基礎問題集
数学2 三角関数「三角関数」の問題12 解説
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解説
方針・初手
時刻を $t$ とおいて、点 $P,Q$ の座標を媒介変数表示するのが最も自然である。
点 $P$ は半径 $1$ の円を角速度 $2$ で動き、点 $Q$ は半径 $2$ の円を角速度 $1$ で動くので、両者の座標を $t$ で表せば、距離 $PQ$ の二乗が $t$ の関数として求まる。距離そのものよりも、まず $PQ^2$ を整理すると計算が簡潔になる。
解法1
時刻 $t$ における点 $P,Q$ の座標は
$$ P=(\cos 2t,\ \sin 2t),\qquad Q=(4+2\cos t,\ 2\sin t) $$
である。
したがって
$$ PQ^2=(4+2\cos t-\cos 2t)^2+(2\sin t-\sin 2t)^2 $$
となる。
ここで
$$ \cos 2t=2\cos^2 t-1,\qquad \sin 2t=2\sin t\cos t $$
を用いる。$c=\cos t,\ s=\sin t$ とおくと、
$$ PQ^2=(4+2c-(2c^2-1))^2+(2s-2sc)^2 $$
すなわち
$$ PQ^2=(5+2c-2c^2)^2+4s^2(1-c)^2 $$
である。さらに $s^2=1-c^2$ より、
$$ \begin{aligned} PQ^2 &=(5+2c-2c^2)^2+4(1-c^2)(1-c)^2 \\ &=-16c^2+12c+29 \end{aligned} $$
となる。
よって
$$ PQ^2=-16\left(c-\frac{3}{8}\right)^2+\frac{125}{4} $$
であるから、$-1\le c\le 1$ において最大値は
$$ PQ^2=\frac{125}{4} $$
であり、
$$ PQ=\frac{5\sqrt{5}}{2} $$
となる。このとき
$$ \cos t=\frac{3}{8} $$
である。
また、上の式は下に凸ではなく上に凸な二次式であるから、最小値は端点で生じる。端点を調べると
$$ PQ^2\big|*{c=1}=25,\qquad PQ^2\big|*{c=-1}=1 $$
より、最小値は
$$ PQ=1 $$
であり、このとき
$$ \cos t=-1 $$
である。
最大値を与える点の座標
$\cos t=\dfrac{3}{8}$ のとき、
$$ \sin t=\pm\sqrt{1-\left(\frac{3}{8}\right)^2} =\pm\frac{\sqrt{55}}{8} $$
である。
したがって
$$ Q=(4+2\cos t,\ 2\sin t) =\left(\frac{19}{4},\ \pm\frac{\sqrt{55}}{4}\right) $$
であり、また
$$ P=(\cos 2t,\ \sin 2t) =(2\cos^2 t-1,\ 2\sin t\cos t) $$
より
$$ P=\left(2\cdot\frac{9}{64}-1,\ 2\cdot\frac{3}{8}\cdot\pm\frac{\sqrt{55}}{8}\right) =\left(-\frac{23}{32},\ \pm\frac{3\sqrt{55}}{32}\right) $$
となる。
最小値を与える点の座標
$\cos t=-1$ であるから $t=\pi$ とみなせば、
$$ P=(\cos 2\pi,\ \sin 2\pi)=(1,0), \qquad Q=(4+2\cos\pi,\ 2\sin\pi)=(2,0) $$
である。
解説
この問題の要点は、2点がそれぞれ別の円周上を異なる角速度で動いていても、同じ時刻 $t$ を用いて座標表示すれば距離の問題に落とせる点にある。
また、距離をそのまま扱うより $PQ^2$ を扱うのが定石である。実際、本問では三角関数の2倍角公式を使うことで $PQ^2$ が $\cos t$ の二次式にまで落ち、最大・最小が一気に読める。
最大値のときは $\cos t=\dfrac38$ となるので、$\sin t$ の符号が $\pm$ の2通りあり、したがって座標も上下対称な2組存在する。一方、最小値のときは $t=\pi$ で位置が一意に定まる。
答え
最大値は
$$ \frac{5\sqrt{5}}{2} $$
であり、そのとき
$$ P=\left(-\frac{23}{32},\ \frac{3\sqrt{55}}{32}\right),\quad Q=\left(\frac{19}{4},\ \frac{\sqrt{55}}{4}\right) $$
または
$$ P=\left(-\frac{23}{32},\ -\frac{3\sqrt{55}}{32}\right),\quad Q=\left(\frac{19}{4},\ -\frac{\sqrt{55}}{4}\right) $$
である。
最小値は
$$ 1 $$
であり、そのとき
$$ P=(1,0),\quad Q=(2,0) $$
である。