根
$$ \omega=e^{2\pi i/3} $$
である。
このとき
$$ f(x)=(x-1)(x-\omega),\quad (x-1)(x-\omega^2) $$
を得る。
**$\alpha=-1$** のとき、$\beta^3=-1,\ \beta\neq-1$ だから
$$ \beta=-\omega,\ -\omega^2 $$
となる。
このとき
$$ f(x)=(x+1)(x+\omega),\quad (x+1)(x+\omega^2) $$
を得る。
(3) 2つの根が入れ替わる場合
$$ \alpha^3=\beta,\qquad \beta^3=\alpha $$
とする。
このとき
$$ \alpha^9=(\alpha^3)^3=\beta^3=\alpha $$
より
$$ \alpha(\alpha^8-1)=0 $$
となる。
$\alpha=0$ なら $\beta=\alpha^3=0$ となって $\alpha\neq\beta$ に反するから、
$$ \alpha^8=1 $$
である。すなわち $\alpha$ は $8$ 乗根であり、$\beta=\alpha^3$ である。
ここで $\alpha=\pm1$ なら $\beta=\alpha$ となってしまうので除く。すると候補は
$$ \alpha\in\left\{\pm i,\ e^{\pi i/4},\ e^{3\pi i/4},\ e^{5\pi i/4},\ e^{7\pi i/4}\right\} $$
である。
これから得られる根の組は、順序を除いて
$$ {i,-i},\ \left\{e^{\pi i/4},e^{3\pi i/4}\right\},\ \left\{e^{5\pi i/4},e^{7\pi i/4}\right\} $$
の3通りである。
このうち
$$ (x-i)(x+i)=x^2+1 $$
は係数が実数なので条件 (ロ) に反する。
したがって残るのは
$$ f(x)=\left(x-e^{\pi i/4}\right)\left(x-e^{3\pi i/4}\right),\quad \left(x-e^{5\pi i/4}\right)\left(x-e^{7\pi i/4}\right) $$
である。
条件の確認
以上で得た6個は、いずれも根の集合が $z\mapsto z^3$ で閉じている。
例えば $(x-1)(x-\omega)$ なら
$$ 1^3=1,\qquad \omega^3=1 $$
であり、確かに各根の3乗は再び根である。ほかも同様であるから、いずれも $f(x)\mid f(x^3)$ を満たす。
また、どれも係数 $a,b$ の少なくとも一方が実数でないので、条件 (ロ) も満たす。
解説
この問題の本質は、整式の割り切りを「根がどこへ写るか」に読み替えることである。
$f(x)\mid f(x^3)$ という条件は、$f$ の根 $\alpha$ に対して $\alpha^3$ も再び $f$ の根であることを意味する。2次式なので根は高々2個しかなく、結局「2点集合が $z\mapsto z^3$ でどう動くか」を全部調べれば尽きる。
重解、両方固定、一方のみ固定、相互に入れ替わる、の4種類に整理すると漏れなく処理できる。最後に条件 (ロ) により、係数が実数になってしまうものを除けばよい。
答え
求める2次式は次の6個である。
$$ (x-1)(x-\omega),\quad (x-1)(x-\omega^2),\quad (x+1)(x+\omega),\quad (x+1)(x+\omega^2), $$
$$ \left(x-e^{\pi i/4}\right)\left(x-e^{3\pi i/4}\right),\quad \left(x-e^{5\pi i/4}\right)\left(x-e^{7\pi i/4}\right), $$
ただし
$$ \omega=e^{2\pi i/3} $$
である。
展開すると
$$ x^2+\omega^2x+\omega,\quad x^2+\omega x+\omega^2,\quad x^2-\omega^2x+\omega,\quad x^2-\omega x+\omega^2, $$
$$ x^2-i\sqrt2,x-1,\quad x^2+i\sqrt2,x-1 $$
である。