基礎問題集
数学2 複素数と方程式「高次不等式」の問題3 解説
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解説
方針・初手
与えられた式を
$$ P(x)=(a^2-1)x^3+(-a+b+1)x^2+(ab-b-4)x+4a-3b+4 $$
とおく。
これがすべての実数 $x$ に対して $P(x)>0$ となるためには、まず $P(x)$ が奇数次式であってはならない。三次の項が残ると、$x\to\infty$ と $x\to-\infty$ で符号が変わってしまい、全ての実数で正にはなれないからである。
したがって、まず $x^3$ の係数を $0$ にすることから始める。
解法1
$x^3$ の係数が $0$ であるから、
$$ a^2-1=0 $$
より
$$ a=\pm 1 $$
である。
以下、場合分けする。
**(i)**
$a=1$ のとき
$$ P(x)=bx^2-4x+(8-3b) $$
となる。
これがすべての実数 $x$ に対して正であるためには、二次式として
$$ b>0,\qquad D<0 $$
が必要十分である。ただし $D$ は判別式である。
判別式を計算すると、
$$ D=(-4)^2-4b(8-3b) =16-32b+12b^2 =4(3b^2-8b+4) $$
である。よって
$$ D<0 \iff 3b^2-8b+4<0 \iff (3b-2)(b-2)<0 $$
となるから、
$$ \frac23<b<2 $$
を得る。$b$ は整数なので
$$ b=1 $$
のみである。
このとき
$$ P(x)=x^2-4x+5=(x-2)^2+1>0 $$
であり、条件を満たす。
したがって、この場合は
$$ (a,b)=(1,1) $$
である。
**(ii)**
$a=-1$ のとき
$$ P(x)=(b+2)x^2-(2b+4)x-3b $$
となる。
まず $b=-2$ のときを見ると、
$$ P(x)=6>0 $$
となり、条件を満たす。よって
$$ (a,b)=(-1,-2) $$
は適する。
次に $b\neq -2$ のとき、$P(x)$ は二次式であるから、すべての実数 $x$ に対して正であるための条件は
$$ b+2>0,\qquad D<0 $$
である。
判別式は
$$ D=(-(2b+4))^2-4(b+2)(-3b) $$
より
$$ \begin{aligned} D &=(2b+4)^2+12b(b+2) \\ &=4(b+2)^2+12b(b+2) \\ &=4(b+2)(b+2+3b) \\ &=4(b+2)(4b+2) \end{aligned} $$
である。したがって
$$ D<0 \iff (b+2)(4b+2)<0 \iff (b+2)(2b+1)<0 $$
となる。
これより
$$ -2<b<-\frac12 $$
を得る。$b$ は整数なので
$$ b=-1 $$
のみである。
このとき
$$ P(x)=x^2-2x+3=(x-1)^2+2>0 $$
であり、条件を満たす。
したがって、この場合は
$$ (a,b)=(-1,-1),\ (-1,-2) $$
である。
以上より、求める整数の組は
$$ (a,b)=(1,1),\ (-1,-1),\ (-1,-2) $$
である。
解説
この問題の要点は、まず「すべての実数 $x$ で正」という条件から、三次式は不可能だと見抜くことである。奇数次多項式は $x\to\infty$ と $x\to-\infty$ で値の符号が逆方向に振れるため、全ての実数で正にはなれない。
その後は二次式の標準条件
$$ \text{二次の係数}>0,\qquad \text{判別式}<0 $$
を用いればよい。ただし、二次の係数が $0$ になる場合は一次式や定数式に落ちるので、そこを別に確認する必要がある。この問題では $a=-1,\ b=-2$ のときに定数 $6$ となる点を見落とさないことが重要である。
答え
$$ (a,b)=(1,1),\ (-1,-1),\ (-1,-2) $$